絵画の領分 近代日本比較文化史研究

著者 :
  • 朝日新聞出版
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  • Amazon.co.jp ・本 (682ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784022921345

感想・レビュー・書評

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  • 2022/1/26

    小林秀雄は「歴史を上手に思い出すこと」の重要性を説いたが、本書の仕事はまさにそれ。内容とは関係ないが、歴史を考える際のヒントをもらった。


    メモ
    ・徽宗皇帝
    ・自画像の例はほぼない。高橋由一はそれをやった。
    ・新井白石の『折たく柴の記』に始まり福沢諭吉の『福翁自伝』にいたる日本の自伝文学の系譜
    ・由一、正岡子規、鴎外は日本で埋没していた視覚機能をもう一度生に甦らせることによって、その全身の機能を長年の麻痺から回復させようとした
    →ゲーテのイタリア紀行
    ・ゴッホが浮世絵(自然を徹底的に観察する日本人)に感服している頃、日本ではそれを脱却しようとしていた
    ・フェノロサは日本画そのものを認め、日本洋画の成長の妨げとなった(西洋技法などを習得したとて、日本画は武器を手に入れるだけで成り代わるわけではない)

    ・岸田劉生
    写実は物の質感の美を追求するが、さらにその物の上に漂う神秘的な無限感の表現にまで及ぶ(麗子微笑など)
    →レオナルドの聖ヨハネと近しい


    読書会↓
    ・視覚は言語に先行する
    →漫画が絵画が小説よりも時代を先読みする
    ・文学や映画は人間一般を描けない(個人しか描けない)
    →それなら、アメコミやジャンプなどのキャラものでいいじゃん

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著者プロフィール

芳賀 徹(はが・とおる):1931?2020年。東京大学教養学部教養学科卒、同大学大学院人文科学研究科比較文学比較文化専攻博士課程修了。博士(文学)。東京大学名誉教授、国際日本文化研究センター名誉教授、日本藝術院会員。プリンストン大学客員研究員、京都造形芸術大学学長、静岡県立美術館館長などを歴任した。主な著書に『絵画の領分──近代日本比較文化史研究』(大佛次郎賞)、『文明としての徳川日本──一六〇三─一八五三年』(恩賜賞・日本芸術院賞)、『外交官の文章──もう一つの近代日本比較文化史』などがある。

「2023年 『平賀源内』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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