マガイの子

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 49
感想 : 13
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041047606

感想・レビュー・書評

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  • 家族が異なるものになっている。
    ただ物理的に距離あったり、なんらかの事情があるっていう設定が好きなのかな?自分の知らないところで、兄弟が…

    ホラーではなくダークファンタジー。
    妖怪とか化け物ではなく、そういう種族。
    外界から介入してくる存在が好きなのか?という印象。
     
    一人称で読みやすかったし、なにより風ちゃんの言動が面白かった。セルフつっこみのところとか。
    風ちゃんの愛しい化物の正体は、なんとなくわかった。

    民話系ホラーかと思いきや、ダークファンタジーだったので物足りなさを感じたけど、『二階の王』の著者と思うと変に納得。

    謎の爽やかさを残して終わるところも不思議で面白い。

  • ホラーから途中でSFに様変わり。
    正直、情景のわかりづらさと関係者数珠繋ぎのラストにがっかりした気持ちが先行してしまったのだけど、弱い立場の彼らが犠牲になる事件が後を絶たない今、「不条理な死を迎える瞬間の身を灼き尽くすほどの憤怒」というのはストレートに心に突き刺さってきた。読了後、急に「マガイの子」の真実が現実と相まって胸の中でぐるぐると渦を巻き出す。着眼点の素晴らしさが最終的に浮き上がってきて、がっかりから一気に印象が覆った変わり種。
    帰ってきた側の様々な生き方や親の複雑な想いをもっと深く知りたかった。

  • 夏!ホラー!ってノリで読み始めたけど、これはそんな単純なホラーじゃなかった。
    始まりの舞台は馴染みのあるホラー臭がぷんぷんしてたのに…
    この感覚を味わって欲しいからこれ以上は語らないけど、読後は怖いというより何だか考え込んでしまうような作品だったな。

  • 取り替え子をモチーフにしたホラー長編。魔物に子供が喰われると、その子供の紛い物「マガイの子」が帰ってきて災いをもたらすという伝説を信じる村の人々。この因習に悩まされて育った姉弟。都会に出た姉、田舎で受験勉強に励む弟、二人に忍び寄る魔の手。非常に好みの題材です。
    怖さは控えめ。閉ざされた姉弟の記憶、村で活動する謎のNPO団体、誰が味方かわからない不安な感覚、サスペンス色が強くテンポよいストーリー。特に終盤は一挙に加速しながら、予想を超えた壮大な展開に。SF的な雰囲気も醸し出す独特の雰囲気。

著者プロフィール

(なばり・いずみ) 1970年、東京都生まれ。明治大学卒業。現在、会社員。本作『二階の王』で第22回日本ホラー小説大賞〈優秀賞〉を受賞し、デビュー。ほかの著書に『マガイの子』『噴煙姉妹』がある。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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