世界の紅茶 400年の歴史と未来 (朝日新書)

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022734389

作品紹介・あらすじ

一七世紀に中国で発見され、西洋に伝わった紅茶は現在一二〇カ国以上にもわたり、人々の生活に溶け込んでいる。紅茶で戦争が起こり、植民地が作られた。おいしさの論争も起こった。そして今、時代の流れとともに伝統も変わりつつある。紅茶の歴史と未来、魅力に迫る。

感想・レビュー・書評

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  • ポワロさんのドラマを観ているうちに紅茶に詳しくなりたくなって、ひとまず手に取った一冊。
    私はいつからかコーヒー派なのですが、30代にもなって紅茶を「色のついたお湯」としか認識できないのが恥ずかしく、せめて味わい方を学びたい!と勉強中なのです。
    内容としては、筆者が何度も訪れた中国やスリランカでの貴重な体験談がメインとなっています。さぞ長い歴史があるのだろうと思いこんでいましたが、紅茶が世界史にあらわれたのはせいぜい400年前とのこと。それが文化として世界各地に根付いているのが面白い。

    文中で何度も、紅茶は嗜好品であり、たくさんの可能性を秘めていると述べられているのに勇気づけられました。なんなら、イギリス人ですら90%はティーバッグを使っているとか。繊細な茶器が必要と意気込んでいましたが、「マグカップだとたっぷり飲める」とあるのにもホッとしました。
    図録ではないので、地図や写真があまりないのが残念なところ。コラムとして有名な茶葉の水色や味わいチャートが載っていたので、次に紅茶を飲む機会があれば参考にしたいです。
    ワインに似て、食べ物とのペアリングも無限大。あまり気負いすぎることなく、紅茶の世界も楽しんでいけたらなと思います。

  • 400年の紅茶の歴史を、自分の足で歩いて現場を確認して書かれた書物。ただ興味深いだけでなく、ここまで真実を追求した真摯な姿勢に官服する書物。

    コーヒーに比べるとマイナーになってしまったが、テーポット、ティーカップなどの磁器とともに、立派な文化を形成しているのは現代でも
    変わらない。いい時代に生まれたと感謝。

  • 紅茶の知識について過不足なく教えてくれる本。
    紅茶が茶の歴史の中でも新参者であると書いてあるためか、伝統や作法についてはそこまで強くこだわっていない。その分さまざまな紅茶の楽しみ方、将来の紅茶文化の展望について触れているのが好感。

  • 多分オレンジペコーのことで合ってると思うんだけど、いきなりOPタイプと略されるとわかりづらい。…ってだいぶ後にちゃんと出てきた!遅いよー(^◇^;)

    スリランカとかよく知らない国や世界の今の紅茶事情は知らないことだらけで新鮮。
    アメリカにお茶が来てるとは思わなかった!コーヒーや炭酸のイメージ笑

    日本産の紅茶としてはこれでいいではなく、そのお粗末な部分を指摘して欲しかったのでは?これから進化じゃなくて進化した状態を目指してるんだろうし、消費者側のこちらとしても高いお金を出すなら洗練された物を飲みたい。そこをこの本じゃなくてちゃんと相手側に全部伝えてるのかしら?アドバイスを求めてる人にはきちんと忌憚ない評価を伝えるべきだと思うんだけど…

    私の好みはアッサムやルフナだなと改めて思ったwその傾向で考えると祁門紅茶や正山小種紅茶、ラプサンスーチョンもきっと好きなんだろう。試してみたい。

    中国系は読み仮名を振ってもらえるとありがたかった。読めない…

    歩留まり ぶどまり
    加工においての、使用原料に対する製品の出来高の割合。または、完成品に対する利用可能部分の割合
    CIS諸国
    萎凋 いちょう 衰えしぼむこと
    廈門語 アモイ
    生葉 しょうよう
    草いきれ 夏、強い日光に照らされて、草の茂みから生ずる、むっとした熱気。
    笊 ざる
    濫造 らんぞう 質を考えずにむやみやたらにつくること
    トラディショナル 伝統的、因襲的、旧式
    ボストン茶会事件 1773年、茶法による東インド会社の専売に反発した米植民地の人達が、東インド会社の船に侵入し茶箱を海に投棄した事件。米独立戦争のきっかけとなった。
    バンケット 宴会、晩餐会
    エード 果汁を薄めて甘みを加えた飲料
    サモワール ロシアやその他スラブ諸国、イラン、トルコなどで湯を沸かすために伝統的に使用されてきた金属製の容器。給茶器。
    マトリックス 母体、基盤、数字の行列
    パンジェンシー 適度で心地よくはっきりとした渋み。紅茶用語
    普洱 プーアル
    祁門 キームン
    グリニッシュ 緑がかった

    スリランカ
    7 シンハラ人 仏教
    1 タミール人 ヒンズー教
    イスラム教 キリスト教

  • テーマ史

  • 紅茶の世界観が理解出来る1冊。著者の表現の豊かさは、本から実物が飛び出して見えるような気にさせてくれる。

  • 紅茶は誕生から400年しか経っていないというのが驚き。ダージリンやアッサムなどの種類は知っていたが、インドだということもよく知らなかった。中国はあまり紅茶のイメージがなく、まして日本でも国産紅茶を作っているなんて知らなかった。茶摘みは手作業で、その仕事がずっと残っていくのか疑問だと書いてあった。残していかなければならないと思うし、そのためには賃金を上げるなどやりたい仕事に入るような工夫をしていかねばならないと思った。

  • 紅茶の発祥地から有名な地方まで、著者の旅行記のようなタッチで書かれてて初心者でも読みやすかった。
    イギリスのティーウィズミルクの文化とミルクを入れるタイミングによる味の違い。茶葉の大きさの違いと名前。ティーバッグの歴史などいろいろ茶葉に関する歴史的考察も面白かった。
    ひとつだけ、ディンブラがミドルグロウンと書かれたたことだけが気になったけど、全体的に面白かった。

  • S619.8-アサ-338 300365723

  • 紅茶派……というよりコーヒーよりは紅茶の方が好きと言う人は是非とも読んでみましょう。

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著者プロフィール

1951年愛媛県生まれ。日本の紅茶研究における第一人者。青山学院大学卒業後、大手商社に入社して貿易を覚えるうちに紅茶の魅力に惹かれ退社。28歳で紅茶専門店「ディンブラ」を開業する。スリランカなどの紅茶の輸入販売を手がけ、各地の紅茶の特長を生かした数百種類のオリジナルメニューを開発する。大ヒットした「キリン 午後の紅茶」にはアドバイザーとしてかかわり、30年におよぶロングセラーに導く。また、モスバーガーが運営する「紅茶とワッフルの店・マザーリーフ」のアドバイザーも務める。紅茶にまつわる著書は40冊を超え、講演も大人気で、多くの紅茶ファンを魅了し続けている。

「2017年 『茶楽』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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