雪月花黙示録 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.39
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本棚登録 : 705
感想 : 64
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041031841

作品紹介・あらすじ

私たちの住む悠久のミヤコを何者かが狙っている・・・!謎×学園×ハイパーアクション。恩田陸の魅力全開、ゴシック・ジャパンで展開する『夢違』『夜のピクニック』以上の玉手箱!!

感想・レビュー・書評

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  • 薔薇を背負って現れるミッチーとか、日本の夏、緊張の夏とか、もうあまりのかっ飛びぶりが度を超えているこの作品。一本突き抜けた世界にまで行き着くとそれは快感に変わるんだということを実感させられるかのような驚天動地の設定には驚きました。これは面白い!と一気に読み進めました。でもこういう人工的な刺激で無理やり興奮させられる時間というのは長くは続かないものです。次第にその感覚も麻痺してしまいました。かっ飛んだ世界を駆け抜けられる時間は長くないのかもしれませんね。そして、後半に入って残されたページ数が少なくなってきて、これどうまとめるのだろうと思っていたら、あまりにもあっさりとした幕切れ。えっ?と思ってしまいました。モヤモヤ地獄見参!消化不良感が襲ってきました。

    ということでしたが、前半のかっ飛んだ世界に浸れたことは良かったです。この作品は小説を読むというより、世界観を楽しむ作品。テーマパークのアトラクションを楽しむように。アトラクションに意味などないように、その瞬間の享楽に浸るだけ。そう考えるとなんだか結構面白かったかもしれない。今度また、前半だけアトラクションに乗るような感じで読み返してみようかなぁ、そんな風にも思えてきました。

    こういう作品が恩田さんの作品群にあるのも悪くないと思います。というより、よくもまあこんな世界観の作品まで描けるもんだと、ただただビックリです。

  • 2013年作品
    近未来と江戸時代が入り混じった日本という時代の話。
    「ダイオード」は一般的なダイオードとは違う意味で幻想世界を作り出せる装置
    のようである。
    謎の7人の世界を作った末裔が主な登場人物で、セーラームーン的なキャラも出たり、及川光博みたいなキャラが出たりとエンターテーメントを感じる。
    未来は成人年齢が引き下げられ、17歳以下でもお酒や煙草もありのようである。
    何故か、ステルス戦闘機を思わせる近代兵器や時代劇にでる日本刀など石川五右衛門を思わせる斬鉄剣ならぬ、残月刀も出てくる。
    最後は何だったんだろうという、いつもの恩田ワールドで閉じない物語です。

  • 和風SF感が強かった。学園シーンも前半しかなかったから、「学園もの」と聞いていたのでちょっと残念。登場人物の名前は相変わらず素敵でした。「ラノベみたいな作風になってる」と聞いていたので、最後の終わり方に「なるほど、確かにラノベ風」と納得しました。人によっては好き嫌いが分かれるかもしれません。

  • 文句なく面白く、すっかり作品世界にはまってしまった。
    読んでいる間、まさにダイオードの幻影城にいました、私(笑)
    色彩の豊かさ、キャラの濃さ、そしてこのハイテンション。世代的には高橋由美子の『うる星やつら』を観てるみたいな印象。

    残り数ページで、なかなかラストの予想がつかず、もしや『夜の底は柔らかな幻』の再来か?とヒヤヒヤしましたが、余計な心配でございました。

    恩田作品に度々登場する「疫病」の概念。まさに今のコロナ禍と重なり、優れた文筆家は時に予言者となるを実感する。
    頽廃に向かって突き進むように見える今の日本が取り戻すべきは何なのか、幻影から醒めて現実の混沌ぶりも負けてないなと思わされた。紫風たちがいてくれたらな。

    ちなみに、文庫ではなく単行本の装丁が美しいのだが、ブクログにないのが残念。


    e-hon 著者インタビュー
    https://www1.e-hon.ne.jp/content/sp_0031_i1_201402.html



    《恩田陸を読むぞ2021⑧》 
    ルール:図書館にある恩田陸の棚の、左側にある本から先入観無しで読んでいく。シリーズ物に当たったら、1から順に読む。

  • 文庫本じゃなくてハードカバーで読んだのですが…。
    ゲーム感覚で楽しく読めました。結局、虚構の世界の話だったのか?最後そんな感じがしましたが。
    なんか今の日本を鑑みて、満更有り得なくもない世界ですよね。

  • 恩田さんは「ドミノ」や今作のようなぶっとんだ設定の作品を時々書くから侮れん。
    むちゃくちゃ面白かった。
    こういう作品もできればたくさん書いてほしいなぁ!

  • 近未来×現代×過去 前半面白かっただけに若干後半尻切れトンボ感

  • 表紙のイラストそのままな世界観。

    色々ごちゃまぜなんだけど、手を止められないのはさすが。

    でも最後はやはり、え!あとページこれしかないよ!終わらないよ!と言う感じ。色々消化不良だけど、恩田さんが好きだからしょうがない。こういうものだと。

    細かい個所をすっきりさせてアニメ映画化してほしいなー

  • ぶっ飛んだ?世界設定。
    アニメにしても面白そう?
    想像しながら読むのが楽しかった!

  • 途中まで和風ファンタジー&学園ものっぽくて面白かったのに設定盛り込みすぎて収集つかなくなった感じ。
    最後の尻すぼみ感が強くて、最初の期待が大きかっただけに残念だった。あとちょっと登場人物がラノベっぽい感じ?恩田陸の他作品が好きなだけに残念。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

恩田陸の作品

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