新訳 ジキル博士とハイド氏 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (144ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023259

作品紹介・あらすじ

ロンドンに住む高名な紳士・ジキル博士の家に、ある時からハイドという男が出入りしている。彼の評判はすこぶる悪い。心配になった親友のアタスンがジキルの様子を窺いに行くと……。

感想・レビュー・書評

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  • 以前も数回読んだことがある。
    善と悪のバランス・理想や抑圧・社会的な顔と人間としての顔。
    様々な要素が絡んでいる。
    結局、ジキルそのものが利己的なように読める。
    決して「ジキルが善」として描かれていないところが、ミソな気がする。
    人当たりは良いけれど、彼の言動には身勝手なところがある。
    何度読んでも面白い。

    いつも解説を読まずに、純粋な感想を書いているのだけれど、今回、解説を読んで、「男色」という視点からも楽しめる作品なのか、と一層興味がわいた。
    確かに、作中にちょこちょこと性的なものを想像させる言葉が使われているな、とは思っていたけれど、当時の社会的な背景を思いながら読むと、面白さが増すだろうな。
    つまり、まだまだ再読の価値あり、ということだ。




    2003.9.11
    やりたいほうだいのことを一度してしまうと、くせがついて二度とまともな状態にはなれない、ということだろうか。ジキル氏は、自分が今までかくし、おさえてきた感情に身をまかせて、ダメになってしまった。ちょこちょことその欲求をみたしてきていたらよかったのかもしれない。我慢し過ぎはよくない。良い行いをふんだんにして、背も高くなったジキルは、その背と同じだけの欲求をかかえていたのかもしれない(ちょっととんちんかんな文章だ)ようするに、バランスが大切。かたよりすぎるのは、よくない。


    1999.2.21
    話の大筋は以前から知っていたのだが、展開の形式が興味深かった。ジキルの心と、ハイドの心の差が、伝わってきた。善と悪という人間の2つの姿がくっきりと浮かび上がっていて、面白かった。私が思うに、高尚な理想は、かえって人をダメにしてゆくのではないか。私は、目的性や厳しさを否定しているのではない。ただ、何事も、やはり中庸が大切なのだ、と思う。ジキルが自分の享楽性を認め得たなら、こうはならなかったのではないか。

  • 善のままで生きたいという気持ちと、自分を抑えずに自由に生きたいという気持ちはどちらもある。
    そして、それぞれの性格に異なる外見を与えて、さも別人のように仕立ててしまったのが面白い。
    最後の告白文には共感する。

    訳者あとがきで、男色の話だと書いてあったが、自分は全く気づかなかったので、時間がある時にまた読み返してみたい。

  • 非常に有名な作品。○○○○ものの代表的な作品ですね。
    オチは分かってはいたものの、単純にストーリーが面白く、ページ数も少ないので、一気に読めた。
    ミステリとしてもSFとしても読めて、自分の好みに合いました。

  • オチを知ってても楽しめる!
    短いので手軽に読めました。

  • 洋書を読むことがあまり得意ではない私でも読み切ることができました。
    かなり短いですが、二重人格を題材にした怪奇小説ということでとても面白かったです。
    この小説が由来で、ドラえもんには服用した人間の性格が逆転する、ジキルハイドという道具があります。

  • 先日読んだ、『幻想古書店で珈琲を 4 』で、この本のことが書いてあり、そーいえば題名と なんとなくの内容を知ってるけど、ちゃんと読んだことなかったなと思い読了しました。
    が、なんか翻訳が私には合わず、内容が入ってこなかった。あと、若い頃に何も知らずにネタバレしないで読んでみたかった!
    そしてそして、訳者さんのあとがきを読んでびっくりしたので、他の訳者さんのでも読んでみたい。

  • オチは軽く知ってたせいか、どうやってバレるんかが気になりながら読んだ作品。
    オチ知らんかったら途中でよう分からんってやめてたかもなので、それはそれで良かったと思う。

  • ミュージカルを観てそういえば原作を読んだことないなと気づき読んでみることに。まず本自体の薄さにびっくりし、登場人物も10人に満たないくらいのとても短編。舞台上ではエマやルーシー、殺された理事会のメンバーなどのキャラクターがいるが、この中で原作に登場するのはカルー卿(しかも殺されるだけ)のみ。
    今でこそ「ジキルとハイド=二重人格」という意味合いで使われているが、読んでみると薬で身長や顔つきが別人になる様子が描かれている。友人の弁護士アタスンの視点で(ハイドの姿の)ジキルが死んでからは手記と手紙によってその経緯が語られる。
    訳者あとがきで「当時の視点からすると同性愛(当時の法律では違法)と取られる描写」という記述があった。確かに最初から一人だと理解している頭で読むのと、突如知らない名前の人物が親友以上の扱いをされる状態のアタスンでは受け取り方が全然違うとは思った。これはこれで新解釈なのでその視点でもう一度読み直してみたいと思う。


  • 有名な話だとは知っていたものの今の今まで読んだ事がなく、とあるノベルゲームから興味を持って読んでみた。

    軽く調べただけで思い切りネタバレを食らったため、面白さは半減したと思う。
    何も知らずに読めばもっと夢中になっていた事だろう。

    訳者のあとがきは少し余計に思えなくもない。
    まさか男○の話だとは、あとがきを読むまで全く思いつかなかったのは私がその時代の歴史について無知なせい?

    人間らしい愚かで悲しい物語だった。
    誰しも心にハイドを飼っている事を忘れてはならない。

  • ネタバレするとハイド氏はジキル博士

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