選書914 西洋の書物工房 (朝日選書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022630148

感想・レビュー・書評

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  • 西洋の書物の歴史を、読みながら改めて整理する。

    どんなものでもそうだけれど、そのものがその形になるには
    必ず、意味と、そのかたちに至った段階的な経緯がある。
    私は本に興味があるので、本の発展の経緯をみることで
    本以外のものにも共通する、もののかたちの発展の仕方の本質のようなものを感じることができるように思う。

    今回新たに認識したのは、ヨーロッパにおける製紙技術の発展が
    地域によってだいぶ時間的な開きがあったのだということ。
    父がスペインで紙を買ってきてくれたときに、スペインにこんな紙文化があったのかということに驚いたが
    他の地域に比べるとスペインでは100年も製紙術が伝わるのが早かったそうだ。

    あとはギャルドブランシュの役割について。
    そう言えばちゃんと考えたことなかったなーと。
    今回、歴史をたどる中で、仮綴じ本を表紙も残して
    美しく飾られた革の表紙と何枚もの白紙に保護されて
    製本したものを思い浮かべてみて
    ずーっと長い間いまいちピンと来ていなかった
    西洋の製本の、なんでそんなことしてたん?ていうような
    習慣的な意味合いに、自分の中でなんとなく
    少ーし輪郭がはっきりしたように思った。

著者プロフィール

貴田庄(きだしょう):1947年青森県弘前市生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了、芸術学専攻。専門は映画史、西洋美術史、書物工芸史。著書に『小津安二郎のまなざし』『小津安二郎の食卓』『小津安二郎東京グルメ案内』『小津安二郎と「東京物語」』『原節子 あるがままに生きて』『原節子物語 若き日々』『志賀直哉、映画に行く』『高峰秀子 人として女優として』『西洋の書物工房』『マーブル染』『レンブラントと和紙』など多数。

「2023年 『小津安二郎と七人の監督』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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