- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022951625
作品紹介・あらすじ
異常な高値圏、タマワン破綻、地政学リスク…
住宅マーケットに地殻変動が起きている。
これまでにない大きな分岐点に立つ、日本の不動産市場をどう捉え、住まいや都市の「価値」をどう見極めればよいのか?
第一人者が放つ、マイホームの「新常識」読本!
感想・レビュー・書評
-
今まで通りのなんとなくで不動産を購入すると痛い目を見る
戸建 やマンション、テナントビルなど今までは買った方が得であると考えられていたものが経済状況 、人口減少、コロナ など生活が変化することによって、今までの常識が通用しなくなってきたことが著者の豊富な切り口で書かれており 大変勉強になりました
特に仕事に関係するところでは相続 節税のための不動産について。
アパートを建てる 節税対策があるが、人口減少も重なり848万戸の空き家のうち賃貸用の空き家は432万と空き家 個数 全体の実に半数を占めるに至っているなど、アパートを建てたがいいが収入が伴わない危険性もあること。
節税の手段としての不動産購入が実態を歪めていることなど、実務中もキモに銘じていきたいと思いました。
勉強になった箇所
・多くの日本人が家の含み損を抱えることになった
・今までみんなが買ってきた当たり前という理屈は、今後は通用しない可能性が高い
・新築ワンルームマンションの供給過多で、出口を失った状態、つまり 売れない事態に陥っている
・多くの戸建住宅で1000万円も出せば まずまずの状態の物件を購入することができるようになる。マンションであれば 数百万円、ちょっと良い車1台ぶんくらいの価格で手に入れることができるようになる。こうした時代はすぐ目の前、早ければ 5年後、遅くとも2030年を迎える頃から顕著になる
・節税のためのアパート建設は、実需 という観点が物の見事に欠落している
・節税 が目的化して、需給バランスに目を向けない貸家建設は、日本の住宅事情を 歪んだ 構造にしているのである。
・テナントを追い出す 費用については融資をしてくれない。
・親の農地を相続して、それを宅地として 維持できるような経済力を持ち合わせていない
・都市農地の相続が発生するたびにポロポロと宅地化された土地がマーケットに供給されることはおそらく 避けられない
・不動産投資を推奨する本は、とにかく PL(損益計算書)のことしか語らないのが特徴だ
・不動産投資も、この重たい子さんを貸借対照表の中でどうやって 養っていく かが、不動産投資の醍醐味でもあり、最も難しいところでもあるのだ。買えば終わりではないのだ。買って育てて売り 抜ける、を行ってこそ不動産投資は完結するのである詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
みんなが買ったんだから自分も家を買うのがあたり前」という昭和平成脳の理屈は今後通用しなくなると警笛を鳴らす本です。
住宅ローンを手持ち資金10%程度(ゼロ%は論外)で目一杯借りるリスクは、資産価値の10%低下で債務超過となるも、借入金(元本)はさほど減らず事実上破綻状態になること。
今は都心のマンションは投資家や富裕層の相続・節税対策のため高値になっている。一般庶民は多額の夫婦ローンを組んで購入してはいけない。今後、相続が進むと中古物件の売却・賃貸が激増する。その他、タワマン節税は破綻する。都心で進むマンション空き住戸問題などなど。 -
本書は不動産市況をネガティブな視点から見ようと思い読みはじめた。
あまり内容には期待していなかったが、本書は今後の労働のあり方やそれに伴う住環境、少子化等の今まさに浮き彫になっている日本の問題の縮図が、不動産市況と密接に関連している状況を俯瞰した内容を主軸として記されていた。
不動産の個々具体的事例のみの記述ではなく、社会全体の問題から不動産市況を俯瞰しており、全ての事象が三位一体で動いているということが改めて理解できた。
具体的な記述として、空き家問題や築フル相続の問題、相続者が登記しないことの問題点など土地についての私権の強さが国家や社会に及ぼす悪影響や富裕層が不動産を所有する理由はキャッシュフローよりも、相続で土地評価が現金に比べて下がことによる相続税の節税が第一であり、富裕層が不動産を好む理由が分かった。
-
不動産に関する現状が分かりやすくまとめてあり読みやすかった。
人口減少に関する空き家問題。高騰化は富裕層の節税対策、外国人マネーの動き、等。
今後の作者の展望も面白かった。コロナ禍から続くリモートの流れでオフィスでは無い所で働く人が増え、街の景色が変わるという。
時代の大まかな流れを把握して住居を考えていかないとハズレくじを引くかもしれないなと思った。
-
軽い気持ちで読みはじめたけれど、他人事でもない事例がいくつも出てきてドヨーン。全てを鵜呑みにはできないが、家について考えるきっかけにはなった。
古い賃貸住まいの我が家にも、新築マンションや不動産投資のチラシが無差別にたくさん届く。この物件投資には出口があるのか、という見かたをおぼえた。 -
マクロの観点から、具体的な話まででており、良書。
一読する価値はある。 -
様々な角度から検討されており、非常に参考になりました。
未来については、10,20年以内に起こり得る予想もあれば、何十年後になるのか、あるいは本当に実現するのか(特にテクノロジー関連)気になるところはありましたが、個人的にはとても興味深かったです。 -
現在の不動産相場や業界がいかに歪んでいるかが理解できた。この不景気な時代に都心のマンションが値上がりしていく意味が腑に落ちた。
未来を悲観していないと著者は言うが、正直お先真っ暗だとも思った。まず現状の強すぎる私権を制限する、という部分でそういう系の改革は今の日本では無理なんだろうなと感じてしまった。(議員の質、議員を選ぶ国民の質、そもそもの民主主義の劣化により)