うつヌケ うつトンネルを抜けた人たち

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (176ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041037089

感想・レビュー・書評

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  • 私が常々考えている自尊感情問題とも通ずる部分があった。
    そして、私が自分自身で最近出した結論が、文字として記されていて嬉しかった。
    それは、「自分を否定するものからは遠ざかり、自分を肯定してくれるものに近づこう」というもの。

    体育会出身だとどうしても、「逃げることは弱いこと」、「逃げ癖がついたら一生逃げ続ける」といったなぞのスポコンが顔を出す。しかし、それはあくまで自分にエネルギーがある時の話だ。元気なときは、放っておいても意欲が湧いてくる。壁に対してもなにくそ!と立ち向かえる。でも、いつもではないのだ。心のエネルギーが枯渇しているとき、どんなに自分を奮い立たせようとしても全く動けないときもある。思っているよりも私は弱い。むしろ、よわよわだ。それに気づいて、手放す勇気を持ってから、大分生きやすくなった気がする。

    自分を大切にしてくれる人と過ごすことで、たとえ人から大切にされない出来事があっても立ち直れる。
    むしゃくしゃした時は料理をすると少し気持ちが晴れるのは、簡単に小さな達成感が得られるから。何をする気が起きない時も緑がいっぱいの庭でぼんやり座っていると落ち着くのは、大自然の中に身を置くことで過去でも未来でもなく「今」に気持ちが向くから。家でただぐうたらして、ねこをなでて過ごす休日が穏やかなのは、自分に身体を預けてくれる存在に安心感を得られるから。

    今まで無意識に自分がしていたことが、根拠を持っていたことだとわかりなんだか嬉しくなった。

    自分の傾向を知って、どんな自分も自分と認めて、ゆるやかに付き合っていくこと。
    「うつの人」と境界線を引くのではなく、誰もが参考になる本だと思った。

  • 面白かった。大きな仕事を任されて何もかも上手くいっているように見える時に、実はウツの入口に立っているという事例が多いなと思った。

    アマゾンのレビューには批判的意見として「クリエイティブな才能がある人の例ばかりだ」というものが多いが、確かにその通りで、双極性障害で、ハイの時には活動的で何らかの成果を出している人が多い。しかしウツになるきっかけやウツから抜け出すきっかけには、万人に共通する法則みたいなものが見出せるのではないか?

    それにマンガという形式は、ウツで文字を追うのも辛い人には役に立つと思う。

  • 「(うつは)心の風邪なんてなまやさしいもんじゃない、うつは心のガンだ!!」
    という言葉のインパクト。
    ”心の風邪”と称することで「誰でもかかるものだ」という啓蒙にはつながるかもしれないけど、その反面「風邪ならいつかそのうち治る」とも思ってしまってもおかしくない。
    でも症状や重さは人それぞれ。決してそうではない。
    その後の「うつはほうっておくと死に至る病です」という言葉の重さを受け入れるには「心のガン」という言葉はまさにぴったりだと感じました。

  • うつは誰にでも現れる可能性がある心のガン。
    ぼく自身も今2度目のうつ病に苦戦しています。
    この本にあるたくさんのうつ抜けの事例があるように、きっとうつから抜けることができるし上手く付き合う方法もあると知れるだけでも救われることでしょう。
    自分を好きになる、必要とされる環境に身を置くことがうつ抜けには大切なようです。

  • 自分も4年ほどうつを体験したが、その時に出会いたかった。うつのイメージが変わるし、なによりもうつの人は励まされるし希望が持てると思う。
    本当にうなずくことばかりだった。
    特にうつは心の癌というのは、いいと思った。うつで自殺した人は心の癌にかかっており、その人の心の寿命であったと。確かにそうだとおもうし、こういう考え方なら、助けられなかったと悔やんでいる遺族で救われるひとも多いと思う。
    うつっていうのは家庭内問題とかそういう悩みが原因がなくてもなってしまうのは知らなかった。体の悲鳴であると。だから悩みがないと明るい人であっても油断してはいけない。
    わかりやすく、本当に実践的な本であった。うつについて知りたいという方にも強くおすすめです。
    ちなみに注釈がなくてわからないんじゃないかと思った単語があったので蛇足ながら説明しときます。
    リスカ=リストカット

  • いろんな人がうつに苦しんでるんだねえ。内田センセイなんて「おい嘘だろ!」と思ってしまうのだが、いやいや、そういう無理解が良くないのです。

  • 自分をきらいになるからうつになる。

    他人に気を使うのと同じくらい自分にも気を使う。

    自分を否定するものからは遠ざかり、自分を肯定してくれるものに近付こう

    小さな達成感を得られるなにかを見つけよう。

    ささいなことでもいいので、必要とされている、役に立っていると実感できる瞬間を持とう!!

    うつは誰の心の中にも眠っているものだがら、上手に付き合うことも考えよう。

  • 2018/07/04読了


    まさに自分がこんな状態なので。。。
    「うつ」の正体はこんなんだよー、と、少し気を和らげてくれるような本でした。
    どうしても暗くて黒くて辛いものなので。
    少しでも楽になれる助言が、いくつかあって良かった。
    読んでから心を見直す勇気が出たというか、難しく考えるなってほかの人が言うよりも説得力があるからね。。

  • ちょっと鬱っぽいかなーという時に、書店で購入しました。
    人によって鬱に入るトリガーは様々で、自分のパターンを見つけることが大事だなと思えました。
    鬱をくぐり抜けた人の優しさや思いやりを感じる本でした。絵も好き。

  • 面白く読めた。自分のときはこれはもう原因も寛解も明らかだったので、わかるもわからないもあるけど、布団から出られない体が動かないとか、死にたいより消えたいっていうのそうだった!って思い出した。
    体が全く動かないけど、動かないのも何か言い訳めいているように思えて、起き上がれないことがつらかった。
    でもどの医師を信じてついて行くかは巡り合わせだけでなくて選ぶべきだと思う。
    初めの医師にかかったままたったら多分今生きてない。
    薬が効いたか効かないかはわからなかったし、なにしろ薬を抜くのが大変だったけど、とにかく一睡もできない状況だったので、導入剤は不可欠だったかと。
    あとわたしはカウンセリングがすごく苦手だった。早く終わらせたくて、元気です、具合も良いですって言い続けた感ある。

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著者プロフィール

1944-2018年。新潟県佐渡郡金井町生まれ。新潟大学人文学部経済学科卒業。高校教諭を経て、67年京都大学国内留学、88年筑波大学教授、94年群馬県立女子大学教授などを歴任。従来の、武士を中心とした「日本近世史」の史観に異議を唱え、当時の一般庶民である百姓こそが時代の主役であったという視点を、村々に残る史料をひもときながら主張しつづけた。著書に『佐渡金銀山の史的研究』(刀水書房、第9回角川源義賞)、『帳箱の中の江戸時代史』(刀水書房、新潟日報文化賞)、『日本の江戸時代』(刀水書房)ほか多数。

「2022年 『百姓の江戸時代』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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