月夜の島渡り (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 67
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041024720

感想・レビュー・書評

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  • 恒川さん3作目
    沖縄を舞台にした
    異世界ワールド

    オムニバスが7話の
    妙な怖さと余韻が
    不思議と心地良い作品たち

    沖縄に行きたくなります。

  • 2015年34冊目はパラボスアウォード常連恒川光太郎の短編集(気になる方はコチラを参照してください。→ http://togetter.com/li/840283 )。全て沖縄を舞台にした全七編。

    では、極々簡単にあらすじ&感想を……。

    弥勒節:青年が老女から受け継いだ、特殊な霊力を持つ胡弓にまつわる物語。
    全体のオープニングの役割も果たしている一編。

    クームン:クームンという妖怪(?)の話。
    少年期の淡い想い出が現在へと……。

    ニョラ穴:洞窟に棲むニョラという化物にまつわる男の手記。
    ニョラの魔力?最後はモヤっとフェードアウト。

    夜のパーラー:深夜二時まで営業のパーラーの店員と客にまつわるモノ。
    七編の中では、比較的、王道ホラーな一編。

    幻灯電車:特殊な霊的体験とその後のイビツな家族像。
    キャラ設定はイイが、全体としては、少し弱い印象。

    月夜の夢の、帰り道:幽霊のような女性に父の死を予言された少年はその後……。
    なんとなく、展開は読めたが、コレもラストは様々な捉え方が出来る。

    私はフーイー:異国から渡ってきた霊力を持つ女性の憑依的転生譚。
    ハードカバー時の表題作。全体のエンディングであり、オーラスはメッセージなのかな?

    「クームン」「ニョラ」「フーイー」等、本書中でも独特の語感センスは光ってる。しかも、沖縄の地言葉との相乗効果まである。

    今回はそれぞれ、30、40p程度にまとめられていて、テンポ良く読める。また、ヴァラエティーも豊富。一方で、ハズレはないが、コレ❗という綺麗な長打もない印象。その中で、読後感があまり良くないホラー「夜のパーラー」が一番好みかな。作者の他の作品と比べ、ハードル上がり、★★★☆☆。

    いや、夏まで読むのを待った1冊だったが、熱帯夜(今夜は涼し目)の読書にチョイスしたのは、我ながら正解。←自画自賛とも言う。

  • うーむ...いつもの恒川さんの幻想的なホラーが読みたくて、期待して購入しましたが....。
    ただ人間の汚さが全面に出ているといいますか...幻想的な雰囲気があまり無いです。

    弥勒節が良かったです

  • 「弥勒節」
    「クームン」
    「ニョラ穴」
    「夜のパーラー」
    「幻灯電車」
    「月夜の夢の、帰り道」
    「私はフーイー」

    「ニョラ穴」はまあまあ。そのほかはイマイチ。
    こんなにもオチのない小説を書く作家だったかなー・・・。

  • なぜ「わったー」を一人称で使うのか、それが気になって釈然としない。
    しかも全ての話に出てくる。
    うっかりミスなのか?わざと?

  • ゆっくりと忍び寄ってくる恐ろしさ。
    この世界観が堪らない。
    「クームン」と「私はフーイー」が好き。

  • 沖縄を舞台にした風土感のある幻想譚7編でした。優しい筆致の中に理不尽な現実やいつも近くに潜んでいる死が常に見え隠れしていて、登場人物たちのすぐそばにある異界の優しさも怖さも引き立てています。
    幻想譚と言うべき物語が多い中で、「夜のパーラー」は格別の怖さ。

  • 一見穏やかで陽気で楽しげな…その裏に潜むものもののお話。
    こういう系統のお話はとっても好みです。

  • 恒川先生の少し怖くて不思議と懐かしい作風?が好きです。
    夜のパーラーはゾクッとした!

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著者プロフィール

1973年東京都生まれ。2005年、「夜市」で日本ホラー小説大賞を受賞してデビュー。直木賞候補となる。さらに『雷の季節の終わりに』『草祭』『金色の獣、彼方に向かう』(後に『異神千夜』に改題)は山本周五郎賞候補、『秋の牢獄』『金色機械』は吉川英治文学新人賞候補、『滅びの園』は山田風太郎賞候補となる。14年『金色機械』で日本推理作家協会賞を受賞。その他の作品に、『南の子供が夜いくところ』『月夜の島渡り』『スタープレイヤー』『ヘブンメイカー』『無貌の神』『白昼夢の森の少女』『真夜中のたずねびと』『化物園』など。

「2022年 『箱庭の巡礼者たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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