特等添乗員αの難事件I (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.90
  • (150)
  • (282)
  • (169)
  • (17)
  • (4)
本棚登録 : 2019
感想 : 198
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (278ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041002025

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 掟破りの推理法で真相を解明する水平思考ーラテラル・シンキングに天性の才を発揮する浅倉絢奈、22歳。新人ツアーコンダクターとして国内外を飛びまわる彼女は、旅先で発生するトラブルから難事件まで、予想もつかない手段で瞬時に解決する。中卒だった彼女は如何にして閃きの小悪魔と化したのか?鑑定家の凛田莉子、『週刊角川』の小笠原らとともに挑む知の冒険、ここに開幕。

  • 絢奈はラテラルシンキングの天才。
    でも、実生活にはなかなか生かされていなかったので、中卒でアルバイトも続かない、というマイナス面だけで見られてしまい親と姉にも面と向かってバカにされていてかなり最初は可哀想だし、親と姉にかなりムカつきます。
    姉は確かに努力して人気キャビンアテンダントになったかもしれないけど、一次試験で落ちていたものを手を回して二次試験を受けさせて、試験後に「受かるわけないでしょ」ってバラすってどんな意地悪?って感じ。
    妹を想って、と言っているけど、余計なお世話だし何をしたかったのかが不明。
    後にアドバイザー兼恋人になった一条と知り合ったきっかけになったとはいえ、姉に関してかなり嫌な印象を持ちました。なので、一条が母親と姉を怒鳴りつけたのは良かったと思います。

    事件は添乗員試験に受かった絢奈が旅行業界を巻き込む大きなもので、色々旅行知識など面白かったです。

  • ロジカル・シンキングの凛田莉子に対し、ラテラル・シンキングの浅倉絢奈。自由な発想と閃きを得意とし、常人が考えつかないような方法で難問を解決する。これも、万能鑑定士Qシリーズと同様、面白くてワクワクしそうなシリーズ。

  • 〇 評価
     サプライズ ★☆☆☆☆
     熱中度   ★★★☆☆
     インパクト ★★★☆☆
     キャラクター★★★★☆
     読後感   ★★★★☆
     希少価値  ★☆☆☆☆
     総合評価  ★★★☆☆
     万能鑑定士Qシリーズの番外編的作品。この作品では,浅倉絢奈と壱条那沖の出会いと,かつて壱条那沖の家庭教師であり,現在は運転手をしている能登厦人から絢奈がラテラルシンキングの教育を受けるシーンなどが描かれる。
     凜田莉子も落ちこぼれだったが,浅倉絢奈も落ちこぼれという設定。中卒で引きこもりでニート。CAで優等生の姉がいて,母親からも姉ばかりひいきされており,姉もその立場に甘んじているという環境
     偶然,壱条那沖と出会い,ラテラルシンキングの才能があると見抜かれ,能登厦人の教育を受ける。この能登厦人という人物のキャラクターが秀逸。絢奈を見事に教育する。
     ラテラル・シンキングは水平思考とも訳されるが,ラテラル・シンキングの一環として,「頭の体操」のようなとんちが効いた問題が,問題そのものとして出されたり,エピソードとして紹介されるなどしている。
     既に人気シリーズだった「万能鑑定士Q」シリーズのスピンオフ的位置付けとして,凜田莉子,小笠原悠斗,葉山警部補などが登場する。これらの人物と壱条が絡み,その中で浅倉絢奈が急成長していく。展開の速さは,万能鑑定士Qの推理劇1に近い。
     メインとなる謎は,レヴィアタンという観光業界に住み着く詐欺師との対決。タヒチのコランティーヌ島で凜田莉子がピンチに陥り,浅倉絢奈がラテラル・シンキングでそのピンチを回避するというオチ
     全体的に見て「よくできた話」という印象。謎に深みはないが,キャラクターが生き生きしており,十分楽しめる。軽いノリの作品だが,最後まで一気によめるエンターテイメントの教科書のような作品。欠点としては,万能鑑定士Qシリーズの登場人物を出していることもあるが,オリジナリティの薄さ。1作目からして既にマンネリ感が出るほど,万能鑑定士Qシリーズと同じテイストである。総合評価としては★3だろう。

