シャッター・マウンテン (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 151
感想 : 17
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041017630

作品紹介・あらすじ

北アルプス、“瞑りの楽園”に突如起こった地滑り。山小屋の経営者久作らは、山のいつもとは違う不吉な気配に戦いた。蝙蝠や蜻蛉の大量発生、幽霊の目撃談。次々と起こる不可解な出来事、ついに死者が--。

感想・レビュー・書評

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  • 山岳写真のような美しい描写と、圧倒的な自然の脅威。小石のように翻弄され、命を落とす人間。
    エネルギー量がすごい。息が止まるようなシーンが次々展開されます。
    幽霊出てくるんですが、最初幻覚を見せるようなガスが山に発生したんだと思ってました。オカルト要素は入ってほしくなかったかな。人間の情なんか一顧だにしない自然の力で十分震え上がってるのに。

  • 前作2作品を読み、この作品を読み始めてから、作者がお亡くなりになったと知りました。

    内容については、好き嫌いが分かれる作品だ思います。かくいう私も、SFホラーっぽい内容に途中からお腹いっぱいになりました。

    作者の山の描写が素晴らしい分、佳代子や少女の現実離れした存在感が、時にやりすぎというか鬱陶しく感じてしまいます。

    ただ、作者の表現力の豊かさにより、どのシーンも情景が浮かんできます。これがこの作品のすばらしさではないかと感じました。

    もっと多くの作品を読んでみたかったです。

  • 「恐い。やめられない!」という、

    この帯をみたら買わずにいられなかった。。。



    北アルプス、漆沢渓谷は、登山客たちで賑わっていた。

    山小屋の経営者、久作は、いつもとは違う不吉な気配を感じつつ、

    愛犬を連れて湖に釣りに出かけた。

    日も暮れて、帰ろうとしたとき、

    岸辺から10メートルと離れていない湖面に妙なものが浮かんでいた、

    愛犬は、それに向かって吠え始め、

    目を凝らしてその正体を見極めた時、久作は息をのんだ・・・





    蝙蝠や蜻蛉の異常発生、

    写真に写りこんだ見知らぬ男、

    次々と起こる不可解な出来事、

    そして、ついに死者が・・・・!



    読み進めるにつれて、山の緑の新鮮な匂いが

    雨に濡れた土の臭い、得体のしれない臭いに変化していくような・・・

    不気味でゾクゾクする感じがたまりませんでした。



    確かに、これは、上質なホラーです。

  • 最後の最後まで手に汗握るようなホラー・サスペンス小説。

    北アルプスの漆沢渓谷で次々起きる自然の猛威と怪異…山小屋を営む田沼久作、渓谷のホテルを訪れた梶間夫妻、礒崎老人を中心に先の読めないドラマが展開していく。

    畳み掛けるように描かれる人間に対する自然の反乱の数々にSFなのだろうか、パニック小説なのだろうかと混乱するのだが、さらには心霊現象が描かれ、ますます混乱を極める。しかし、少しずつ真相が明らかになるにつれ、恐怖を感じながらも、混乱から解放された安堵感を覚える自分が居た…北林一光さんの作品に共通するのは、作中に描かれる迫力のある自然描写とそこから伝わる自然への畏怖と愛情であろう。

    本作は、北林一光さんの最後の作品であろう。デビュー作の『ファントム・ピークス』は夢中になって読んだ傑作だった。しかし、『ファントム・ピークス』の解説で北林さんの訃報を知り、まさか次作の『サイレント・ブラッド』が出版されるとは思わなかった。さらに本作の『シャッター・マウンテン』を読める喜びと驚きは、言葉で表現することが出来ない。

  • シャッターマウンテン…山から出られなくなり怪異や自然の猛威が襲って来るホラーサスペンス?な1冊でした


  • 舞台が山だからあり得なくもない気がして怖かった。
    実際にあったと言われてもおかしくないような…
    怖面白かったです。

  • 2019#23

  • 「ファントム・ピークス」「サイレント・ブラッド」がおもしろくて、でも著者の北林さんはもう亡くなられてしまっていたので、他の本は読めないんだろうなぁと思っていたら、まさかの第三弾が出ていましたか!

    一も二もなく買ってきましたが、これはちょっと……。
    もともとオカルト? 心霊現象的な話が好きではないので、「ああ、そっちか…」とガッカリしてしまいました。

    なんとかがんばって最後までは読みましたけど。

  • 2015年10月

  • これはホラーなのかな?けっこう面白かったです。

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著者プロフィール

長野県生まれ。映画の宣伝プロデューサーを経て、執筆活動に入る。第12回松本清張賞の最終選考に残るも、癌を発症。惜しまれつつ他界。本作は前作「ファントム・ピークス」(角川文庫)に続く、最期の作品。

「2011年 『サイレント・ブラッド』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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