情報汚染の時代 (角川EpuB選書 10)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040800134

作品紹介・あらすじ

クリーンな情報は単に情報としてのみ機能するのに対して、汚染された情報は私たちの精神や思考に害を及ぼすので、多くの情報に触れる人が、被害を多く受ける可能性が高くなる。行動を決定するために必要なのは情報である。私たちは情報を受けて、自分の行動を適切に選択するので、受け取った情報が汚染されていれば当然、私たちの行動も誤ったものになる。問題は、汚染された情報とクリーンな情報の判別がとても難しいことだ。しかし、対策が存在しないわけではない。

感想・レビュー・書評

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  • 情報を伝える経路、情報を位置づけることが大切である。リアルとネット、何かが間違っている。
    便利とは どういうことなのだろう。
    チェックリストがあるので、機械的に分けることもひとつのやり方である。
    私たちの望むものは?

  • かなり以前から読んでいましたがとにかく読み進まない。珍しく購入した本なので何とか読破したい、という気持ちだけでやっと読了。

    正直書きますが、最初の方の章は回りくどくて何を言いたいのか、よくわからなかった。当たり前のことを何度も何度も理屈をこねて言い募っているだけに感じられ、途中で「きーっ」っと何度もいいそうになりました。
    でもそれが「こちらの知識レベルが低いんでは」「こちらの理解力が足らないのでは」と、こちらの学のなさを高みから見下されているように感じる文章で鼻につく。
    「なにくそ」という気持ちだけで読み進めました。いやぁしんどかった~
    著者もそのことを充分に意識されているんだなとわかる文章も随所に散見されました。きーっ

    5章くらいからようやく言ってることが何となく理解できるようになり内容にぼんやりついていけましたが、その時点で「この本は最初からわかってくれようとするレベルにいる人間にのみ理解されれば良いというスタンスで書かれてるんだな」と心から了解しました。
    だからこちらもわかるな、と思うところだけ読み込み何だか読んでもわからないところは流し読みしました。

    著者は何者ですか、と見返しを見たらば現代思想評論家と。
    思想評論家さんですか…このレベルで出すならこういう装丁の選書じゃなくて、もう少し専門書っぽいレーベルで出すか、選書で出すならもう少しわかりやすく噛み砕いて欲しいと思う。でないと、私のようにうっかり手に取り後悔する人多いんじゃないかなぁと。
    いや、この選書のシリーズがそういうコンセプトだと知らずに手に取った私が悪いんでしょうか。
    しかしそんな簡単に手におえる本ではありませんよ。これは。

    情報網について、高頻度利用者が必ずしも高い利益を得ているわけでなく情報機器や通信網を利用するに当たっての高適応者であるだけ、と述べられている点はそうかもしれないと納得しました。あんまりそういう視点でネット利用について考えたことはなかったのでそれは気づきをもらえました。
    その他「どんな価値観も自分の信じている価値観と同じなら、もちろん自分の価値観自体が正しくないことも疑うべきではあるけれど問題は小さいと考える」・「日本の価値観にのっとって何かを決定しなくてはならない場合には世界の価値観について汚染されていない情報が必要である」という価値観と情報の汚染について書かれている箇所には、ぼんやりとは考えてはいても普段意識して言葉にしていなかったものの見方や考え方を意識させられました。

    「私は能力が高いのに組織内で評価されていない」と感じている人間は、個人技が実技の場面ではあまり意味を持たないということをわかっていないという指摘は大変痛かった。「そうなのか…」と落ち込み(笑)

    一言で言えば、この本は「当たり前のことを当たり前に述べている」のだと思います。
    読んで気づきや反省も得られますが、多分大多数の人にはあんまり必要ないんじゃないかなぁと思われます。
    私も読了後、正直買ってまで自分に必要とは思えなかった。

    でも「可能な限り早期に比較的まともな集合知の生成の方法を作り上げ」なくてはならないという一心で多分この本を書かれた著者のいうことは正しく急務なのでしょう。たとえその可能性が低いとわかっていても。

