アギーの祈り

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (286ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036430703

作品紹介・あらすじ

大きな戦争のあと、難民が集められた島。学堂の教師アギーは、ある少女の、特別な舞いの才能に気づく。おりしも各国は、大戦中に兵士たちのために舞い、やがて姿を消した舞姫を追いはじめていた。坪田譲治文学賞受賞作家が書きあげた祈りと再生の物語。小学校高学年から。

感想・レビュー・書評

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  • ハルーン国と自治国テルンとマケラ国の戦争によって難民を受け入れるスサ島。
    そこで教師として働くアギー先生と孤児の子供たちとの交流。

    何人だからとか、そういった国に囚われた結果起きた争いが、子供たちにも影響を見せるなか、
    アギー先生や他の先生たちの教育で彼らが力を合わせてお祭りに向けて頑張っていること。

    語り継がれる消息不明のテル・ナキという踊り子のこと。

    ハルーンにマケラの軍人たちが、アギーとテル・ナキが何らかの関係があるとアギー先生の周りをうろつくようになる。

    アギー先生の過去。踊り子として全てを捧げ、踊ることで軍人を鼓舞し、自分も間接的に戦争に加担していたこと。

    孤児で踊りの才能があるラキに、自分とは同じ道を歩んで欲しくないという思い。
    軍人たちから逃れるために命がけで決行した祭りの夜。

    小学生が読んで理解できるかな?
    ちょっと難しいかも。

    祈りが平和につながるまで、希望を捨てない人々たちの願い。

  • 戦争は嫌だ。
    と思った。
    ハルーンもテルンもマケラも架空の国のお話で
    スサ島というものももちろん実在しないけど
    戦争というものを身近に感じた。

  • 大国の戦争にまきこまれた個人の一生というものをかなりべたに描いている。
    物語としてはストレートでわかりやすく、(大人でも)楽しく読めるが、たとえばルグインの作品のような深みがあるわけではない。設定としては似たような雰囲気のあるルグインのヴォイス、また読み直したくなった。

  • きのう読み始めて、きのう読了。三冊目の濱野京子さん。
    はじめのうちちょっと目がすべっていたのだけど、後半になるにしたがって、ぐいぐい読んでしまった。アギー視点とラキ視点が交互に語ってゆく、けれど全体としては題名の通り、アギーの物語なのだろうなと思う。教師で大人なアギーは、子どもと接するときには「大人」にならざるを得ないけれど、同時に大人にむかってゆくときには「子ども」の側に立つ。舌戦で相手をやりこめる姿に胸がすく。「大人」と「子ども」の間をわたり歩くアギーの姿は、もう子どもとはいえない年齢になったわたしにはおもしろかった、けれど、いま子どもであるひとたちにとってはどうなのだろう、とも思ったり。でもともかくおもしろかった!
    踊りの描写に、身体がうずく。

  • 全編とおして踊りがキーポイントになっていて、踊ると何かが起こる…というのがワクワクしました。

  •  大きな戦争のあと、3つの国のそれぞれから難民が集められた島・スサ。スサの学堂の教師アギーは、孤児ラキの特別な舞の才能に気付く。姿を消した舞姫テル・ナキの行方を探す者が現れ…。

  • 異国の不思議なお話でした。
    挿絵も良かった!

  • ハルーン、マケラ、テルン三国で争った大きな戦争。その終結後、難民が集められた島・スサ。
    学堂の女教師アギーは、そこに連れられてきたある少女の舞の才能に気付く。
    無邪気に舞に憧れる少女。
    その存在に悩むアギー。
    その頃各国では、大戦中に兵士を鼓舞した伝説の舞姫テル・ナキの存在を探していて・・・。

    伝説の舞姫については早々にわかっちゃうんですが、結構意外なストーリー展開。
    ラストもあぁなるとは読めませんでしたよ。
    ただキャラクターが多かった割に、魅力的な人物が少なかったことが残念。
    学堂の子だと、セリンくらいかなぁ。
    小さなヒロイン・ラキも、あれじゃあただ何も知らない無邪気な少女ってだけだしなぁ。(あ、ジジコンしゅなんさんはラ・トーグ将軍はお気に入りでした。渋いよな、マケラの鷹)
    今回はちょっと期待しすぎてしまったかも。
    次回は現代ものが読みたいなー。

  • アギーはスサ島の教師。ここには、長い戦争のあと各国の難民が集められていた。アギーの働く学童に連れてこられた孤児ラキは、思いがけず踊りの才能を開花させる。同じ頃、伝説の舞姫テル・ナキを探して各国の兵士たちがスサ島に集まり始める。アギーはテル・ナキの行方を知っているのか? アギーとラキに危険が迫る。

  • 丑三つ時に読了しました。途中でやめられず。
    ページを繰るごとに、風を感じる本でした。
    ざわざわ、ドキドキするけど、なぜか根底に安心感のようなものがあって。
    絶対買い!で正解だったなー。
    平澤朋子さんの挿絵も、すごく、すごくイイです。

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著者プロフィール

熊本県に生まれ、東京に育つ。『フュージョン』でJBBY賞、『トーキョー・クロスロード』で坪田譲治文学賞を受賞。主な作品に『トーキョー・クロスロード』(第25回坪田穣治文学賞受賞)、『この川のむこうに君がいる』『with you』(ともに青少年読書感想文全国コンクール課題図書選出)、『石を抱くエイリアン』『南河国物語』『Mガールズ』ほか、「レガッタ! 」シリーズ、「ことづて屋」シリーズなどがある。

「2023年 『金曜日のあたしたち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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