万能鑑定士Qの推理劇I (角川文庫 ま 26-322)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041001325

作品紹介・あらすじ

高校までどん底の成績だった天然少女、凛田莉子。沖縄から上京後、感受性を学習に役立てるすべを知り、わずか5年で驚異の頭脳派に成長する。次々に難事件を解決する莉子のもとに、怪しげな招待状が舞いこんだ。絢爛豪華な宝石鑑定イベントに潜む巧妙なトリックを解き明かせるか。1年半で200万部を突破した『面白くて知恵がつく人の死なないミステリ』。初めての方も是非この作品からお読みください。Qシリーズ最高傑作登場。

感想・レビュー・書評

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  • 事件簿・短編集に続く万能鑑定士シリーズ第一弾。
    彼女が上京時や瀬戸内店長から学習法を教わるシーンなどの過去のエピソードからの掘り下げのパートでシリーズのおさらいをしつつ、事件簿12巻で出てきた「コピア」と呼ばれる贋作者の登場などこれからの展開を予期する部分も多くとても面白かったです。
    ストーリーも過去のエピソードや角川社内で起きた事件の伏線を回収する所がとても気持ちよく、莉子の台詞の「鑑定は過去の価値を問いません」「いまどうあるかです」にもあるように、失敗してもまたやり直せるというメッセージが強く感じられた回だと思いました。また莉子と小笠原の恋路の行方もこれからもっと進展していきそうで楽しみです!

    この作品をアニメ化した際の声優陣を自分なりのキャスティングしてみたので読む際に参考にしてください(敬称略)。
    凜田莉子:佐藤聡美
    小笠原悠人:寺島拓篤
    葉山翔太:中村悠一
    荻野甲陽:平田広明
    宮牧拓海:福島潤
    瀬戸内陸:三木眞一郎
    瀬戸内楓:鬼頭明里
    関根智貴:菅生隆之
    槌谷廉:西田雅一
    舛井蘭:中上育実
    庵原陽輝:天﨑滉平
    古閑碧人:桐本琢哉
    浪滝琉聖:山寺宏一
    蓮木愛美:瀬戸麻沙美
    宇城颯馬:斉藤壮馬
    峯野咲耶:三澤紗千香
    塩崎正宗:小杉十郎太
    桐島百華:阪口周平
    浅倉絢奈:花澤香菜
    コピア/弧比類巻:関俊彦

  • ラテラルシンキングの絢奈に対抗して、ロジカルシンキングの莉子。
    どちらも知能が低いことから、始まるが、本作は万能鑑定士になった莉子の話。絢奈との接触シーンもあり。
    内容は軽いけど、知識は深く、楽しくて読める。

  • 娘の愛読書を借りて読みました。スーパー鑑定士だけど純な女の子である莉子と、不器用な好青年・小笠原のコンビが、とても微笑ましい。推理ものとしてサクサク読めることも含めて、赤川次郎を感じさせる安心感。

  • 人気漫画のデジタルデータ盗難から始まり、宝石コンテストを経て広がる事件。それなりに楽しみました。

  • 万能~事件簿シリーズは途中まで読んでて、ちょっと脱線してみた。
    新シリーズなので莉子の生い立ちから鑑定士としての活躍まで攫ってあって、改めて楽しめた。
    人が死なない、役に立つ、のも売りだけど、やっぱり莉子のキャラクターあってのシリーズだからね。

    今回も敵の計画が杜撰というかご都合主義だけど、その分テンポよく進んでいく。登場人物の設定といい名前といい、いかにもマンガやドラマの世界なので安心して深読みしないで楽しめる(笑)
    すいすいと流れを追っていくだけで適度に謎が出ては解決されていくのは爽快で、特にラストの莉子と悪人の懺悔のシーンの光り輝く自然の描写は、良い意味で様式美となり、安心と充足感に満たされたまま背表紙を閉じることが出来る。

    エンタメ作品の秀作。
    安定のクオリティです。

  • 万能鑑定士Qシリーズは以前から知っていましたが、
    ちょっと勘違いしていました。
    鑑定士というのは、警察の鑑識のことで、
    そういう警察を舞台にした遺留品から
    事件を読み取っていく系のミステリだと思っていました。
    また、イラストから主人公はクール系の女性だと思っていましたが、
    まったく逆ベクトルでした。

