- Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040693163
感想・レビュー・書評
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読む前には あのオードリーの若林とは知らずに手に取ったけど、知ってから一体どんな内容か気になりつつ読む。才気迸る内容ではなくてとても気軽に読める3泊5日のキューバ旅行記だけれど、亡くなった父親が行きたいと言っていたキューバに思い立って出掛けて日本や自分の良さ悪さを再確認している若林が居る。きちんと物事を見つめているので共感が持てるし、大好きだった父親へのオマージュも感じられた。さーっと読めるけど面白かった。
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お笑い芸人のオードリー若林氏の旅行記というスタイル。
行き先がなぜキューバなのだろうと思っていたが、最後にナットク。
社会主義の国に生きるというのはどのような感じなのか、想像も難しい。
ただ、南国で音楽にあふれたキューバなら、何とかなりそうな気がする。
ゲバラやカストロについて興味がわいてきた。 -
キューバと言われて真っ先に思い出すのは、何年か前に流行ったブエナビスタソシアルクラブの音楽です。
ゆったりとしたリズム、哀愁漂うメロディー。若林さんはこの癒しを感じに行ったのかなと思ったら…いろいろな理由があったようです。
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以下、名言集
「先生、知ることは動揺を鎮めるね!」「若林さん、学ぶことの意味はほとんどそれです」
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか?あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」(ゲバラ氏)
元々人間は競争したい生き物なのかも知れない。
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あと
社会主義はコネが物をいい、
資本主義はカネが物をいう
みたいなのも。
ちなみに若林さん、ラストはずるいです! -
オードリー若林さんのキューバ旅行記。旅エッセイに留まらない文学の香り。なぜキューバなのかという動機も詳しく語られ、大きなテーマにもなっている。美しい情景に加え、若林さんの高揚感も文章から伝わり、とても瑞々しく読めた。
浸れる文章を書く人だなって思う。色や匂いまで伝わる描写なのに、どこかサッパリとして静かな夜の空気を感じさせる文章が好き。
「でも、例えば人生とか、愛とか、感謝とかって実はアメフトの話のようなものの中に含まれていて、わざわざ言葉にして話すようなことじゃないんだ」って一文が好き。
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか? あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」というゲバラの言葉も刺さる。
「ぼくはきっと命を『延ばしている』人間の目をしていて、彼らは命を『使っている』目をしていた」という表現もよかった。
若林さんの文章には、思考に潜らせる能力があるんだなと。眠れない夜にいろいろ考えふけってしまうように。
そんな時はモヒートかダイキリをお供に、この旅を追体験して色を取り戻せたらなと思った。 -
新自由主義、競争社会、格差…諸々にうんざりして旅に出たのかと思いきや。
忙しい中、ひとりになって、悲しみとじっくり向き合える、どこか遠くに行きたかった若林さん。テレビで観ていても全くわからないけど、こんな辛い時期があったのねぇ。私は若林と同年代だし、私自身の父親の死も同じ頃だし、親近感湧くな。身近な人の死は本当に辛いけど、そんな時のひとり旅だからこそ、旅先の景色もいつも以上に響くのかな。だって、「網膜が小躍りする」なんて表現すてきだもんな。
ゲバラの言葉に、考えさせられる若林さん。
「明日死ぬとしたら、生き方が変わるのですか?あなたの今の生き方はどれくらい生きるつもりの生き方なんですか?」
終盤では、父親に幸せだったかと問う。
命について、人生についても考える旅だったのかな。
モンゴル料理、若林はいけたんだ…私は臭くてどうしても無理だった。
アイスランドで優しくしてもらって良かったよね。全員日本人とかさぞ初めは地獄だったろうに。ま、ウケたけど!
