落窪物語:かわいそうな姫君と勇敢な侍女の友情と冒険

著者 :
  • 偕成社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (246ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784037449902

作品紹介・あらすじ

「あたしが、ひめさまを幸せにしてみせます!」
むかしむかし、継母にいじめられ、
床が落ち窪んだ部屋で、こきつかわれるお姫さまがいました。
しかし、その姫には、とっても心強い味方がいたのです。

姫とすてきな貴公子の恋、
そして、その恋を応援する侍女の活躍をえがく
1000年前のシンデレラ・ストーリー。

平安時代に成立したとされる「落窪物語」。
薄幸の姫君と貴公子の物語とされる本作を、児童文学作家・花形みつるが姫君の幼なじみで侍女のあこぎを語り手に、現代によみがえらせました。
あの手この手で、姫を今の境遇から救おうとするあこぎの奮闘を、ポップに描きだします。果たして姫君の運命やいかに!

感想・レビュー・書評

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  • 「あたしが、ひめさまを幸せにしてみせます!」
    スーパー女房あこぎはお仕えしているひめさまが大好き
    母君を亡くし父方に引き取られたものの、意地悪な継母にいじめ抜かれているひめさまがおいたわしくて仕方が無い
    あの意地悪おばさん、私のひめさまを使いつぶす気だわ!
    なんとかしなくちゃ!

    〇落窪物語の女房あこぎを主人公にした編訳
    寄る辺なくおっとりと儚いひめさまのために、八面六臂の大活躍。
    現代ッ子に親しみのある言葉での翻訳とテンポでおもしろい
    高貴な人ほど自分のために動く事が出来なかった当時の時代背景もわかる。
    〇ひめさまとあこぎに降りかかる災難が、現代物と同じようにバラエティに富んでいる
    〇道頼どのの復讐がえげつなかった。ウェブ小説の“ざまあ”系小説のよう。ただ、復讐し尽くすと、きちんと面倒を見てあげるところは優しい
    〇継母もえげつなかった。反省するとよいのだけど。“母”の闇なのか?
    父はちゃっかりしてた気がする

  • 10世紀末に書かれたとされ作者不詳の「落窪物語」を花形みつるが編訳した。絵も花形みつる。絵を描くの知らなかったので、びっくりした。

    高貴な生まれなのに継母にいじめられて働かされている姫君が、左大将の息子で相当イケてる少将道頼と結婚して幸せになる物語。平安時代のシンデレラストーリー。
    副題の「かわいそうな姫君と勇敢な侍女の友情と冒険者」でわかるように、侍女あこぎの活躍物語でもある。姫君の清楚で教養溢れるしかし従順なキャラクターは、姫を取り巻く人々が善人ならば最高なのだろう。しかし、継母は意地悪で実父は頼りないので、良い人過ぎる姫君の行動に読み手は歯がゆい思い。だから、姫君のブレーンであるあこぎの活躍に拍手を送り、溜飲が下がる。語り手もあこぎなので、読み手はあこぎと一緒に怒ったり喜んだりできるのも面白く読めた要因だと思う。

    ページ下に書かれている「あこぎのワンポイントレッスン」も、物語の時代や社会背景を知るのにとても役立つ。訳された古典文学や外国文学を読むには背景の知識がある事でより味わえる。

  • 原作は10世紀末頃に成立した『落窪物語』

    いじわるな継母のために落ち窪んだ部屋に住まわされ“落窪の君”と呼ばれた姫君が、右近の少将に救われて幸せになる平安時代の物語

    姫君に忠実な侍女あこぎ(阿漕)を語り手に据え、ポップな現代語に“超訳”
    挿絵、欄外解説「あこぎのワンポイントレッスン」とも花形による

    副題は「かわいそうな姫君と勇敢な侍女の友情と冒険」

    《1000年前のシンデレラ・ストーリー
     ポップな現代語訳で新登場!》──帯の紹介文

    偕成社「もっとちょっと教養」の一冊として、2022年1月刊
    子どもたちが古典に触れるきっかけに、平安文化、貴族社会の理解の一助に

  • 読みやすかった~、そして面白かった。平安生活の小ネタも程良い。

  • ルビがふってあり、誰でも楽しめる1冊に仕上がってます。

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著者プロフィール

花形みつる 編訳・絵
神奈川県生まれ。『ドラゴンといっしょ』で野間児童文芸新人賞、『サイテーなあいつ』で新美南吉児童文学賞、『ぎりぎりトライアングル』で日本児童文学者協会賞、野間児童文芸賞、『徳治郎とボク』で産経児童出版文化賞大賞を受賞。作品に「荒野のマーくん」シリーズ、『アート少女』『Go Forward!: 櫻木学院高校ラグビー部の熱闘』など多数。

「2021年 『落窪物語』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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