悪党 (角川文庫)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041004715

作品紹介・あらすじ

探偵事務所で働いている佐伯修一は、老夫婦から「息子を殺し、少年院を出て社会復帰した男を追跡調査してほしい」という依頼を受ける。依頼に後ろ向きだった佐伯だが、所長の木暮の命令で調査を開始する。実は佐伯も姉を殺された犯罪被害者遺族だった。その後、「犯罪加害者の追跡調査」を幾つも手がけることに。加害者と被害者遺族に対面する中で、佐伯は姉を殺した犯人を追うことを決意し…。衝撃と感動の社会派ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  •  被害者遺族と加害者の問題。赦しとは、更生とは何か。犯罪者は何をすれば赦してもらえるのか。その答えは簡単に出ないが、ここから『Aではない君と』で更生への1つの道標が示されたと思うとグッとくるものがある。仕事として犯罪者の弁護を引き受け量刑を軽くするために闘ってきた弁護士が、自らの娘が被害者となったことで過去に担当した犯罪者に贖罪の気持ちを芽生えさせようとするくだりに様々な思いが浮かぶ。加害者が自らに課した罰と、その罰を否定することで贖罪へ向かわせようとする弁護士の行動はどちらが良いとも言い切れない。

  • 探偵事務所で働いている佐伯には姉を殺された過去がある。
    ある時、事務所を訪れた老夫婦から、息子を殺した男が少年院を出たので調査して欲しいという依頼を受ける。
    そして、その後は所長の木暮が犯罪加害者の追跡調査を売りにし始める。
    佐伯は自然と姉を殺した犯人を探し始める。
    家族を殺された遺族は、その犯人を赦すことは出来るのだろうか。
    そして、加害者たちの反省はどういうことで示されるのか…難しいテーマだと思う。

    2024.3.25


  • 薬丸岳さん!って感じの内容。社会派ミステリーなので考えさせられることが多い。
    犯罪被害者遺族はどうしたら犯人を許せるのか。許せる時なんて来るのだろうか。って自分に置き換えて考えてしまった


  • いろんな事件の判決をニュースで見るたびに日本の司法は犯罪加害者に甘いなと思う。

  • 読みやすく面白い

    探偵 佐伯修一の元に入る依頼を1章の区切りとして展開していくため短編が集まったような構成
    ただ短編と言いつつも話が大きく変わるわけではなく佐伯が向き合い続けている姉の事件への誘導になっており、結末の説得力があった

    服役を終えた人間のどんな姿を見て『赦す』とするのか
    善良な人間として直向きに働いていたら
    きっとそんな姿を見ても、『赦す』とはならないと思う

  • 重いテーマ。
    罪を犯す方にも
    犯された方にも
    傷は残ります。

    人を傷つける人にはなりなくないなぁ。


  • 15年前に姉を殺された主人公(佐伯)が、
    探偵として働きながら加害者たちを探し出し、
    犯人に姉が感じた以上の絶望と苦しみを
    味合わせて復讐を遂げようとする。

    大切な人を失った瞬間から、心が死んだように
    変わってしまった遺族たちはどんなふうに
    犯人が変われば赦すことができるのか。

    そもそも大事な人の命や尊厳を奪い、その後、
    生き続ける相手を赦すことはできるのか。

    憎しみと悲しさを抱え続ける主人公や被害者
    家族たちが、救われるまでの心の葛藤の物語。











  • 読書をしていると度々投げかけられる少年法と何を持って赦すのか。
    こちらもそう問いかけてくる作品。
    勿論、軽い内容ではありませんが、それでもつい吸い寄せられるお話で殆ど一気読み。
    姉を亡くした主人公が持つ恨みの炎がどう決着つくのかは、読んで是非楽しんでほしい!
    一連の中で主人公が得たモノにも注目です。
    ラストシーンが本当に好きです♡
    初読み作家さんでしたが、他のも読んでみたくなりました。

  • 私だったら赦せるだろうか。

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著者プロフィール

1969年兵庫県生まれ。2005年『天使のナイフ』で第51回江戸川乱歩賞を受賞しデビュー。2016年、『Aではない君と』で第37回吉川英治文学新人賞を受賞。他の著書に刑事・夏目信人シリーズ『刑事のまなざし』『その鏡は嘘をつく』『刑事の約束』、『悪党』『友罪』『神の子』『ラスト・ナイト』など。

「2023年 『最後の祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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