ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ (角川新書)
- KADOKAWA/角川書店 (2015年3月25日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784040820019
作品紹介・あらすじ
プロ棋士と互角以上の戦いを繰り広げるまでに進化した将棋ソフト。不可能を可能にしてきた開発者たちの発想と苦悩、そして迎え撃つプロ棋士の矜持と戦略。天才たちの素顔と、互いのプライドを賭けた戦いの軌跡。
感想・レビュー・書評
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コンピュータ将棋について、主に2010-2015年当たり前でを綴った一冊。
現在ではAIでの形勢判断が当たり前になっているが、そこに至るまでは棋士の側や見る側はもちろん、将棋ソフトを作成する側にも様々な葛藤があったことがよくわかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
羽生棋士の著書に書いてあって興味を持ったコンピュータ将棋。昨年の電王戦FINAL前に刊行された本書は2014-2015年を中心にコンピュータ将棋の状況をマニアック過ぎず素人にも分かりやすく紹介している。その後電王戦も終わり昨年10月にはコンピュータ将棋プロジェクトが終わったように羽生棋士と最新コンピュータとの対戦は実現せずじまいのままコンピュータは人を超えた、または超えるのは自明と結論付けたようであるが、ゲームとしての将棋の面白さとは関係のないことのようだ。
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読んでおいて損はない
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電王戦FINAL直前に出版というタイミングなので、尻切れ感が強いが、読み物としては面白かった。「棋士とAIはどう戦ってきたか~人間vs.人工知能の激闘の歴史」を読めと言うことか。技術的なことを知りたかったら、Ponanza作者の山本一成氏が本を書いているので、そちらか(「人工知能はどのようにして 「名人」を超えたのか?―――最強の将棋AIポナンザの開発者が教える機械学習・深層学習・強化学習の本質」)。
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ドキュメント コンピュータ将棋 天才たちが紡ぐドラマ
松本博文
2015年3月25日初版発行
2017年12月20日読了
松本博文。将棋観戦記者。
著者は東大将棋部OB。在学時より将棋書籍の編集に従事。
本書は2014年の第3回電王戦から、2015年の電王戦FINAL開幕直前までのコンピュータ将棋に関する出来事を軸に、関連する多くのトピックを取り上げるという構成になっている。
電王戦FINALに臨む棋士、ソフト開発者の取材もあり当事者の想いも知れて良い。
既に、将棋は名人がポナンザに負ける(2017年、佐藤天彦名人 対 ポナンザ)というのは周知の事実ではあり、一昔前になってしまったが改めて知るという意味では興味深い。
実際に読んでみて、その人としての背景や成り立ちなども深く記載されていて良い驚きだった。なぜ、コンピューター将棋に出会ったのか、開発者の親は何をしていかなんてことまで。
森下ルール
森下卓九段が、コンピュータに負けた後に提唱したルール。
棋士は盤駒を利用し一手15分で戦えばコンピュータ将棋にも負けない。人は間違えるものだし、短い時間で読むのは限界もある。というもの。
森下九段の提案は大きな反響を生んだ。そしてリベンジマッチとして、そのルール(実際は一手10分)となって実現し大晦日対局が実現。
年越しとなり夜明け間際まで対局が続くことになるが、その時の様子、森下九段が何を考えていたかなど書かれていてかなり面白かった。
棋士の本ではないが、長く観戦記者をやってきた(棋士に一番近い関係者)からの視点はやはり面白いし新たな将棋界の情報が入ってくる。
オススメ。 -
森下先生の章は非常に興味を持って読めました。
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cakesの連載を読んでみて借りてみた本
https://cakes.mu/series/3344
cakesの連載は主にこの本の後半部分の抜粋でした。電王戦FINALで対戦する棋士と開発者についてよく取材されて書かれています。
ちなみに前半部分はこれまでのコンピュータ将棋の歴史的な部分について書かれています。
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そういえば、コンピュータ将棋って、
今どんな感じなのかなーって、読んでみました。
結論、将棋とコンピュータ将棋は、同じゲーム。
将棋という奥深いものに対して、違う角度から努力し続けるという一つの新しい流れが始まった、ということ。
色んな人の話が読めてよかった。
「人生は一局の将棋なり。指し直す能わず」
「指した手が最善手」 -
コンピューター将棋に関わる人々を詳細に解説。
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『ルポ電王戦』を楽しんだのでこちらも。コンピューター対棋士を描いている。開発者にも棋士にもよく話を聞いていて面白い。今年は今現在2勝2敗の両方の勝負。個人的には棋士に一矢報いてほしいが、どうなるやら。コンピューターの話だけど、なんか将棋の基本を教わった気がしている。