    そんなわけで本編。
    短いお話がいくつかつ連なる短編ものだと思っていたのですが、
    実はその個々の物語が一つの結末に収束していく系統のミステリでした。
    一つ一つの伏線がまとまっていく過程は
    テンポよく飽きることなく楽しめました。
    まぁご都合主義だといえばそれまでなのですが、
    私はこのシリーズを通して読みたいと思いました。
    事件シリーズもあるそうなので、時間ができたらそちらに手を付けたいと
    思います。

  • 徐々に小笠原さんとの距離が近づいている感じはいぃ
    けど、トリック前のモナリザと似てる…
    新しいラテラルシンキングのヒロイン飛鳥絢奈が気になる!次作に期待

  • 宝石の鑑定士には、国家資格はない。
    その代わりとして、GP商会の鑑定士トーナメントに優勝したものには、鑑定家としての名誉が与えられる。

    今回、莉子はそのトーナメントに参加することになった。

    ****************************

    新キャラ登場。
    ちょっとびっくりです。
    でも、相変わらず、美女が主人公のようです。

  • 雑学いっぱい。
    勉強ができない主人公が学んでいったところの描写をもっと見たかった。
    このカップル、行ったり来たりしながら付き合うんだろうな。しかし、リコさん苦労しそうだ。

  • 最近読んだ本の中で表現が面白かったりした。

  • 高校までどん底の成績だったのに5年で驚異の頭脳派になってて面白かった。

  • 久々の凛田莉子さん!って思ったらここにきて、上京した時のことが語られるとは!一旦離れてた読者(私)を一気に世界に引き戻しましたね~。天晴作者!笑
    宝石鑑定トーナメントからアパレルへ。。。確かに業界が変われば気付かないと思うよね。後半は一気に突っ走った感があったけど。。。浪滝さんをただの悪者で終わらせないあたりがシリーズQだね。
    新しいお友達になった愛美ちゃん。いい子だよ♪宇城さんともお近づきになりたい!!
    そしてやっと、小笠原さんとも進展が!?
    がんばって、最終巻までつきすすめ!

  • 高校までどん底の成績だった天然少女、凛田莉子。沖縄から上京後、感受性を学習に役立てるすべを知り、わずか5年で驚異の頭脳派に成長する。次々に難事件を解決する莉子のもとに、怪しげな招待状が舞いこんだ。絢爛豪華な宝石鑑定イベントに潜む巧妙なトリックを解き明かせるか。1年半で200万部を突破した『面白くて知恵がつく人の死なないミステリ』。初めての方も是非この作品からお読みください。Qシリーズ最高傑作登場。
    (2011年)

  • タイトルが変わっても内容は変わらない。
    やっぱりインパクトがない。

  • 推理劇シリーズに入ってもいつもの感じ。謎ルールの宝石鑑定対決がメイン。ただ、ある意味何も変わらないシリーズのため、読みやすいが残るものは少ない。ウィルキンソンが元々日本企業というのは知らなかった。今はアサヒ飲料。

  • 久々にこのシリーズを読みはじめました。相変わらずサクッと読めるんやけど、合間合間にためになる知識をほり込んでくれるから好きです。

  • 記録

  • 中学校の司書さんおすすめ

  • 頭にみんな入ったらいいな

  • 【万能鑑定士Qシリーズ】
    人の死なないミステリ。
    莫大な知識でピタリと当てる、千里眼の如く冴えわたる推理。
    主人公 凛田莉子が悪をバサッと成敗するどれも痛快なお話です。
    人間関係も連続していて、恋の行方は…
    気軽に楽しく読めます。

  • 面白くて一気に読める。いくつか図が描かれているのも分かりやすい。莉子と小笠原のコンビが好き。

  • 久々に読んだこのシリーズ。ヨードチンキと化学反応,グレーとJAFCA

  • 莉子のもとに届いた怪しい宝石鑑定イベントへの招待状。スルーするつもりだったけど、警察の頼みで仕方なく出場することになってしまった莉子は…。
    作者さんの別作品の【特等添乗員α】シリーズの主人公が出てきた。ぱきぱきしててかわいい。この作者さんの本、他の作品のキャラもちょいちょい出てくるから、読んでると他のシリーズも読みたくなってくる。

