流浪地球

  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040659930

作品紹介・あらすじ

●僕が生まれた時、地球の自転はストップしていた。人類は太陽系で生き続けることはできない。唯一の道は、別の星系に移住すること。連合政府は地球エンジンを構築し、地球を太陽系から脱出させる計画を立案、実行に移す。こうして、悠久の旅が始まった。それがどんな結末を迎えるのか、僕には知る由もなかった。「流浪地球」
●惑星探査に旅立った宇宙飛行士は先駆者と呼ばれた。帰還した先駆者が目にしたのは、死に絶えた地球と文明の消滅だった。「ミクロ紀元」
●世代宇宙船「呑食者」が、太陽系に迫っている。国連に現れた宇宙船の使者は、人類にこう告げた。「偉大なる?食帝国は、地球を捕食する。この未来は不可避だ」。「呑食者」
●歴史上もっとも成功したAIコンピュータウイルス「呪い」はバージョンを変え、進化を遂げた。酔っぱらった作家がパラメータを書き換えた「呪い」は、またたく間に市民の運命を変えてしまう――。「呪い5・0」
●高層ビルの窓ガラス清掃員と、固体物理学の博士号を持ち、ナノミラーフィルムを独自開発した男。二人はともに「中国太陽プロジェクト」に従事するが。「中国の太陽」
●異星船の接近で突如隆起した海面、その高さ9千メートル。かつての登山家は、単身水の山に挑むことを決意。頂上で、異星船とコミュニケーションを始めるが。「山」

感想・レビュー・書評

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  • 『三体』のSF作家、劉慈欣の短編集。

    どの話も壮大で斬新。

    ナノサイズから無限まで、劉慈欣ワールドに脳みそ刺激されます!‎߹ㅁ‎߹)♡


    『流浪地球』『老神介護』昨年翻訳版が2冊同時に発売されたようです。

    両方共短編集。


    ーーーーーーーーーーーーーーー


    【流浪地球】

    400年後に太陽が爆発する。
    人類が取った対策とは……。

    いや、すごいよ…(-∀-`; )
    考えつくかね、地球の自転止めるとか…。
    自然の摂理を技術力でどうにかするにも、規模が違う!さすがだわ〜。


    【ミクロ紀元】

    先駆者が宇宙船「方舟」で太陽系を離れてから25000年。
    地球へと帰還した先駆者が見たものは、過ぎ去った文明と、ミクロサイズの人類だった…。

    この話、すごい⁝(ᵒ̴̶̷᷄⌑ ᵒ̴̶̷᷅   )⁝
    人類がミクロサイズになれば、必要な物資がほんの少しですむ。
    インナースペース思い出した(^▽^;)


    【呑食者】

    地球防衛軍が宇宙パトロール中、イプシロン星から来た少女に、警告される。
    「呑食者がくる!」
    やがて接触した呑食人達は、これから地球へ向かい、地球を食うと言う。

    この話が1番印象深い。
    呑食者は身長およそ10メートル。
    トカゲのような身体に石板のような甲殻。
    デカいだけで脅威…(´ºωº`)
    しかもこの呑食人達、すこぶる頭がいい…。
    異星人との駆け引きが見どころ!


    【呪い5.0】

    2009年12月8日に誕生した、コンピュータウイルス『呪い1.0』
    人知れず探し当てられ、地味にアップデートされているらしい…。

    面白いꉂꉂ(ᵔᗜᵔ*)
    劉慈欣が登場します。
    かつて恨んでいた元カレに対する嫌がらせのために作られたプログラム。
    それが時を経て改変され、様々な影響を及ぼす最恐のウイルスに変化していく。
    面白いです!これ、好き♡


    【中国太陽】

    ナノ素材でソーラーヒーターを開発した陸海は、天にもうひとつ太陽を作り「中国太陽プロジェクト」に従事する。

    主人公は学歴のない清掃員。
    この清掃員が技術と経験から、中国太陽の清掃を請け負う。
    学歴がなくても適性をクリアすれば宇宙へ行ける時代がやってくる。
    私たちが生きてる間は無理だろうけど、夢が広がります(〃´-`〃)


    【山】

    元登山家の海洋地質調査員、馮帆が調査中、宇宙船が海の上に現れる。
    引力で海水を引き上げ、周囲の海が一変、巨大な山ができる。

    んなバカな(*´艸`)と笑いましたが、後半の宇宙人達の話にのめり込みました。
    なんでこんな面白い話書けるのっ!?
    登山方法も面白かったですが、宇宙人の宇宙説はもっと面白かったです。


