問題はロシアより、むしろアメリカだ 第三次世界大戦に突入した世界 (朝日新書)
- 朝日新聞出版 (2023年6月13日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
- / ISBN・EAN: 9784022952233
作品紹介・あらすじ
世界の頭脳であるフランス人人口学者のエマニュエル・トッド氏と、ジャーナリストの池上彰氏が、ウクライナ戦争後の世界を読み解く。覇権国家として君臨してきたアメリカの力が弱まり、多極化、多様化する世界が訪れる──。この世界はどうなっていくのか。
感想・レビュー・書評
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一年前の本。
ウクライナ戦争の終結時期については、第一次・第二次世界大戦と同様戦期を4〜5年と予想しているので、2026〜27年。
著者のことは良識ある良質のフランス知識人と思っていたが、フランス国営放送からは出禁を喰らっているそう。
なので、日本の出版会から評価されていることは本人にとってはありがたいそう。
内容に関しては、人口統計学と家族制度を軸にした客観的な分析、という本人のオハコ。
ロシアへの経済制裁がいまいち効かない理由として、グローバル・サウス諸国が殆ど制裁に参加しておらず、西洋的価値観よりも、ロシア的・伝統的価値観の方が実は共感されやすい、という点をあげている。
この点は、第二次世界大戦敗戦国として、完全に価値観を上書きされてしまった日本人には意外なような、分かるような、という微妙なところか。
タイトルのインパクトが抜群。違うタイトルだったら、たぶん手に取っていないと思う。
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家族や共同体としてのあり方、文化的背景から分析するウクライナ戦争の各国の考え方の違いや、アメリカの“これから”がとても興味深かったです。
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ベース情報が既に1年前ではあるが、書かれている内容は古くなっておらず、新鮮な状態で拝読(つまりウクライナ戦争が膠着状態であるということだが)。タイトルの通り、ウクライナ戦争に至る過程は、まさにアメリカ中心世界の終わりの始まりで、アメリカの生産力低下・エリート層の劣化・民度の劣化等、総合的劣化が根本にある。分断が進む世界=不安定化ではない、という言説を信じたくはなるが、これは誰にもわからない。プーチン独裁のロシアが世界の覇権を握る未来像は想像もしたくないが、世界が行き過ぎたグローバリズムから緩やかな分断に移行していくことは間違いないように感じる。本書は池上氏の質問にエマニュエル・トッド氏が回答する形式での対談本になっているが、池上氏の質問力の高さにも目を見張るものがあり、奥深さを改めて感じた。
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ロシアと西側の代理戦争としてのウクライナ戦争に関する報道は、その量と内容についてジャーナリストが持つ信仰のようなものが影響しているという指摘は報道内容に対して自分の軸をちゃんと持たなければいけない、という気持ちを強くさせる。単なる戦争、軍事的な分析だけでこの争いを語るのではなく、多面的側面から読み解くからこそエマニュエル・トッドは先を見通すことができるのだろう。ジャーナリストとして中立的立場である池上彰も自身の軸を持って語っているので大変参考になる。
いずれにしても問題だらけだな、世界は。その問題を上手く利用してやろう、という国々の利己的な思惑は恐らくなくならないけど、勝ち負けだけじゃなく、もう少し穏やかになって欲しいと思う。 -
フランスの知識人、エマニュエルトッド氏の世界の見方を学べる。
問題はロシアよりむしろアメリカだ。
という衝撃的なタイトルに引けを取らない内容でした!
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アメリカが他の国の戦争に口と金を出しすぎる、と。というか、アメリカが他国をキレさせて戦争を始めさせている、という見方、なるほどと思った。
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アメリカ追随日和見主義を、ウクライナ戦争を機にして、再び考えることができる。
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世界が平和になりますように
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対談形式で読みやすい
自分達がいる、アメリカに追従する日本が世界でマイノリティになっていることがよくわかる -
トッドさん、なんかAIみたいな回答だな。
訳した方のせいかな、
池上せんせの質問に対する答えがアバウトすぎて
難しすぎて意味がよくわからへんかった。
けども、違う視点から考えると
アメリカも策士なのかも?と少し考えるきっかけにはなった。
給料があがり、生活水準アップしたかったら
世界情勢も知らなあかんな