  • 宝石鑑定の大会に挑み、大会のトリックを見破る莉子がとても格好良かった。

  • 絢爛豪華な宝石鑑定イベントに潜むトリックに挑む

  • ロジカル・シンキングにラテラル・シンキングの添乗員。
    添乗員も別シリーズがあるようで楽しみ。小笠原さんとの関係も緩く進んで、事件もラストはハッピー。事件簿シリーズに引き続き楽しめそう。

  • 高校までどん底の成績だった、人の住む日本最南端の島で育った天然少女である凜田莉子が、持ち前の感受性で五年で驚異の頭脳派に成長し、色々な謎を考える間もなく瞬時に解く様子にわくわくした。コンビニ強盗の消えたナイフとお札や宝石鑑定等。表層のキャラクターを楽しむにとどまり物語にはあまり入り込み切れなかった。

  • 高校までどん底の成績だった天然少女、凛田莉子。沖縄から上京後、感受性を学習に役立てるすべを知り、わずか5年で驚異の頭脳派に成長する。次々に難事件を解決する莉子のもとに、怪しげな招待状が舞いこんだ。絢爛豪華な宝石鑑定イベントに潜む巧妙なトリックを解き明かせるか。

  • 読書録「万能鑑定士Qの推理劇1」3

    著者 松岡圭祐
    出版 角川文庫

    p126より引用
    “「ジンジャーエールで有名なウィルキンソ
    ン、ジーンズのエドウィン。ドトールコー
    ヒー、ナポリタン、エビのチリソースに天津
    飯。どれも外国じゃなくて日本の発祥だが、
    ご存じかな」”

    目次から抜粋引用
    “遡ること五年
     一テラバイト
     三毛猫
     独占インタビュー
     名誉”

     多方面に対する膨大な知識を駆使する美人
    鑑定家を主人公とした、長編ミステリ小説。
    新シリーズ。
     石垣島から飛び立った旅客機の中で、突然
    男の声が響いた。語られるその内容は、乗客
    に不安を抱かせるに十分な物騒さを含んでい
    た…。

     上記の引用は、主人公が以前知り合った鑑
    定家の言葉。
    どうりで、エビチリや天津飯が口に合うはず
    です、おおよその日本人に向けて作られた味
    付けなのでしょうから。それにしても、コー
    ヒーチェーンまで日本発祥とは思いませんで
    した。
     新シリーズ第一弾、少し雰囲気が変わった
    気がします。
     同著者の他作の主人公がゲスト出演します、
    この主人公とはまた一味違ったキャラクター
    で、話を盛り上げています。

    ーーーーー

  • 〇 総合評価 ★★★★☆
     万能鑑定士Qの別シリーズ。莉子が上京するシーンから描かれている。全体の作りは,このシリーズらしく,短編集のような構成。序盤は,莉子の状況から,チープグッズでの修行のシーンが描かれる。それから角川書店での騒動を解決し,後半は宝石鑑定トーナメント。それから,アパレル業界の流行色を利用した詐欺へと続く。
     宝石鑑定トーナメントのメイントリックが,万能鑑定士Qの事件簿Ⅸのモナ・リザの鑑定の際に,莉子が陥った罠と同じである点は,ややマイナス。あと,少し詰め込み過ぎとの印象はある。その分,展開はスピーディ。万能鑑定士Qの事件簿シリーズを1から12まで読むのは大変という人には,シリーズ入門としていいかもしれない。そういう意味では,事件簿シリーズで最も好評であるⅨのメイントリックを流用しているのも,作者の計画のうちなのかもしれない。
     自閉症の娘という部分は,マジシャンにつながる部分もある。全体的に見て,傑作とは言えないが良作。登場人物である槌谷廉,浪滝琉聖,蓮木愛美,宇城颯馬などの登場人物は,もう少し掘り下げてほしかったところはあるが,それなりに魅力的ではある。雨森花蓮が,絶対に関わるなと莉子に言っていた,孤比類巻(コピア)という贋作士がちらっと出ているのも面白い。
     トータル評価としてはギリギリ★4。万能鑑定士Qシリーズ全体を俯瞰する作品としておすすめできる作品

