- Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041025079
作品紹介・あらすじ
アメリカ大統領襲撃の映像がアノニマスグループ「Zero」によってネットに流出した。彼らは世界最大級のネット企業、フリーミーを告発するための組織で――。ドイツ発、圧倒的リアリティの社会派サスペンス。
感想・レビュー・書評
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マルク・エルスべルグ『ゼロ (上)』角川文庫。
近未来社会派サスペンス小説の上巻。
近未来というよりも現代最先端のIT技術に基づいたリアリティあふれる社会派サスペンス小説と言った方が正解かも知れない。
着想は面白いが、ストーリーは今一つだろうか。
SNSやネットの世界では個人情報の匿名性が失われ、いつ犯罪に巻き込まれるか解らない問危険な状況に陥っている。IT技術の進歩にセキュリティや法令が追い付かないのだ。個人のメールアドレスなどは絶対にネットショッピングの会社などから流出しているのだろうし、我々が使用する検索エンジンやアプリの履歴と個人情報がネット企業に商業目的で利用されているのだろう。
家族を伴い、ゴルフ場で休日を楽しんでいたアメリカ大統領をカメラを搭載したドローンが襲撃し、その様子がリアル配信される。犯行を行ったのはアノニマスグループの『Zero(ゼロ)』で、彼らはビデオでネット社会の問題点を伝え続ける。
デイリーの記者シンシア・ボンサントが大統領襲撃事件を取材する中、娘のヴィオラの同級生がシンシアのスマートグラスを使用したことが切っ掛けで凶悪犯により射殺される。
事件の背後には世界最大級のネット企業『フリーミー』の存在があり、『フリーミー』はスマートグラスとアプリを介し、個人情報を収集していた。
本体価格880円(古本100円)
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何の前知識もなしに読んでみたら、ビッグデータや監視社会、愉快犯罪アノニマス集団を描いた近未来(でもないのか?)ハイテクサスペンスものだった( ´ ▽ ` )ノ
びっくりするほど(作者にとって)ご都合主義な展開が続くけど、あんなに何でもかんでもAIの言いなりになるバカってそんなにたくさんいる?……(´ε`;)ウーン…
登録プロフィールやアンケート、自分なんかウソばっかで埋めるしなあ……「これで必ず儲かる! モテルゾ!」なんてアドバイスはいかにも胡散臭いし、仮に信用できても毎度毎度従うのは面倒くさいし……グーグルグラスで視界の端にひょこひょこどうでもいい情報が出てくるのも鬱陶しいし……(´ε`;)ウーン…
それやこれやはともかくとして、登場人物が誰も彼もどっか変で、読めば読むほど違和感が募ってく(>_<)
目の前で友人がXXされたってのに、少年少女その父兄、あまりに淡白すぎない?……(´ε`;)ウーン…
主人公のオバサン(父兄のひとり。ジャーナリスト)も絵に描いたようなOKブーマー(←知ったばかりの言葉を使ってみたかった)なのはともかく、上記のような事情があっても特に深く感じることはないようで、娘をおいて海外出張に行くし、同行の同僚に小娘みたいにときめいてお仕事の方もそっちのけになってるし……あれじゃただのバカじゃん……(´ε`;)ウーン…
要するに、作者の人間描写が極端に拙いように思う(>_<)
しかし、なにより驚いたのは本書の価格で――
8 8 0 円 ですって!?(゚д゚)!!!!!
上下巻合わせて2,000円ちかいじゃん(゚д゚)!
こんな薄っぺらな文庫本なのに(゚д゚)!
よほど版権高かったの?(゚д゚)!
自分はブックオフの110円コーナーで買ったけど、価値的にはそれくらいが妥当なところだと思う。こういう「ハイテク」ものの賞味期限は10年あるかないかだし、人間ドラマとしてはあまりにお座なりな出来だし、読み捨てするにはいくらなんでも880円は高すぎ(>_<)
2019/12/24 -
ドローンがアメリカ大統領を襲撃する映像が、匿名グループ「ゼロ」によってネット上に流出した。ただちにFBIとNSAは捜査を開始。
一方、ロンドンではスマートグラスを装着した少年が指名手配犯を追跡、犯人に射殺されるという事件が起きた。
「ゼロ」の関与を疑うジャーナリストのシンシアは彼らの正体を突き止めるべく調査を始めるが、次第に巨大な組織の影が忍び寄ってくる。
(あらすじより)
インターネット社会でのプライバシーや情報主権についてが主題の超近未来SF。
登場する機械やサービスはすでにあるものがほとんど。
少し違うのは現在より高性能、高機能な点だ。
面白いところは架空のIT企業「フリーミー」があらゆる個人情報を集めて管理してくれて、それをもとにアクトアプリがより良い生活、クールな少年・少女になるためのアドバイスを与えてくれる。
それによって価値(人間格付け)が上がり、その個人のデータを企業がお金を出して買うシステムが出てくるところだ。
個人のパラメーターによってランク付けされるのはバクマン。の「この世は金と知恵」に似てる。
それが価値としてお金になるのは、はじめしゃちょーが炎上した「VALU」に似てる。
フリーミーはIT企業に搾取される個人情報を自分で把握し、価値を高める方向で管理できる点が魅力として書かれている。
それを助けてくれるのがアドバイスをしてくれる各種のアクトアプリ。
分野ごとにアクトアプリがあり、興味のあるアクトアプリをインストールすることで自分を高めるためのアドバイスを貰うのだ。
問題は、「(自称)統計的に算出してる」とはいえアクトアプリのプログラムを書いた人間の意思によって操られているのではないか?
という点だ。
今日のGoogleの検索結果だって「日本」と検索しても人によって表示される結果は異なる。
アップデートを重ねているとはいえ恣意的な情報操作が絶対にないと言い切れるのか?
そんな疑念を象徴するように繰り返されるワードがある。 「ようこそパラノイアへ!」 -
面白い!
近未来はこうなるかも! -
201601/上下まとめて。テーマも設定も面白かったけど、残念ながら主人公含めキャラの魅力に欠けてて、物語展開も惜しい。最初のほうは、場面転換と登場人物の多さに、誰がどこの人だっけ?ってなったけど、どんどん話が進むと、ページを捲る手も早くなって楽しんだ。私はライトなアクトアプリ欲しいけど、それでも依存しちゃうかな?
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IoTが広まり全てがデジタライゼーションされ監視社会となった近未来が舞台、人工知能(スマートマシン)を活用したパーソナルアシスタントサービスが買取を含む徹底した個人情報の収集を行い、その個人をイケテル男あるいは女にプロデュースすることで若い人を中心に人気を集めている。
一方、「データを独占する大ダコは退治しなければなりません、というのが私の意見です」をキャッチフレーズとするアニノマスのような謎のハッカー集団も組織されている。
そこで両者を巡ってミステリーの王道、殺人事件から物語が始まる訳ですが、マイノリティレポートのように殺人事件を予測できないのはともかく、監視社会と呼ばれる前提で、事件後に直ぐに真犯人を逮捕することなく、別の人を警察が追跡するのは話を盛り上げる為とは言え、ご都合主義な印象。
それとも監視社会にも抜け道があることを示唆しているのでしょうか?
上・下共通のレビューです。