BACK 猟奇犯罪捜査班・藤堂比奈子 (角川ホラー文庫)
- KADOKAWA (2016年12月22日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041047644
感想・レビュー・書評
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〇大量殺戮は何を意味するのか?様々な憶測を調べたどり着く結論は…
藤堂比奈子シリーズの第7作。
何がBACKするのか?というのが気になるところではあるが・・・
クリスマスイブの夜、当直をしていた比奈子と東海林、三木と麗華のもとに、緊急連絡が入る。ある病院で大量殺人が行われたという通報であった。厚田班として現場確認をした比奈子たちは、現状と犯人のちぐはぐさ――場当たり的・無差別的な犯行を思わせるが監視カメラが切られたり逃走用の車が用意してあったり――に謎を感じる。そして、この病院は秘密裏に刑法犯などを療養させる病院として警察内部でも知るものは少なかったが、狙われたのはそのフロアだった・・・!
警視庁から呼び出されることも想定して、地どりをやったり捜査情報を頭に入れたりしていた厚田班だったが、忌女たちが見つけたあるサイトには、「スイッチを押す者」=野比先生を祀る怪しげなコメントが書いてあり、その書いた人間を調べはじめる。
そして、新たに病院の関係者と思われる遺体が発見された。手首を切られ、目玉をくりぬかれた状態で・・・いったい誰が。
前第6作に出てきた永久(とわ)くんも、野比先生の研究室で研究対象として生きることになる。永久くんと比奈子との関係が案外、比奈子が思っていたほどにや、今後恋愛することができるわけではない比奈子と野比先生、そして東海林が厚田班からいなくなってしまうかもしれない不安や寂しさもだんだんと出始め、比奈子の気持ちに少しずつ変化が見える回でもあった。次回は野比先生と東海林との間でせめぎ合うのだろうか。
また、次回への伏線として、完全にこの事件は犯人が捕まらない。いったい真犯人の目的とは??野比先生の危機はどうなるのか。
比奈子の精神的な成長もよく見え、次回作への期待感高まる1冊でした。