    ◯ メモ
    ◯ プロローグは,凜田莉子が沖縄から東京に上京する飛行機のシーン。飛行機は,危険物を積んでいるという謎のMDからの音声の影響で,東京ではなく北海道にフライトする。莉子はこの飛行機で槌谷廉という人物に出会う。
    〇 上京したばかりの凜田莉子。就職活動に失敗し,チープグッズでアルバイトを始める。チープグッズで成長していく様子が描かれる。
    〇 現在の沖縄での事件が描かれる。沖縄で,槌谷と再会する。莉子は槌谷の悪事(ガリウムのナイフと郵便を利用した強盗)を暴く。更に,上京するときのハイジャック騒ぎの犯人が槌谷であることも暴く。
    〇 角川書店のパーティで,騒ぎが起こる。クロークのスーツにナイフを突きつけられたという騒ぎと,専務のネックレスが無くなった事件。警備員をパーティ会場に連れてくるのが目的。警備員がいなくなったところを狙い,HDDのデータとコミックの見本本などを盗んでいた。オクタゴン習志野店という店が黒幕。莉子の機転で犯行を暴く。
    〇 莉子は,ゴールデン・プログレス協会の宝石鑑定トーナメントに参加することになる。浪滝琉聖が黒幕。蓮木愛美という女性鑑定家を日本一の宝石鑑定士の座から引きずり落そうとしている。
    〇 宝石鑑定トーナメントのルールはカプセル入り玩具販売機を使ったもの。出てきた宝石を30秒で鑑定するというルール。愛美と莉子は誤答ゼロで1回戦を突破する。
    〇 愛美の部屋でのトラブル発生。不穏な空気。小笠原は謎の暗号文を見つける。莉子は,このトーナメントのからくりを見つける。カプセル入り玩具販売機は,出てくる順番を調整することができる。例えば,先行(本物を選ぶ)に全て本物が出てくるようにすれば,先行の人が選んだ皿には本物しか乗らず,正解率は100パーセントになるというからくり。
    〇 莉子は愛美を説得するが,愛美は聞かない。決勝で莉子と愛美が対戦する。莉子が勝つかと思われたが…愛美が誤答ゼロで優勝する。
    〇 莉子はロンドンである御前鑑定に罠があるかと思い,ロンドンに向かう。国境で足止めされそうになるが,浅倉綺奈に会い,綺奈のラテラルシンキングで救われる。莉子達がフェリーに駆け込み乗車をしたために,チケットを購入した時間が,出港した時間より後になっていたことが疑われていた。
    〇 愛美は御前鑑定で宝石をイミテーションと鑑定する。トーナメントは愛美から正確な鑑定眼を奪うための罠だった(万能鑑定士Qの事件簿Ⅸのモナ・リザのときと同じトリック)。莉子からの説得を受け,愛美は御前鑑定にもう一度挑戦し,参加を許される。
    〇 愛美を失脚させるという浪滝琉聖の計画は失敗。浪滝琉聖は自閉症の自分の娘のために,莫大な金が必要だった。そこで,アパレル業界を利用した計画をしかける。グレーの生地を買い占め,日本流行色協会のアンケートをすり替え,グレーを流行色にするという計画だった。オクタゴン騒ぎの黒幕も浪滝琉聖。印刷業界全体に揺さぶりを掛け,データを差し替えさせることが目的だった。
    〇 浪滝琉聖は,偽の宝石づくりを,孤比類巻(コピア)に頼んでいた。複製とはひとつだった本物が二つに増えることに過ぎない,とうそぶく男
    〇 莉子は,オクタゴン習志野店の店長のもとに送られていた100万円の札束の帯紙から,浪滝琉聖の居場所を暴いた。
    〇 最後は波照間島での宴会。莉子,小笠原,宇城,愛美が参加している。莉子と小笠原はいい雰囲気

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著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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