街道をゆく 42 三浦半島記 (朝日文庫 し 1-98)

著者 :
  • 朝日新聞出版
4.09
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本棚登録 : 187
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  • Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022644961

作品紹介・あらすじ

横浜のホテルに宿泊して勤め人のように通いつつ取材する著者。目的地は、ごく小さな場所ながら日本史を旋回させる舞台となった、三浦半島だ。あまたの武者の血を吸った鎌倉の地を歩いては、現代の日本にとっても重要な要素である武士の起こりと「中世」の成立を考える。横須賀では記念艦として保存されている戦艦「三笠」を再訪し、『坂の上の雲』取材時の「秘話」もつづる。

感想・レビュー・書評

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  • 鎌倉殿を機に読み始めた。縁のある土地がよく出てくるので思うところ多々ありな感じで読み進めた。それにしても、このシリーズは旅に出たくなる。

  • 司馬遼太郎が1971年に「週刊朝日」にて連載を開始した「街道をゆく」シリーズの「42.三浦半島記」。2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」を観て、手に取りました。鎌倉時代について司馬遼太郎独自の視点で書かれており興味深く読みました。また海軍に関する記載についても陸軍だった筆者からの視点は面白い。どちらかというと三浦半島の付け根の話が多いのはご愛敬か。

  • かなり前(20年近く前?)に購入して実家で積んだままだった本書、帰省時に見つけて自宅に持ち帰って読んでみたが夢中になって一気に読んだ。鎌倉殿が大河ドラマで放送されたがその登場人物の多くの名前にちなんだエピソードも多くて大変興味深く読めた。この街道をゆくシリーズは本書が初だが他のシリーズにも興味が出てきたので手に入るなら探してみようかと思う。

  • 累計発行部数1200万部超、読み継がれる、司馬遼太郎のライフワーク。この作品の目的地は、ごく小さな場所ながら日本史を旋回させる舞台となった三浦半島。

  • 三浦半島を歩きたい

  • はじめての街道をゆくシリーズ
    話はあちらこちら、場所を変えて、時代を超えて飛んでいくので最初は戸惑ったが、そこにある物語へは引き込まれていきます。

    三浦半島に焦点が置かれた本作では、鎌倉時代前後の話、横須賀=明治以降の海軍の話が多いです。

    鎌倉時代前後の話
    頼朝、北条氏の政治思想の中心にあるものを知りながら、そのおこりから体制強化の流れを捉えることができる。目新しく楽しむことができた。

    海軍の話
    陸軍と海軍の違いが、これもまた興りから知ることができ、その後太平洋戦争の終結までを新たな視点で捉えることができた。(海軍は明治時代から新しい文化を海外(イギリス)などから取り入れながら急速に作られたものであり、陸軍は旧来の土俗的な文化、仕組みなどが残っているという点。)

    違う視点を学ぶことで、目の前にある材料、ここでは歴史は全く違うもので見えてくる。面白いなあと。

    知らない話もたくさん出てくるけど、やっぱり大きな話しは面白いし、心躍らされる。

    薩長同盟の会談の物語はかっこえーなーって思うし、日露戦争、太平洋戦争の話も面白いなーって。なんでだろ。

  • この本を相方に、鎌倉一人旅へ。
    最高な出会いがたくさんありました。

  • 本シリーズ制覇も残るはアイルランド編の前後編を残すのみとなり、当初の目的であった「次回一時帰国までに踏破」は条件付きながら達成されたとみてよい所まで来た。ふぅ。

    そんなめでたい場面になったのがここ三浦半島。関西内陸育ちの身としては急所的地区なのではあるが、今回のシバさんの手法にはグイグイを引き込まれあっという間に読了していた。ここでいう「手法」とは。

    今回の話題はざっくりと言って鎌倉近辺から派生する「封建時代幕開けネタ」八割と横須賀に入ってから展開される「日本海軍ネタ」二割といったところ。前者八割のネタについては単純に時系列に進むのではなく行ったり来たり、立場・視点も入れ替えながら自由自在に時間軸を泳いでいってくれるのである。そんななかぽっと急に浮かび上がって20世紀の話題にいれかわり、一瞬あれっとあっけにとられはするものの、はてさてそちらの話題も興味深いのだ。これが本巻で色濃く出ていた「手法」と勝手に呼んでいる部分。他の巻でもあったかもしれないが本巻はその度合がとりわけ強かったと感じた次第。

    ペアリングのことを考えていてまだ手を付けていない司馬作品群の中にまさに「義経」と題したものが含まれていたことを思い出した。ここ数年、彼の幕末維新からあとの時代を舞台とした作品を夢から覚めたかのように読み進めた理由は、単なる歴史小説ではない何かが含まれていると思ったればこそであったのであるが、今回の鎌倉周りの話を読ませてもらってどうやらこの作品にも手を付けねばならばいような気がしてきた。本書で執拗に追いかけられた「頼朝」を通してみた時代感とどう違うのか、はたまた似たような構成となっているのか、そういった本巻との比較を楽しみたい。

  • 三浦半島を歩きながら、伊豆半島での頼朝挙兵を語り、そこから、鎌倉幕府、北条氏、更には、三浦一族の興亡等、横須賀界隈を巡りつつ、勝海舟、小栗上野介、ペリー来航、咸臨丸、戦艦三笠、更に、ミッドウエイ、キスカを語る司馬遼太郎、縦横無尽な展開、本領発揮の1冊であります。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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