    〇 メモ
     厚生労働省の若きプリンス「壱条那沖」の失態。ニコノヤという食品会社がウガンダから黄色に熟したバナナを安く買っていると考え,ある倉庫をがさ入れするが空振りに終わる。この失態で,壱条は厚生労働省から観光庁へ異動する。
     浅倉絢奈と壱条那沖の出会い。株式会社クオンタムという添乗員派遣会社の採用試験に挑戦していた絢奈と視察に来ていた壱条が偶然に出会う。バーで酔っ払っている絢奈に再会した壱条は,絢奈の言葉からニコノヤがバナナを隠していた倉庫の場所を突き止める。壱条は自分の家庭教師だった能登厦人に,絢奈にラテラルシンキングの教育を施すように依頼する。
     絢奈はラテラルシンキングの才能を発揮し,骨董品泥棒は,売り主が売ってしまった偽物と本物をすり替えたという真相などを解明する。また,壱条が海上保安庁から相談を受けたフェリーに乗り込んだ未成年の謎(フェリーの乗組員と友達になり,乗組員がその少女に変装していた)を解明する。
     絢奈は,能登の勉強の効果があって,株式会社クオンタムの採用試験に受かる。国内だけでなく国外の添乗員の資格も取り,イギリスのドーヴァーでは凜田莉子と小笠原悠斗と出会う。
     絢奈と儒瀬樹里は旅行会社ヴェルデに派遣される。その会社で詐欺に合う。その詐欺を絢奈が暴く。詐欺は集団でされており,リーダーはレヴィアタンという人物。
     些細な誤解から絢奈と壱条にトラブルが生じる。壱条は絢奈の家に行き,絢奈に告白をして連れ戻す。
     莉子と絢奈は,レヴィアタンがいるというタヒチのコランティーヌ島に向かう。コランティーヌ島では莉子が罠にあい,聖母像を壊した犯人にされそうになる。絢奈は機転によりレヴィアタンの正体を暴く。
     絢奈は株式会社クオンタムの社長から「特等添乗員α」と命名される。
     最後はロシア連邦議会の議員ら17人のツアーに同行し,姿を消したスタニスラーフ・アスラモフを絢奈が発見するというシーン
     

  • 人とは違う着眼点と発想で事件を解決する新人ツアコン浅倉絢奈。中卒落ちこぼれだった彼女を導いたのは厚生労働省から左遷されて観光庁勤務となった壱条那沖とその恩師能登先生。鑑定家の凛田莉子や小笠原も出てきて、安心して楽しめた。絢奈の家族の性格の悪さに引いた。姉が優秀で妹が落ちこぼれでもその態度はないだろ。壱条さんと能登さんと出会えてよかったね。読み進めるのが楽しみなシリーズ。

  • ラテラル・シンキングを売りにしてるけど、ただただ突飛な発想のようで思考の過程がわからないから、フェアじゃないミステリーみたいな感じがする。

  • 万能鑑定士のスピンオフ。
    向こうの主人公の莉子がおっとりしている性格であるため、
    浅倉絢奈の性格についていくのが難しかったし、自己中な主人公だとも感じた。
    ところが、不思議な事に、物語が進んでいくうちに彼女の魅力が溢れてきた。
    普段は適当そうにしているが、内面の繊細さは実にみずみずしい。

    彼女は才能を肯定してもらえなかったが、彼との出会いで変化した。ある意味シンデレラストーリーかもしれない。

  • 意外と面白かった。ラテラル・シンキングか。

  • 万能鑑定士シリーズよりも糖度高め。
    壱条さんの格好良さはこの巻が1番かも?

  • いつもながらこの人の著作は全体的に大げさだけど、娯楽として読むには手頃。あまり細かいところは気にしちゃいけません。

全198件中 41 - 50件を表示

著者プロフィール

1968年、愛知県生まれ。デビュー作『催眠』がミリオンセラーに。大藪春彦賞候補作「千里眼」シリーズは累計628万部超。「万能鑑定士Q」シリーズは2014年に映画化、ブックウォーカー大賞2014文芸賞を受賞。『シャーロック・ホームズ対伊藤博文』は19年に全米翻訳出版。NYヴァーティカル社編集者ヤニ・メンザスは「世界に誇るべき才能」と評する。その他の作品に『ミッキーマウスの憂鬱』、『ジェームズ・ボンドは来ない』、『黄砂の籠城』、『ヒトラーの試写室』、「グアムの探偵」「高校事変」シリーズなど。

「2023年 『高校事変 16』 で使われていた紹介文から引用しています。」

松岡圭祐の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×