男役

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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感想 : 77
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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041025253

感想・レビュー・書評

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  • 宝塚を舞台にした物語を中山可穂が書く、というのは、今までありそうでなかったことだ。
    それが功を奏したかどうかと問われたら、私の答えは・・・。毒気を抜かれた感じがして、こそばゆさが残る。

  • 宝塚版「オペラ座の怪人」
    「清く・正しく・美しく」ではない、もっと内面に食いこんんで欲しかった。

  • ヅカオタの私にはなんと評価していいやら…というところもあるけれど、例えば新公で初主演する下級生の焦燥感や恐怖感、退団を控えた男役トップスターの退団後の人生を余生と感じてしまう感覚などは、なんとなくリアリティがあって納得できた。
    特に生徒の叔父の感慨には共感できた。綺麗なお嬢さん達が、普通に生活していればしないでいい苦労をして、あの特殊な世界で命を削るように頑張っている姿には、憐れみのような感情さえよび起こされる。でも、そんなふうに生きている彼女達だからこそ、年を経るごとにオーラを放つんだろうなぁ。

  • 残念なことに、宝塚に興味がないので
    このテンションに興ざめして読み進めたため、
    さほど楽しめなかった。
    演劇的な要素は感じたけど、音楽的な要素を感じなかった。
    中山可穂なのに。

    宝塚のみなさん、もうちょっと苦労してると思うんで、
    その辺をもっと描いてほしかった。
    じゃないと、結局ご都合主義みたいになっちゃうから。

    ファンファンさんがすぐ手伝っちゃうとか。

  • あとがきを読み、著者の宝塚愛が作品に込められているのだと知った。しかし、宝塚が苦手な私は作品にのめり込めず…。苦手な作品のひとつになってしまったのが残念。宝塚好きな方は楽しめるのではないかと思う。

  • 中山可穂さんのファンです。そして宝塚のファンでもあります。中山氏が若い頃からの宝塚ファンであったこと、演出家を目指し宝塚のアドバイスにより早稲田に入り、その後は他の演劇の道に行かれたことなどがあとがきに、それはとてもとても両ファンにとっては嬉しいものでした。
    8時間に亘り中山氏の読者でもある元男役さんと語り合う機会をもったことでこの小説が生まれたとのこと。もうファンとしてはその元男役さんが誰なのか気になって仕方がありません。
    星ふたつと評価が低いのは宝塚という特異な世界なのでしかたがないことなのですが、宝塚の世界の説明が大きな部分さかれていること、それが私には冗漫に感じてしまいました。
    後半、女同士の愛というより伴に宝塚に青春をかけた二人の愛、年老いこれから死に行く者と若い時に不慮の事故で死んだ者の魂が寄り添っていく姿は宝塚のフィナーレのデュエットとも重なりあい美しい小説となっていると思います。

著者プロフィール

1960年生まれ。早稲田大学卒。93年『猫背の王子』でデビュー。95年『天使の骨』で朝日新人文学賞、2001年『白い薔薇の淵まで』で山本周五郎賞を受賞。著書多数。

「2022年 『感情教育』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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