文豪Aの時代錯誤な推理 (富士見L文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 183
感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (320ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040727110

作品紹介・あらすじ

自死を遂げたはずの龍之介は、羅生門の下で目覚めた。門を通じて事件を目撃した龍之介は、現代の田端に茶川龍之介として蘇る。羅生門現象と呼ばれる事件を食い止めるため、一人の女性を救うため――彼は推理する!

感想・レビュー・書評

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  • 長い時間をかけてようやく読了。大きなテーマは誤解・錯覚・見間違いかな。アンジャッシュのショートコントみたいな言葉の意味のすれ違いとか。
    前半の先生vs現代文明はおもしろかった。平野レミを尊敬するとかww

    太宰治が好きな身において、太宰=暗い、自殺した人みたいなイメージがあまり好きではない。それと同じで、芥川=暗いってイメージがやっぱあるのかなと。作中の羅生門の解釈もまた然りで、生への衝動を描いたという視点で見るとまた変わってくる。芥川の作品に留まらず、別の視点で読んでみることで、全然違う景色が見えてくると改めて思った。芥川の作品をまた再読しようかな。

    ところで、この作品続くのかなー?河童が気になる……。

  • うーん…。
    なんだろう、ひさびさに世界観に入り込めない小説だった。
    もう少し硬派?なミステリーだと勘違いしてたかなぁ。

  • 設定も謎が多いし独特な内容で風変わり。
    ただ龍之介に愛嬌があって、なにか憎めない感じになってます。

  • 推理じゃなくて、存在そのものが時代錯誤。とある事件を防ごうとするために芥川が現代に転生し、テレビやスマホやファストフードを知ってだんだん馴染んでいきつつも基本的には時代錯誤なのが面白い。

  • 一応自殺後の話だから転生なのか…?お金どうするんだろうと思ったけれど、初っ端から割とご都合できているから心配することなかったな。文ストらしいこともちらっと出てきたり、平野レミ先生がでてきたりと割とやりたい放題なところが面白い。クズの引き合いに太宰を出すのはやめてさしあげてw 推理はしているけれど、どちらかというと文学談義色と「藪の中」オマージュな感じが強い。ヒロイン(?)のキャラがネジが降り切れていてよかった。

  • 自死を遂げたはずの芥川龍之介が、現代の田端に茶川龍之介として蘇ったという突飛な設定。

    全体的に軽いノリで、茶川と弥生の掛け合いや、時代のギャップに戸惑う茶川が面白い。特に、平野レミの料理番組を見て夕飯を作ったり、こっそり村上春樹を読んでる茶川が可愛い!

    髪切り婆に鬘燃やし、水風船爆弾魔、メッセンジャー潰し。同じエリアで同時多発的に起こるいくつかの奇妙な事件が、すべて繋がっていく様子は、パズルのピースがはまっていくみたいで気持ちがいい。

    芥川龍之介の作品は、昔「羅生門」を読んだかなーという程度。もっとちゃんと読んでおけば、作中の羅生門の解釈も、もっと理解できたかも知れない。「羅生門」とか「蜜柑」とか、芥川龍之介の作品をちゃんと読んでみたくなった。

  • つい最近、朔太郎読まなきゃ!って思ったばかりなのに、今度は芥川読まなきゃ!になった。作中に出てくる作品で読んでみたいのは「蜜柑」と「魔術」かなあ

    語り口はライトだけれど、事件は実際にも起こりそう。ちょっと背中を押されて、あちら側へ行ってしまう。連鎖する犯罪に対する人々の無関心。

    茶川さんがかわいい。茶川さんと弥生の距離感がとても良いです。
    他の田端組出てきたら面白そう…だけど、そうなると違うはなしになってしまうか…

  • 死に損なって転生した芥川氏が周りで起こる事件を解決する結構お気軽なミステリだと思っていた己を恥じたい。ていうか、良い裏切りに遭いました。
    ちゃんと読まなければ、芥川小説。

  • 自殺直後、現代の田端に転生した芥川龍之介。その設定だけでも面白いはず。現在の技術や人々の様子に戸惑いながらも、それなりに謳歌?してる処も面白い。多視点で語られる物語が一つに収束していくテンポも良かった。(「僕が恋したカフカな彼女」既読なのに全然覚えてない。リンクありなのね。)

  • 2018年70冊目。現代に転生した芥川龍之介というぶっ飛び設定から、途中までドタバタコメディだと思って読んでたけど、途中から鋭い考察が混じってきたのはやっぱり森さんだなぁと。最後のぶっ飛びは謎過ぎるが。

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著者プロフィール

1979年、静岡県浜松市生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。日本大学大学院芸術学研究科博士前期課程修了。ライターとして漫画脚本などを手掛けながら小説の執筆活動を続け、『黒猫の遊歩あるいは美学講義』で第1回アガサ・クリスティー賞を受賞(早川書房刊)。同作は続刊も刊行され、「黒猫シリーズ」として人気を博している。ほか、『名無しの蝶は、まだ酔わない』(角川書店)の「花酔いロジックシリーズ」、『ホテル・モーリス』(講談社)、『偽恋愛小説家』(朝日新聞出版)、『かぜまち美術館の謎便り』(新潮社)などがある。

「2021年 『使徒の聖域』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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