    ーーーーーーーーーーーーーーー

    どの短編も非常に面白い!!
    SF好きな方、おすすめです⸜(*ˊᗜˋ*)⸝

    『老神介護』も、読むぞ〜♡

    ーーーーー


    『流浪地球』のNetflix映画版『流転の地球』も観ました。

    こちら、とにかく映像がすごい!!
    中国で高評価だったのも頷けます。
    たまにあるコミカルな描写も程よく、面白かったです。
    脳裏にアルマゲドンがチラつきましたし、多少オーバーな感じもしましたが、映画となると盛り上がりと映像は欠かせませんし、よくできた作品だなぁと思いました。
    原作の設定を基本にしていますが、内容は別モノと思って観た方がいいです。

    私は原作派です( *´艸`)




  • 中国SFブーム、日本にも到来 『三体』が10万部突破|NIKKEI STYLE(2019/10/16)
    https://style.nikkei.com/article/DGXMZO50842640Q9A011C1000000/

    「流浪地球」 劉 慈欣[文芸書(海外)] - KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322007000572/

  • 中国のSF作家である劉慈欣による短編集です。
    収録作品は『流浪地球』『ミクロ紀元』『呑食者』『呪い5・0』『中国太陽』『山』です。
    『流浪地球』は400年後に爆発することがわかった太陽から地球へエンジンを付けての脱出が描かれます。
    『ミクロ紀元』は先駆者と呼ばれる宇宙探索者が帰還した荒廃後の地球で絶望と希望を発見する物語です。
    『呑食者』は惑星を取り込み資源を搾り取ることで維持される呑食文明が地球へ迫り、彼らと人類の奮闘が描かれますが…。
    『呪い5・0』は他作品とは世界観が違い、呪いプログラムがバージョンを重ねるごとに社会へ混乱を与えていく物語です。
    『中国太陽』は太陽光反射衛星を磨くことになったビル窓清掃員が、そこでの出会いを切っ掛けに人生が一変する物語です。
    『山』は個人的に一番好みでした。地球外知的生命のコア文明が飛来し、船の重力で海を持ち上げます。それを泳いで登った主人公へ語りかけてきたコア文明、彼らの正体と目的は…。

    好みと書いた『山』ですが、コア文明が素敵なのです。
    人類と違った環境と進化があり、文化にも大きな差があり、しかし彼らは何も隠さず誠実に全てを語ってくれました。
    『呑食者』の文明も何も隠さずに全てを語りますが、争いや奪うことなどに目もくれず、先を見据えているコア文明に惹かれます。
    人類も戦える術は保持しつつも更に高尚な目的のために働く種族になれればと切に願います。

  • 「流浪地球」「ミクロ紀元」「呑食者」「呪い5・0」「中国太陽」「山」の6篇収録。どれもスケールの大きなSF作品だった。

    「流浪地球」
    太陽が爆発し、太陽に飲み込まれて人類は滅亡する。地球を太陽系から離脱させ、二千五百年かけてプロキシマ・ケンタウリを目指すことにした人類は、様々な苦難に見舞われる。

    「ミクロ紀元」
    一万八千年後、太陽がスーパーフレアを起こすことが判明し、移住できる星を探すため宇宙船(方舟)を送り出した人類。有望な星が見つからないまま二万五千年後地球に帰還した方舟クルーは、体のサイズを十億分の一に作り替えて生き残ったミクロ人類と遭遇する。

    「呑食者」
    エイリアンが操縦するドーナツ型の巨大惑星〈呑食者〉が地球を補食しにやってきた。呑食帝国に抗う人類の立てた作戦は?

    「呪い5・0」
    呪いを込めたコンピュータ・ウイルスが進化し、中国の都市を破滅をもたらす。

    「中国太陽」
    衛星軌道に太陽光を集光する巨大なミラー(中国太陽)を設置して中国の気候を変える巨大プロジェクト。鏡面を磨く「鏡面農夫」となった水娃は、極貧の田舎から炭坑へ、地方都市へ、北京へ、そして中国太陽へ。視野が広がり、遂に宇宙へ旅立つことに。

    「山」
    地球に立ち寄った巨大な異星船は、その引力で海に巨大な山を作り出す。エイリアンは、惑星内部の空洞に生まれた異世界生物と登山家のファーストコンタクト。

  • 2000年から2010年に発表された流浪地球、ミクロ紀元、呑食者、呪い5.0、中国太陽、山、の6つの短編を2022年9月角川書店から刊行。老紳介護と本作と2冊同時刊行。流浪地球、ミクロ紀元の展開は三体に繋がるような大仕掛けな躍動感があり楽しめた。呑食者に登場する大佐が渋くて格好いい。呪い5.0の破天荒なアイデアかつ緻密な世界観が秀逸。となかなかの短編集です。

  • 「老神介護」読了よりかなり時間が空いたけど、ようやく流浪地球」も読み終えた。こちらもSFならではのスケールの大きさと発想の面白さを楽しめた。

    「流浪地球」は太陽の大爆発から免れるため、地球そのものを宇宙船として太陽系を脱出する話。地球にエンジンをつける発想がすごい。激変する地球環境を生き延びて、太陽系を離れる人類の行く先に思いを馳せた。

