ウイスキーとダンディズム 祖父・竹鶴政孝の美意識と暮らし方 (oneテーマ21)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (234ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041023723

感想・レビュー・書評

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  • 朝ドラ『マッサン』が大好きでしたので、懐かしく思い出しながら読みました。
    著者は、『マッサン』のモデルである竹鶴政孝氏のお孫さんであるため、どちらかというと成功を収めた後の晩年の祖父の思い出や印象と言った内容に傾倒しておりました。祖父の人としての偉大さ、魅力と言ったものを十分に感じられる一冊であったと思います。

  • 竹鶴政孝に関する本だと知らず、積んでいました。
    マッサンを見た人なら、きっと楽しめると思います。
    「良いものは必ず理解される」
    という信念が、(たとえ間違っていても)その人の力を高めるのだということを感じました。

  • 先に読んだ『ウイスキーと私』が竹鶴政孝の一人称の物語なら、これは孫の孝太郎氏からの三人称の物語。

    経営の視点が強かった一人称の物語に対して、家族の視点、プライベートの視点が中心で面白かった。

    一人称の物語から浮かび上がる豪放磊落な姿をある種裏打ちしてくれる物語。

  • 朝ドラで人気となったマッサン。
    素敵な人だったんだな、と思いました。

  • ダンディな人たらし。 ドラマの『マッサン』とは違う、竹鶴政孝と、コーディネーター力も長けていたという、『リタ』を、孫である筆者が、家庭的な面を中心に描き出した人物像。 戦争期の苦労が本当に切なくて… とか、どこまでドラマのネタバレになってしまうのか(;^_^A そこも楽しみにドラマは観続ける事にしよう。

  • 古書店で入手。竹鶴政孝の孫による祖父の話。推測が多いのが残念だったが、身内だからこそなのか、語っている内容に重みがあった。朝ドラが楽しみになる。

  • 副題にあるようにマッサンこと竹鶴政孝の孫・孝太郎氏の書いた本。同居の孫からみた祖父母である政孝、リタ、家族、工場回りの話で、これがめっぽうおもしろい。最初はなんだ便乗本かと思ったが、なんといっても同居していた人の書いた本である、生の姿が語られる。また孝太郎氏は生まれた環境を「所与のもの」と表現していて、著者は昭和28年生まれなので、リタは8歳の時に64歳で亡くなっているのだが、同級生のおばあちゃんと「違っている」とか「違ってない」とかではなく、もう自分にとって祖母が青い目なのは「あたりまえの普通のこと」なのだとある。

    リタについては、漬物をつけたり、いかに日本人に同化したかと美談風に語られるが、「文化や美意識まで日本人のそれと入れ替えたわけではなく」、わが家といえども自分の部屋から出たら、神の目を意識しきちんとした格好をする、などという生まれ育った流儀を政孝は尊重し、その一方で政孝はリタに遠慮することもなく自分の慣れ親しんだ和の精神と文化を尊んでいたので、「わが家ではふたつの文化が溶け合うことも、反発しあうこともなく」自然な形で共存していたと書いている。政孝は和食を好み、そのためリタは梅干しや沢庵を漬けていたのだが、出張でいない時にはここぞとばかり食卓にはローストビーフなどが並んだという。ただ、父母は大人になってこういう生活になったので葛藤があったと思うが、自分は生まれた時からそうなので、何の不思議も葛藤もなく和の政孝流と洋のリタ流のふたつの流儀が仲良く共存している、と書いている。

    森瑤子の小説の世界では、養女のリマにどうして母の目が青いの?として、母に買ってもらった青い目の人形の目を黒く塗る、という場面が出てくる。本当の子供だったら?とか小説の中だから、というのもあるが、やっと孫の代になって、リタは受け入れられたという気がする。

    孝太郎氏の覚えている、祖母リタから母に伝わったスープや件のクリスマスプディングなどのリタの料理のレシピや、また祖父政孝の毎晩の水割りは孝太郎氏の妹が作っていたとか、まさに暮らしがしのばれる。そして、リタが亡くなった朝「おばあちゃんが死んじゃった、おばあちゃんが死んじゃった」とリビングまで聞こえた声が今も耳に残っているという。そして祖父の亡くなる病室では「文化の違う人間同士が一緒になるのは大変なことだ。わしは、おばあちゃんには苦労をさせてしまった。だからお前は国際結婚はするなよ」であったという。

    著者は15歳まで余市で過ごし、そこでの生活はかなり野性味あふれるものだ。項目に「七光りの葛藤」があるが、著者が就職する昭和50年頃にはすでにニッカは銘柄会社である。結局ニッカに就職し約20年勤め3代目は3代目でいろいろ葛藤はあったようであるが、外国人の祖母を所与のものとして受け入れたのと同じく、基本的にとても素直な性格の人という印象を持ち好感を持った。

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