    一般衆愚レベルの自分としては、情報に飲み込まれないこと、鵜呑みにしないことという最低限(すぎる)のことを押さえておく次第。

  • 再読
    2018.12.10
    「山田洋次 映画を創る」→2014

  •  本人いわく研究者として書かれている本のようで、実際にも論文調の書き方であり読んでいて面白くない。

     結局情報というものはすべてがきれいにおぜん立てされたものではなく、むしろその汚染というものを与えられた自分自身が取り除きながら慎重に対処していけという事で良いのだろうか。

     ネット社会の情報を有無も言わずすべて正しい、そして逆にテレビや新聞のニュースは偏見だという論調が消えない限り汚染は消えないだろうな。どちらも鵜呑みにせず吟味し突合せしながら確認することが重要なのに。

     著者曰く、必要なことはいろいろな物を見て、いろいろな人と出会い、いろいろな価値観を知る事であり、また、直接会ったり、電話経由で音声を聞いたり、書いたりすることである。当たり前が当たり前ではなくなったこの時代昔回帰もあながち否ではないのかもしれない。

     情報経路の性質
      任意性 無関係性 権威性 継続性 開放性 
     情報の三要素
      事実性 論理性 誠実性
     情報会社は時間を節約してくれているわけであり、信用を売っているわけではないことに注意が必要。
     

  • 自分が書名を見て思っていたのが、ネット上に出回るデマについて書いた本かと思ってたということもあるだろうけど、正直つまらなかった(全部読んだけど)。
    なんというか周りくどい。これこそまさに情報汚染じゃないかといいたくなった。どうせならあとがきに、「この本も汚染していると捉える人もいるだろう」と書かれてあればまだよかったのだけど(もしくは、「この本は全く汚染されてないクリーンな情報で構成されている」と書いてあるか)。
    株投資は三角クジと同等というのはなのだろう。三角クジで稼ぐ人は聞いたことないけど、株で稼いでる人は何人も聞いたことあるんだけど。
    それと、30代なのに学生時代の友人の影がまったく見えない人間は信頼しないほうがいいらしい。それを見てなぜか悲しくなった自分・・・。後、国家や民族の価値観を信奉する人間より、地球全体の価値観を信奉する人のほうが圧倒的に信頼に足るらしい(この本ではそれを前提のように書いてあった)。
    それと、STAP細胞も最初に報道された時点では信頼に足らないものだったそうだ。後付けな気がしてならないのだけど、いったい何を信頼すればいいのやら・・・。
    正直、この本を読んでいたらほとんどのことが信頼できないような気がするのだけれども(だから情報汚染と言っているらしいが)。
    本当この人は、何の意図があってこんな本を書いたのだろうか。

  • 「はじめに」と7章、12章を読んだ。

    全体的に、文章が硬い感じがした。
    もう少し吟味して選べば良かった、と反省した。

  • 重要なことは何がどこに書いてあるかということだけであって、必要な情報を必要な時にひきださせる能力の方が圧倒的に重要である。
    情報を集めて、そこから意義ある行動を行う人間たちは、どのような情報にも依存することはない。それらの情報から事実を抽出する訓練や関連背景知識の習得あhネットでは行われないことを知っている。ましてや目的とは、自分の目的なのであるから、ネットに転がっている誰かの目的を借用してすむわけもない。

  • 機器を使えないから「情報弱者」ってのは説得力に欠ける。
    それと、朝日新聞を見ていると「情報経路の汚染」がどのようなものかって実感する。

  • 前半の情報の定義は「こういう考え方があるのか」と結構面白かった。中盤に進むにつれ、その極端なものいいと、「それは当たり前だろう」の内容の連続になり、後半のより汚染されていない情報獲得の実践も「それは当たり前だろう」以上の感想は出ない。

    情報というものの学術的再定義に意義はあるのかもしれないけれど、情報選別の実践として読もうとすると非常に物足りない。

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著者プロフィール

1961年、東京都生まれ。早稲田大学教育学部教育学科教育学専攻教育心理学専修卒業。早稲田大学大学院文学研究科心理学専攻修士課程修了。早稲田大学大学院理工学研究科電気工学専攻電子通信工学専門分野博士後期課程単位取得満期退学。フェリス女学院大学文学部コミュニケーション学科教授。著書に『現代思想のコミュニケーション的転回』(筑摩書房)『世界をよくする現代思想入門』(ちくま新書)『難解な本を読む技術』『私のための現代思想』(以上、光文社新書)など。

「2022年 『哲学史はじめの一歩』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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