- Amazon.co.jp ・本 (186ページ)
- / ISBN・EAN: 9784037272906
作品紹介・あらすじ
陽菜子は、中学受験をひかえた小学6年生。勉強も家の手伝いもするよういわれているが、いそがしい兄は家事をしなくていいらしい。
もやもやした気持ちをかかえてすごすある日、ふしぎな女の子と出会って……!?
あたらしいガール・ミーツ・ガール!
親は、自分が絶対に正しいと思いこんでいる。
自分の子どもだから、絶対にわかりあえると信じている。
でも、正しさはひとつじゃない。
わかりあえるのも、相手の気持ちを大事にしたときだけだ。それは他人同士のときと同じだ。
わたしは、親に支配されたくない。わたしは、わたしの道を行きたい。
(本文より)
感想・レビュー・書評
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良著だった〜泣いちゃった。過酷な環境から生まれた才能を賞賛はしても、過酷な環境を意図的に作っちゃなんねえよな。
これをそっと渡してあげたい目下母親と格闘中の女子はいるけどその子の親にバレたら喧嘩売ってるみたいになるから渡せねえぜ!下手したら首が飛ぶからな!だから自分で見つけてくれェ…!!頼む…ッ!!目につくところには置いておくから…!!見つけてくれェ…!!詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
小6との息子とのぶつかり合いを重ねながら読んだ。親の期待を押しつけていないか、子どもの気持ちを理解しているか、自問自答することも多かったけれど、この本は母が子どもの時に感じた思いを思い出してはっとしたのかもしれない。とても気持ちがわかるし、子ども目線の視点に気づきを感じた。
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タイトルが気になって読んでみた。小学4年生陽菜子ちゃんのお話。子どもの時の記憶や気持ちはどんどん忘れてしまうからこういう本を読んでちゃんと思い出さなきゃなと思った。おもしろかった。
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母親と娘、歯に絹着せぬ物言いは信頼があってこそ…というのは言いたいこと言う大人の言い訳。配慮のない言葉は肉親であっても、いやだからこそズバズバ子供を切り裂くのだ、というのは全編を通して感じました。
立場が違えば見え方がぐんと変わる互いの主張。男、女、親、子供…この本のタイトルに、歩み寄りの大切さを考えさせられました -
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お父さん、しっかりして!もっといいトコ見せて〜。
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良かった。魚住さんの作品は、どれも小学校高学年くらいから読めそうなやさしい文体。でもこの本の内容は、大人の女性になってこそ分かるのではないかと思った。
特に、主人公の母親の気持ち。
主人公は中学受験のための塾が嫌になってきている。理由は友だちと遊べないから。また、女である自分だけ家事の手伝いがあるのに、中学生の兄はほとんど何も言われないこと。
それについてを母親に文句を言うと、きまって
「お母さんの子供のときはもっとたくさんの家事をやって、勉強もやってた。」と言われてしまう。
でもこのお母さんも、成績がよく一流の会社に入ったのに、夫の転勤についていくために泣く泣く退職した過去があった。
子供といる時間を優先するのか、仕事なのか、私も悩んだことがあるから分かる。
また、主人公の理不尽な気持ちも分かる。家事に関しては、最後母親が理解してくれて、兄にもやらせることになったけど。
手帳を開くと出てくるスージーという女の子。彼女に話を聞いてもらううちに、主人公は変わっていく。
塾をさぼったりもしたけど、最終的には自分がどうしたいか考えられるようになった。
よい読後感だった。 -
5.6年向け。ジェンダーバイアスの中でも女性に向けられた不公平感、理不尽感がテーマ。とはいえ男より女向けな読み物。
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主人公は中学受験を控えた六年生の陽菜子。
お父さんが単身赴任中で家の事も色々手伝っている。
でも兄は忙しいを理由に家事はしなくて良い。
陽菜子の悶々とする気持ちがストレートで解りやすい。
そしてある手帳がきっかけで現れた謎の女の子スージー。
ファンタジー要素を醸し出しながらも家族間の中で生まれる仕事や家事に対して問題提議している。
子供の頃、大人になったら人は一人前だと思っていた。
いざ自分が大人になると不完全な事に気付く。
手帳の中に書かれていた言葉が深い。
小学校高学年向けの児童書だけど子育てに悩むお母さんにもオススメ。