    「呑食者」は惑星のあらゆる資源を搾取する「呑食文明」が1世紀後に地球に到達するまでの人類と呑食者との駆け引きを描く。これが一番今回の中で面白かった。一度話が着地したと思ってから、さらに予想外のラストが待ち受ける。

    「中国太陽」は貧しい農村出身の窓拭きたちが、宇宙空間で鏡面清掃業務に就く、夢と希望のあるストーリー。農村から都会へ、そして宇宙へと格段に見渡す世界が広がっていくが、主人公がずっと故郷の村を心に留めていることに人間味を感じた。

    「山」は登山を生きがいとしていた男が、最も山から遠いはずの海で登山する。前半の登山シーンも面白かったが、山頂で待ち受けていたエイリアンが語る世界の途方もなさがまた想像力を刺激する。

    「ミクロ紀元」も太陽爆発から生き延びる人類の物語だが、「流浪地球」とはまた違う世界観で、「呪い5.0」は他の作品とは異色でバカバカしさが特色のSF作品。

    長編、短編通して改めてわかったのは、劉慈欣氏はとにかく蟻がお気に入りらしい。

  • 『三体』で有名な劉慈欣氏の短編集。私は劉慈欣氏の作品は、短編を読みたい派なので『流浪地球』も迷わず購入!『老神介護』も欲しかったけど『円』の「詩雲」の兄弟作「呑食者」の入ってる方から♪

    あとがきによると、KADOKAWAが翻訳権を獲得した作品のうち半分を『流浪地球』に、もう半分を『老神介護』に、モチーフの近い作品をまとめて発行したものだそうです…が、その工夫が私にはちょっと合わなかったみたいです。似たような話が続いて、ちょっとお腹いっぱい…。劉慈欣氏の短編集『円』のように、次はどんな世界が来るかな♪というわくわく感をもっと味わいたかったので、私としてはモチーフはできるだけ混ぜて欲しかったなぁ〜と。

    イチオシ作品はやっぱりお目当ての「呑食者」!いろいろ語りたいけど、これはネタバレになるから何も言えない!この作品はめっちゃよかった!!

    「呪い5.0」はコメディだそうだけど…「この頃、病んでた…?」と思うくらい、ちょっと…悪趣味。『円』の「詩雲」「月の光」のほうがずっとスマートに皮肉が効いててよかったなぁ。「山」はテロップそのままご披露感が…。総じて『円』の方が個別の作品も良作揃いだったような。…『老神介護』…買うか悩ましいなぁ。

    --

    最後に、この本、読み終わるときに、たまたま本の上に蟻が歩いてたんですよ!!なんか感慨深くて、丁寧におうちの外に逃がしてあげました。そこが今回の読書のハイライト。(この本読み終わった人はわかってくれるはず!)

  • 評判が良かったので「三体」シリーズがまだ途中なのに手を出してしまった劉慈欣の短編集。地球エンジンとか、ミクロ人類とか、空洞惑星とか…こういった宇宙をテーマにしたトンデモSFは好み。もちろんストーリーも秀逸。ラストが気に入った「呑食者」は続編があるようで、そちらも気になる。同時発売の「老神介護」も読みたい。

  • 『老神介護』に続きこちらも堪能。しかし、本当に劉慈欣の創造力は期待を裏切らない。

    地球エンジンによって太陽系を脱出する「流浪地球」
    生き残りの人類と新しい人類を描く「ミクロ紀元」
    異星文明の侵略と地球を描く「呑食者」
    コンピュータウィルスと世界の混乱「呪い5.0」
    出稼ぎ労働者の成り上がりと恒星間探査の夢「中国太陽」
    異星文明の接触と知的生命の探求「山」

    両作を読み終えて、どこか繋がりがあったりアイデアが関連していたりして読みやすい構成になっていた。まだまだこちらが驚くような物語を読ませてもらえそうだ。『円』をまだ読んでいなかったので、まずはそちらを楽しもう。

  • 著者の小説はとにかく壮大で、なかなか想像が追いつかなかったが、何冊も読んだのでやっと脳内映像化が出来るようになって来た。
    この流浪地球と三体は映像化されているので機会があれば是非観たい。

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著者プロフィール

1963年、山西省陽泉生まれ。発電所でエンジニアとして働くかたわら、SF短篇を執筆。2008年に刊行された『三体』で人気に火が付き、“三体”三部作(『三体』『黒暗森林』『死神永生』)は中国で2100万部以上を売り上げた。2014年にはケン・リュウ訳の英訳版が刊行され、2015年、アジア人作家として初めてSF最大の賞であるヒューゴー賞を受賞。2019年には日本語訳版が刊行され、11万部を超える大ヒット。

「2023年 『神様の介護係』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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