若林さんの海外旅行先チョイスがいいセンス!私もいつか行ってみたい。
そして、DJ松永の若林にむけた手紙が泣ける。何これアツイ。いまさらリトルトゥースになれないよぉ。 -
とあるきっかけでキューバに訪れたオードリー若林のエッセイ
離陸場面と最後が好き。
有能と無能、勝ち組と負け組。新自由主義のもとに生まれた価値観。離陸と共に、これら"冷笑的なニュアンスの込められた当事者性の感じられない言葉が物凄いスピードで後方にフェードアウトする"っていいよね。旅が好きな理由を言語化してくれたような感じ。
(自分も有能とか無能とか言う奴はマジで嫌い。松本人志が川崎の殺傷事件の犯人を"欠陥品"と言ったように、上から目線で人間をモノのように見下す残酷な視点。自分の周りにもいる。もしかしたら自分のそれに加担してる時があるのかもしれないけど、、)
そんな日本より共産主義(当時)の国キューバの人々の方が幸せなのだろうか。共産主義と言っても、アミーゴ社会というように人脈が収入、家の大きさ、社会的ステータスに大きく影響するらしい。
どちらにおいても大切なのは"血の通った人間"でいること。若林をキューバに導いた人物がそうであったように。
変わりばえのない日常に色がなくなってきたら、色を与えに旅をしよう。
「出かけたいところがあることって人を幸せにするんだな」俺もそう思います。
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タレントが書いたエッセイと思っていると痛い目に遭う。
まず自分を表現する文章がうまい。
単なる読みやすさとか、表現力ではない。
自分の感情というか、日本という(いや多分東京かも)環境の中における、若林正恭という芸人の取り扱いというものを、第三者的に醒めた目で俯瞰して見せて、それでいて虚無的でなく、読む側に少しだけ共感を求めるような、「あなたもそんなとこあるでしょ?」という感じで進んでいく語り口がすごい。
基本的に独白調なのだけれども、自分の中なら特に説明も不要で、あえて説明もしないような感じ方、感性をちゃんと説明しているのだ。
個人的に興味を持つのは、この文章をスラスラと書き綴るのか、何度も何度も書き直すのか?というところかな。いや、どっちがいいという話ではなく、単に興味だけど。 -
ただの旅行記じゃなかった。笑いあり涙あり。
当たり前だけど、日本の普通が世界では普通じゃないことを改めて思い知らされた。 -
オードリーの若林さんによるキューバ、モロッコ、アイスランドの旅行記。
旅を通じて日本での生きづらさについて綴られる。社会主義のキューバ、遊牧民族のモロッコ、競争社会から外れた国で心の中で静かな自由を獲得していくように見えた。
ラジオでも「芸能界は勝ち続けた人間ばかりで人の痛みが分からない人が多い」とか言っているように、若林さんは痛みとか競争に本当に自覚的なひだ。
でも、若林さん自身芸能界で圧倒的に勝者なんだけと、きちんとあとがきで「新自由主義の競争で誰かを傷つけて貰ったお金を使って俺は見てきた」ともあって自分の事は棚上げしないバランス感覚が本当に好きだ。
あと、DJ松永のあとがきはあとがきの場を借りたラブレターだった。俺も生々しく生きていきたい。 -
一気読み!もともと若林さんの話術が好きでしたが、本書を読んでもっとファンになりました。
旅先でのアクシデントや恥をかかないように密かに戦略を練るところ、めっちゃ共感しました。
中盤は旅行している気分と、登場人物のキャラ、それに対するツッコミなどなど楽しく読めました。
何なら声出して笑っちゃった。
ラスト、思ってもみなかった話の展開にじんわり感動しました。 -
オードリー若林のキューバ旅行記。
社会主義キューバの幸せと資本主義日本の幸せについて考えさせられる。
何もかもが便利なのは日本。人との競争、比較が多いのも日本。
幸せは人と比べて決めるわけじゃないのに。
どちらが幸せなのか。
とか考えてしまう。 -
オードリーの若林さんが書いた旅エッセイ。キューバ旅行の出来事が綴られている。海外旅行でキューバを選ぶのが若林さんらしい。ところどころツッコミがあって、漫才を見ているような楽しさがある。こんなおもしろい旅エッセイを書いてみたい。
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5日間の夏休みにひとりキューバに行ったオードリー若林さんのエッセイ。
動機やテーマがあると旅は単なる物見遊山に終わらない。旅の出来事と内省的な思いが本のページを自由に歩き回って最後に東京に帰ってくる。
しみじみしたいい気分になった。 -
今の日本社会で上手く生きていけない人間は自分だけじゃなかった。
海外に行き始めたばかりの頃のワクワクと不安と解放感が入り混じった気持ちがなつかしくなったな。
学ぶこと、探し続けること、自分の居場所を見つけること、生きていくこと。一冊の中に人生が詰まってた。 -
まず、文章がいい。
短い言葉で、的確かつ明確に風景や情景を切り取って見せてくれるその腕は、ただただ上手いと唸るしかない。
みやげ話を聞くような感じで、気軽な気持ちでさくさく読み進められる。
旅エッセイって、気軽に手に取れてサクッと読み終えられるくらいのがちょうどいいわ。 -
めちゃくちゃ面白かったです。
本好きで有名なオードリーの若林さんですが、書く才能もあるんだなーと感心しました。
一緒に旅しているような感じがして、とても面白く読ませてもらいました❗
ぜひぜひ、みなさんも読んでみてください。 -
キューバの観光地を効率よく回ったり、ディープな場所にも行くし、些細なコトで気分を害して引きずったりもする旅のエッセイ。
カストロが大観衆を前に演説した革命広場や闘鶏場の熱気が伝わってきて、アイスクリーム屋やビーチ、堤防沿いに集まるキューバの人たちの表情が丁寧に描写されていた。
インドア派の若林さんが、1人でキューバに行きたかった理由は…。