選ばなかった冒険——光の石の伝説 (偕成社文庫)

著者 :
  • 偕成社
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  • Amazon.co.jp ・本 (353ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784036526703

感想・レビュー・書評

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  • 戦うことの意味について考えさせられた。
    それと、時々妙にリアルな夢を見る事があるけど、その時は違う世界に行ってる?と思いそう。

  • 学校の保健室へ向かう途中、青木学は安田あかりに、寝不足になりながら遊んだテレビゲーム「光の石の伝説」のことを話していた。その途中、学たちはふと階段がいつまでも続いていることに気づく。そして、話していたゲームの世界に入り込んでしまったこと、眠ると互いの世界に行ってしまうこと、光の石を手に入れなければ冒険が終わらないことを知る──。いつも通りの学校生活と生死を賭けた戦いの日々その両方を送ることになった少年少女の物語。
    岡田淳さんの数ある名作のひとつ。読み終えた後の余韻が凄まじい、心を鷲掴みとはこのこと。RPGの世界なのに無闇に殺生するのは良くないと考えるところ、PSソフト「moon」を彷彿させる、調べたら同年発売でした。「moon」と同様にゲームの主人公は学たちではなく別であるのも良い。ゲームの世界にのみ存在するバトルやメル、モグラ男たちは、もし学たちがゲームの主人公だったら話が進まなかったと思うし。あかりがその彼らに願ってほしいことを話す場面、思わず泣きそうになるぐらい好き。結末までの数ページに思わず目を見開く。これは読了した人同士で語り合いたくなる。子どもだけでなく大人にも読んでもらいたい。

    • awjnaeさん
      本日読み終わり、今余韻の中にいます・・。ゲームの「moon」が大好きで何度もプレイしたので、aoiさんのレビューを読んでおぉぉ!!っとなりま...
      本日読み終わり、今余韻の中にいます・・。ゲームの「moon」が大好きで何度もプレイしたので、aoiさんのレビューを読んでおぉぉ!!っとなりました。moonもこの岡田淳さんの作品も、いろいろ考えさせられますね。読んでよかったです。突然のコメント失礼しました。
      2019/05/06
    • aoiさん
      awjnaeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。moon好きなんですね、嬉しいです!まさかの同年発売だったので調べて驚きました。...
      awjnaeさん、こんにちは。コメントありがとうございます。moon好きなんですね、嬉しいです!まさかの同年発売だったので調べて驚きました。両者ともに考えさせられる名作ですよね。岡田さんの作品は未読作品たくさんあるので、これから読むの楽しみです。
      2019/05/11
  • 「二分間の冒険」と並び立つ、児童書の名作で、読み終えた子供と一緒に、あそこの展開は凄かったね~!と語り合えたのが良かった。

  • 小学生の時に読んだファンタジーを大人になってから再読。

    非常に面白かった。ゲームの世界に急に紛れ込んだ学とあかり。そこで出会うフクロハリネズミのハリー。この世界で眠ると元の世界の自分に戻り…。

    不思議な冒険に引き込まれて一気に読めたが、結末が微妙だったかな。モグラ男達はなんだったのか、この世界はどうしてこうなったのか、バトルやメル、モグラ男達はどうゆう立場だったのか…
    続編やもっと結末を詳しく書いて欲しかった。
    でも物語としては十分楽しめました。

  • 内容に引き込まれました。ゲームの世界での殺し合い、それが現実のことだったら...と、いろいろ考えさせられましたし、子ども達にも何か感じてほしいなと思いました。

  • とても面白いファンタジー&バトル小説なので利根も面白い上に、物語上での設定もとても良いものなので感動しました。
    こうゆう系の小説をたくさん描いて欲しいと思っています。話に引き込まれてしまうので何回も何回も(実際もう10回以上読んでいます)読んでしまう物語です。
    何回読んでも、話に引き込ませる素晴らしい作品です!

    • 麦の海さん
      面白そうな小説ですね!私も読んでみようと思います。
      面白そうな小説ですね!私も読んでみようと思います。
      2019/10/21
  • 長男の読み聞かせに用いた本。

    久しぶりの岡田淳。

    たぶん作者の発想の原点になったのは、当時のRPGにおける、敵を殺して経験値を稼いでいくという
    「作業」化したルーチーンへの違和感だったのではないか。
    そこから、岡本自身の創造してきたファンタジー世界と、日常との関係に関するメタフィクション的な考察が行われている。

    表題の「選ばなかった冒険」は、「光の石の伝説」というコンピューターゲームの開始場面で、「冒険におもむく」ことを選択しなかった物語の主人公、学が、夢の中において、リアルとしか思えないようなかたちで、ゲームの世界に入り込んでいく、という過程を意味しているのだろう。

    また同時に、このゲーム世界にまきこまれていく、もう一人の主人公あかりが、このゲームの目的も手段も拒否して、非暴力をつらぬこうとする過程としての「冒険」を意味しているのかもしれない。

    物語の中の生を、ゲームとしての「決まり事」にせず、より重い、真実味のある第二の世界として体験できてこそ、それが私たちにとってより「深い」体験になるのだ、というのが岡田の信念なのだろう。そのために、まずは現実の世界とのつながりを確保するのだが、ここではゲームの世界の登場人物たちが、そのもっとも弱い「スライム」的な存在にいたるまで、現実に知っているクラスメイトの分身である、という設定がおかれる。
    そして、一部の登場人物は「ゲームらしく」、同じ状況では決まったセリフしか述べないが、残りの登場人物とは、きちんと対話ができるという対比を通じて、その物語の脇役一人一人までが、それ自身の生を生きていることを実感させることの重要さ、逆に、ゲームの基本構造が要請する「目的」にあえて乗らないことで得られる自由の意味が語られる。

    その一方で、リアルな第二世界は、最終的に消滅することによって、現実世界にその世界を引き継ぎ、現実世界そのものをより豊かにしていくんだという岡田のファンタジー観が強調されているように感じた。

  • イガーの正体にびっくりした‼️
    最後の方はハラハラした。

  • 冒険物語のなかでもゲーム要素が強くて好きです!
    痛々しい描写もしっかり伝わって、手汗握りながら読みました。

  • もう20年くらい前の創作なのに古臭くない
    テレビゲームの世界のパラレルワールドかな
    冒険なんだけどなんだか切ない
    ゲームの世界がどんどん緻密になっているようだけど
    いいのかなあ
    選ばないでほしい
    ≪ 送られて 人格なくし 記憶まで ≫

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著者プロフィール

1947年兵庫県生まれ。神戸大学教育学部美術科在学中の1966年に「星泥棒」を自費出版。西宮市内で小学校教師をつとめながら1979年に『ムンジャクンジュは毛虫じゃない』(偕成社)を発表。1981年『放課後の時間割』で「日本児童文学者協会新人賞」を受賞。教壇に立ちながら1年に約1タイトルのペースで作品を発表。数々の賞を受賞する。「こそあどの森」シリーズ(理論社)は国際アンデルセン賞オナーリストとなる。アジア各国では翻訳本も出版されている。岡田淳作品で読書嫌いが治った、本好きになったという人は多い。

「2008年 『人類やりなおし装置』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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