あなたがパラダイス (朝日文庫)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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本棚登録 : 128
感想 : 27
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022645678

作品紹介・あらすじ

独身図書館職員・敦子、専業主婦・まどか、バツイチライター・千里。ジュリー・ファンの3人が、老親や口うるさい配偶者、自分勝手な子供、ままならない自身の体と悪戦苦闘しながら、"未来"を見つけていく。女の人生の悲喜交々をユーモアとアイロニーたっぷりに描く、ウイズ・エイジング物語。

感想・レビュー・書評

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  • 21歳の男子学生が読んで「いやー実に面白い!」と感嘆せずにはいられない、なんていう作品ではないです、確実に。

    読む年頃、環境によって随分と感じるところは変わってくるんじゃないかなあ。

    子どもが産めない女を捨て、子どもが産める女の元へいった男が登場しますが、どうしてかすごく気持ちが分かった。
    正直自分も同じ境遇になったら同じ行動を起こすかもしれない。子どもがすべてじゃないということは当然あるけども、やはり人生一度きりということを考えるとどうしても子どもは欲しいなあ・・・と。
    いつの日か来る将来に思いを馳せながら読んでました。

  • 更年期を迎えたヒロインたちと、ジュリーを絡めていて、シリアスだけど明るくて良かった☆

    ジュリーのことなんてほとんど知らない世代だけど、抵抗なく読めたし。特に最初のお話がいいなぁ。

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「更年期を迎えたヒロインたち」
      ジュリーファンの世代(すっごく幅が広そう)と言うコトは、私の知人は「更年期」。。。と言うコトを最近別の本で知...
      「更年期を迎えたヒロインたち」
      ジュリーファンの世代(すっごく幅が広そう)と言うコトは、私の知人は「更年期」。。。と言うコトを最近別の本で知ったのですが、周りのお姉さん方は、そんな気配全然見せないなぁ、、、ヤッパリ私が鈍感なだけかな?
      何気にコノ本渡してみようかな・・・
      2012/07/03
    • hetarebooksさん
      30代にも若年更年期というのがあるらしいのでなんとも言えませんが、、、気にしてらっしゃっても口に出すか出さないかも個人差あるでしょうし、、男...
      30代にも若年更年期というのがあるらしいのでなんとも言えませんが、、、気にしてらっしゃっても口に出すか出さないかも個人差あるでしょうし、、男性にもあるらしいですよ。
      2012/07/03
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      「男性にもあるらしいですよ。」
      そうなんですね、まぁ歳をとってガタはきていますが、、、
      「30代にも若年更年期」
      期間が長くなったら辛さ倍増...
      「男性にもあるらしいですよ。」
      そうなんですね、まぁ歳をとってガタはきていますが、、、
      「30代にも若年更年期」
      期間が長くなったら辛さ倍増だろうなぁ、、、
      変化が顕著に現れる女性を労わってあげるようにします(急に親切になったら気持ち悪がられるだろうけど)。
      2012/07/04
  • 年をとると味のある顔になると言えば聞こえはいいけど、潤いはなくなりしわに白髪、ああやっぱり若さはそれだけですばらしい。
    若い頃は年配の人にしたり顔にお説教されて、年をとれば誰にも何も言われずに好きなことができるんだなんて、なんてものを知らなかったことか。子どもの手は離れてももっと心配が広がるだけ、おまけに今時の子どもはなかなか親離れしない。夫は頑固になり、介護に追われ、その合間になんとか自分の時間を持ちたくても体力がない。
    ひとつひとつ年を重ねるごとに「できない」ことが増えてくる。

    明るい未来なんてもうないのだろうか

    そうい更年期を、絶望的にならずに描いてくれる小説

  • 文庫新刊の棚で見つけました。平さんの作品は久しぶりです。

    タイトルからはわからないけれど、女性では必ず経験する題材の小説、といえるのかも。もう、初手から思いっきり飛ばしますなー(笑)。「身もふたもないじゃないですか、平さん!」と半笑いしながら、読み進んでいきました。

    私には、そうなるにはもう少し時間があるんだろうな…ということはなんとなく思うのですが、こればっかりは、自分の身体の事情だけでなく、家族その他、周りの事情がたくさん絡んでくるので、なんとも言えない。そこらへんの「どうにもならないけど来ちゃうんだ」感を、ときにはどぎつく、ときにはカラリと、鮮やかに描いておられます。重くなくてさらさらと読めますが、ときには自分の生活のなかで覚えのあることがらや感覚が書かれてあったりして、半笑いが苦笑いに変わっていったりもしました。

    個人的には、「おっとどっこい」が好みかな。シチュエーション的にも面白く、身につまされる(苦笑)。全編に広げられた仕掛けのなかでも、一番濃ゆい部分が見える感じだし。平さんはGS時代からのファンでいらっしゃるのかしら?私(ザ・ベストテン世代)の持ってる、シングル・ベスト盤くらいじゃ足りねぇな(笑)。

    中島たい子さんの小説と似てるけど、それよりももっとさばけた「ねーさん」な感じの筆致で、楽しく読めました。それに、「よおっし、何でもこーい!」という元気もわけてもらえる気のする、気持ちいい読後の本でした。ラストのまとめかたは、以前読んだものと似た感じに思ったけど、そこは目をつぶってこの☆で(笑)。

  • 『#あなたがパラダイス』

    ほぼ日書評 Day742

    (評者を含む)往年のジュリーファンなら、あの曲名インスパイアな書名ね!とすぐわかるはず。

    ただ、この本に登場するジュリーは、還暦の声も聞こえてきた、人間の幅も奥行きも(物理的にも)大きくなってきた頃の彼。

    そんなリアルタイムのジュリーを、いわば重心においた短中編集なのだが、各編の主人公達は、ある共通項を持つ女性達。
    中高生の頃にジュリーの"全盛期"を経験した彼女らは、一様にその年代の女性特有の悩みを経験するのだ。

    そんな中、ジュリーの歌声を梃子として、それぞれが、心身の悩みの向こう側の、少なくともその可能性を見出す物語は、ぜひ男性諸氏にも読んでもらいたいと思う。

    ※後書きで触れられる、『夫婦善哉』(藤山直美と一度だけ演じられたお芝居)は、評者自身が久しぶりにジュリーを見た機会として、懐かしかった。

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  • ディテイルの細かさは相変わらずの平安寿子節。

    『親を大事にしたい。十分なことをしてやりたい。だが、こっちだって、もう若くはないのだ。親に尽くして見送った後、自分がボロボロのガタガタになって何もできなくなり、死を待つだけの身になったとき、誰も恨まずにいられるだろうか。育ててくれた親には悪いが、自分の人生もこの一度きりなのだ。』

    『振り返りば、いつもそうだ。将来に対する備えなんて、あった試しがない。行き当りばったり。おかげで、現実のデコボコにけっつまずくたびに、落とし穴にはまったみたいにあわてふためくのだ。』

    『夫婦を結びつけるのは、仲人でも、運命と錯覚させる愛でもない。時間だ。』

    沢田研二に対する思いが三人共通していて、この描写は平安寿子がファンでなくてはできないだろうと思う。最近のアルバムの歌詞まで細かく検証され、生活と重なってとりあげられている。少し聞いてみたくなるほどだ。

  • ジュリーってそんなに魅力的だったのか~

  • 史上初の更年期小説(笑)考えさせられること多々でした。読んでよかった。

  • ジュリ〜‼︎

  • 更年期を迎えた女たちの話しだけれど、実体はジュリー讃歌かなと。彼女たちにとって、いや男女問わず若さから老いへ向かう人たちへの素晴らしきアンセム。

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