ムンジャクンジュは毛虫じゃない (偕成社文庫 3193)

著者 :
  • 偕成社
3.97
  • (19)
  • (22)
  • (15)
  • (3)
  • (0)
本棚登録 : 228
感想 : 16
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (229ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036519309

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 小さい頃に父親に勧められてこの本を読んだが、とても興味深く、いい本だった。私は「ムンジャクンジュ」はクラスの友情を深める役割があると思う。この本を通して小学生の頃のようなワクワクした感情が少し戻ったような気がした。

  • 岡田淳さんの「こそあどの森」シリーズや「二分間の冒険」、「選ばなかった冒険」が好きだったので、初めて書かれた作品はどんな物語なのか気になって読んだ。

    日に日に大きくなる毛虫のような生き物(ムンジャクンジュ)を小学生三人で知恵をだしながら育てていく姿がなんとも頼もしい。このままでは三人では育てきれない!と思った時にクラスのみんなに共有する決断をし、体育倉庫の中にムンジャクンジュを隠しみんなで秘密を守ろうとするのだけど、担任の先生はクラス内で突然うまれた団結力や本人たちはいたって平静を装って暮らしているつもりでもウキウキしていることが漏れ出てしまっていることから(この描写がなんともかわいらしくて笑える)何か隠していることを気付く。その秘密の核心にクラスの先生まで加わって街中を巻き込んでいく様子は読み進みながらわくわくした!

  • タイトルは知っていた。小5の息子の読書感想文用にどうかなって思って借りて来たけど読んでくれず、母が楽しむ。あとがきが一番面白かった。図工は苦手だけど岡田先生は大好き。

  • ムンジャクンジュがかわいい。
    どんどん続きが気になった
    自然との共存。
    人間にとっては必要のないものでもそれを必要としている生き物たちがいて、この地球の均等が保たれているんだなぁと感じた。

  • 岡田淳さんの作品の中では長いお話。
    それでもあっという間というか
    なんだか私もクラスの一員になったみたいに
    ワクワクドキドキするんです
    岡田淳さんの本は
    みんながおかしなものをきっかけに一つになるんです。その流れがすごく好き。

  • 小学校で、人形劇だか演劇だかで見た記憶があって、タイトルもはっきり記憶しているのに内容はさっぱり覚えていない。図書館に所蔵されていることを知って読んでみました。面白かった。

    絶対に悲しいお話にはならないという確信はあったけど、ちょっとはらはらする展開。大人の目から見ると、つい、この後先生が大変だったろうなと思ってしまう。
    自分たちで考えて実行する子供たちの逞しさに、暖かい気持ちになりました。

    ムンジャクンジュ、是非とももふもふしてみたい。

  • ムンジャクンジュは毛虫じゃない 岡田淳 偕成社

    この文庫本は岡田さんの初めて出版されたハードカバーの本を
    書き直したものらしいから
最初の本と読み比べてみるのも面白いかもしれない


    小学校の図工の先生をしながら家で描いた物語が
    クチコミで広がって編集者の耳に入り
    出版されることになったのだという
つまり作家としてのプロで食べているわけでないところが
    媚のない素直は表現をいよいよ可能にしているのだろう


    図工の先生だから挿絵も自作だ
    もっとも後々の描き込まれた個性的な絵とはだいぶ違うけれどね
    物語の方は何度も何度も時間を掛けて描き直されて
    すこぶる練り上げられたストーリーの展開で
    読み手の心をはなさない


    岡田さんの物語は奇想天外でありながら
    違和感を与えずに納得させ
それとなく生き方へのメッセージを忍び込ませてある

  • 小学生の時に何度も読んだ本で、とくに印象深いこの本を、小学2年生の娘のために別のもう一冊とともに購入しました。
    どんなお話やったかなぁ〜と読み始めて、あぁやっぱり子ども向けやな..と読み進めていくうちに、どんどん話に引き込まれ、胸がぐっと熱くなりました。
    これは私の中では永久保存版。
    いつまでも大好きなお話です。
    超絶オススメ!!!

  • 童心とはこういうことか。
    懐かしいなぁ。
    読むに連れて行く自分も小学校時代へタイムスリップする。
    読みながら自分もクラスメイトの1人になって楽しんでた。
    岡田さんの話凄く好きです。

  • クロヤマのオレンジの花が見つかって山のてっぺんがはげ山に。
    出だしから異様な展開。

    花をたくさん食べるのに重くならないし、糞も出さない、一見毛虫のように見える生物?ムンジャクンジュ。
    花を倍々で食べていって、体もどんどん大きくなるムンジャクンジュがどうなっていくのか先が気になってどんどん読み進めてしまう。

    クロヤマソウは誰のもの?
    確かに自然に生えている植物は誰のものでもない。
    持って行かれたからと言って盗まれたとは言えない。

    クロヤマに住むムンジャクンジュにクロヤマソウを返そうと考える子供たち。
    結局最後は本当にムンジャクンジュがクロヤマソウを回収した形になる。
    糞も出さないし、クロヤマソウの匂いがするムンジャクンジュ。
    条件は提示されていたのに気付かなかったなんて。
    そうきたか、と思わず唸るラスト。
    きっと数本持って帰っただけでもムンジャクンジュが回収に来たのだろうなあ。
    もとのところから動かせないものというのはホラーや怪奇に多いものだけれど、それを自然の所有権と絡めているところが素晴らしい。

    ふわふわのムンジャクンジュを触ってみたい。

    岡田淳のデビュー作。
    投稿作品じゃないというのがすごい。

    読み終えたのは23日だけれど、書き込むのが間に合わずレビュー投稿は次の日に…。

全16件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。神戸大学教育学部美術科在学中の1966年に「星泥棒」を自費出版。西宮市内で小学校教師をつとめながら1979年に『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)を発表。1981年『放課後の時間割』で「日本児童文学者協会新人賞」を受賞。教壇に立ちながら1年に約1タイトルのペースで作品を発表。数々の賞を受賞する。「こそあどの森」シリーズ(理論社)は国際アンデルセン賞オナーリストとなる。アジア各国では翻訳本も出版されている。岡田淳作品で読書嫌いが治った、本好きになったという人は多い。

「2008年 『人類やりなおし装置』 で使われていた紹介文から引用しています。」

岡田淳の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×