地名崩壊 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 19
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784040823003

感想・レビュー・書評

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  • なるほど、と思ったのは地名はどの範囲に限定するかによって命名の視点が異なる、という話。例えば、鬱蒼たる松林の中では「松の木」のような地名は特徴にならないため、「一本松」といった地名は見渡す限りの原っぱに命名されることが多いとか、平らな台地にはクボの地名が多いとか。

  • 地名には古来からの遺産的な要素があり、現代の価値観で軽々に帰るべきではないという論旨。

    この地名にはこういう由来がある、という実例が豊富に紹介されており、知識が深められて楽しかった。

  • 確かに昭和平成令和で地名が大きく変わった。社会システムが農業系から初めて離れたのだから仕方ない、と個人的には思うのだが。

  • 七生村のはなしとか、日野宿の話とか
    なぜか日野市の話が複数出てきますよ。

  • 高輪ゲートウェイ駅のことを書いたネット記事で紹介されているのを見て手にした新書。
    地名の由来から、駅名との関係、合併だとか住居表示法とかでどんどん崩壊させられてきた地名について。
    実家は平成の大合併を免れて、生まれた時から変更なし。川の上流下流で上下の地名が残ったまま。田舎っぽい名前ではあるものの、残さないといけないんだろうなと思った。

  • 今尾さんらしい本であった。ただ、今までの著作を読んでいない人には取っつきにくいかも。図表を多用するとより分かりやすくなると思う。

  • タイトルに惹かれて購入。

    普段、電車で通り過ぎる駅名やニュースで聞く地名など改めて由来について着目すると、「地名にも歴史あり」というのを実感しました。
    本書では、様々な地名・駅名を挙げて、分析をしています。比較的、関東の地名や駅名が多く載せられているので、関東の人には親しみがあるかと思います。
    こうして、由来について改めて見ると、「あーたしかに」と思ってしまった地名が続々とありました。
    合併されて消滅してしまった地名や新たな地名が誕生したりと何かのきっかけでないと、あまり意識しません。

    近年では、漢字とカタカナ、漢字とひらがなの組み合わせも目立ちます。なんとなく漢字のみだった硬いイメージから丸みを帯びた柔らかいイメージへと変化することは、時代の流れでもありますが、なんとなく違和感もあります。その例が「高輪ゲートウェイ」駅。何年か経ったら、慣れるかもしれませんが、これで良いのかなぁと思ってしまうこともあります。近い将来、このような組み合わせが当たり前になるかもしれません。
    地名で考えると、色々と合併されて覚えやすくなる反面、消えた地名が寂しくなります。何十年か経ったら、多くの人の記憶から忘れ去られるかもしれません。

    自分自身としましては、生まれた故郷・今まで育った場所の地名・駅名だけでも記憶の片隅に残していけたらなと思います。
    世間としましては、何かの商品や店名などに昔の地名を加えて、未来へと残してほしいなと思いました。

  • <目次>
    第1章  地名の成り立ちと由来
    第2章  駅名と地名の関係
    第3章  キラキラ地名が生まれる事情
    第4章  土地の安全性が地名でわかるのか
    第5章  地名を崩壊させないために

    <内容>
    平成の市町村合併が終わり、多くの市町村が消えていった。また地名も激減している。地名そのものの危機とその状況を丁寧に書いたもの。
    「高輪ゲートウェイ」がきっかけのようだが、著者の言う通り、手遅れの可能性も…。どの時代の地名ならいいのか?というラインもないが、昔からそう呼ばれているわけと使用頻度が、地名を使うかどうかのラインではないか?誰もが「ああ」というものが地名だろう!

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著者プロフィール

今尾 恵介(いまお・けいすけ):1959年横浜市生まれ。地図研究家、エッセイスト、フリーライター。中学生の頃から国土地理院の地形図に親しみ、時刻表を愛読する。音楽出版社勤務を経てフリーライターとして独立、イラストマップ作成や地図・鉄道関連の著作に携わってきた。著書に『日本の地名おもしろ探訪記』『日本地図のたのしみ』『ふしぎ地名巡り』(以上ちくま文庫)、『地名の楽しみ』(ちくまプリマー新書)ほか著書多数。

「2023年 『ふらり珍地名の旅』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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