幻坂 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
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本棚登録 : 617
感想 : 56
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041038062

作品紹介・あらすじ

坂の側に咲き乱れる山茶花の花に、幼い頃死んだ友達を偲ぶ「清水坂」。自らの嫉妬のために、恋人を死に追いやってしまった男の苦 悩が哀しい「愛染坂」。大阪で頓死した芭蕉の最期を描く「枯野」など粒ぞろいの9編

感想・レビュー・書評

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  • 大阪の天王寺の七坂にまつわるあやかしの話。私は、生玉さんが好きで、何度かお参りに行きました。御朱印ももらいました。真言坂は知らなかったな。坂は歩いているんだけど、あの坂が天王寺七坂なんだ。この話のように、幻が見たくなりました。幻と話してみたい。けど,婚約者にも見えたなら,幻ではないのかも。七坂では、本当に不思議なことが起こるかも知れない。物語の背景に触れながら歩けば、何かの不思議に出会えるかも。

  • 有栖川さんの幻想怪談短編集。濱地さんが時折出てくるのもいい。個人的には「真言坂」の話が一番好き。
    実際の坂の景色も見てみたくなりました。

  • 昔読んだ本を再読しました。
    同著者の濱地健三郎が、確かこの本のどこかの坂で出てきたなぁと思い出して。
    いました。濱地さん、ご健在で。呪える~が文庫化したら買おうとしている身です。
    幻坂も短編集で読みやすいので、まだ読んでない方は是非。

  • 大阪もこんな風情のある場所があるんですね。
    読みながら、訪れてみたいなーと思う場所が多々ありました。

  • 大阪にある坂のお話。ホラー的な、あの世とこの世の境界的なお話の短編集。
    「愛染坂」が一番好きかな。
    人の想いと嫉妬の複雑さが好き。2人で幸せになれたら良かったのに。愛は難しい。

    濱地健三郎さんが出てくる2作品「源聖寺坂」と「天神坂」も好き。特に「天神坂」は美味しそうだし、最後の結末も良いし、素敵な話。

    自分に大阪の地理の知識がないのが残念。知ってたらもっと面白く読めただろうなー。

  • 坂にまつわる9つの話。繊細で不思議な話に、胸が締めつけられる。あの話とあの話には、ラストで瞼がじんわりと濡れました。切ない。

  • 大阪にある坂にまつわる不思議なお話たち。
    「天王寺七坂」って初めて知って
    「口縄坂」で猫が出てくる猫は、可愛いというよりも神秘、かな。でも、くちなわって蛇だよなぁとか思ったり。
    ホラーちっくだったり、もの悲しかったり。
    舞台となる坂を巡るツアーをやったりもしたそうで、なんだか羨ましい。

  • 再三言っているが、有栖川氏の紡ぐ美しく優しい文章が好きだ。今回は「天王寺七坂」にちなんだお話だが、文章中から澄んだ空気が伝わってくる。坂というものは何かしらのパワーを感じるところだと思う。上るときには力がいるし下るときには心許ない気持ちになる。なんとなく背中を無防備に感じたりするのは気のせいではあるまい。どれも良かったが心に残ったのは心霊探偵の活躍するミステリ然とした「源聖寺坂」、映像で見えてしまい総毛だった「口縄坂」優しさに泣きたくなった「真言坂」。そして単に食事をするだけの「天神坂」が特に愛しい。

  • 大阪の七つの坂に纏わる怪異譚。どれもそんな怖い話ではない。天王寺や一心寺、谷町辺りは行ったことがあるけど、坂を意識したことはなくて、寺院が多いイメージだけあった。散策をしているような気持ちで読めた。「口縄坂」が猫沢山湧いてて気になった。憑かれるのは嫌だけど。さらっとマナーに言及しているのも良い。でもこれが一番怖い終わり方だな…。「天神坂」が料理美味しそうで良かった。最後の2編「枯野」「夕陽庵」はちょっと辛気臭い。

  • 作者さんの作品はミステリしか読んだ事なかったけど、こういうジャンルも悪くはない。
    ただ、件の人気シリーズのノリを求めて読むと、がっかりすると思われる。

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著者プロフィール

1959年大阪生まれ。同志社大学法学部卒業。89年「月光ゲーム」でデビュー。「マレー鉄道の謎」で日本推理作家協会賞を受賞。「本格ミステリ作家クラブ」初代会長。著書に「暗い宿」「ジュリエットの悲鳴」「朱色の研究」「絶叫城殺人事件」など多数。

「2023年 『濱地健三郎の幽たる事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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