怖い絵のひみつ。 「怖い絵」スペシャルブック

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (96ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053881

作品紹介・あらすじ

名画の「怖さ」に注目するという新しい絵画の楽しみ方を提唱し、世に「怖い絵」ブームを巻き起こした中野京子。
そのシリーズ刊行10周年を記念した展覧会が決定!

「怖い絵」展 7月22日(土)~9月18日(月・祝)兵庫県立美術館、10月3日(土)~12月17日(日)上野の森美術館 で開催。
『怖い絵 泣く女篇』(角川文庫)の表紙も飾った「レディ・ジェーン・グレイの処刑」(ドラローシュ)が奇跡の初来日を果たすなど、見どころ満載の展覧会です。

本書はその「怖い絵」展にやってくる名画の数々を中野京子が新たに解説した、「怖い絵」ファン必須のスペシャルブック。中野節が炸裂し、名画の恐怖が増幅します。
また「怖い絵」がある世界の美術館MAPや、「怖い絵」展が実現に至るまでの悲喜こもごもの裏話、そして大の「怖い絵」シリーズファンという宮部みゆきと中野京子の豪華対談も収録!

「怖い絵」シリーズと「怖い絵」展のすべてがわかる、正真正銘、保存版の一冊!

感想・レビュー・書評

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  • 風邪でどこにも行けないので、美術館に行ったつもりで「怖い絵展」で買ったこのスペシャルブックを再読。

    実際に鑑賞した時は、目玉のどでかい『レディ・ジェーン・グレイの処刑』に圧倒されたけれども、本のコンパクトなサイズで見ると『オデュッセウスとセイレーン』や『飽食のセイレーン』の幻想的で麗しい怖さに惹かれる。

    「怖い絵」と言いつつ、どの絵も美しいのだけど、中野京子さんの「こうして美化された自殺のイメージが、若い女性たちに簡単に死を選ばせてしまった可能性もあったのではないか」「そうした女性たちが絵画や文学で繰り返し描かれることによって、自殺が禁忌でなくなっていったとしたら?」という深い読みにハッとさせられた。

  • 「怖い絵」展に展示された作品を解説した本。もちろん全てカラーで、大きく掲載してあるので見やすいですし、その作品の背景を知ることによってなお作品が楽しめます。西洋の絵画はキリスト教や神話を知っていないと本当の意味でその絵を理解できないなといつも思います。

  • 絵を見て 好きか嫌いか
    という見方も楽しいですが
    裏で暗示されている意味や
    寓話などを読み解く絵の見方も
    楽しいものですよね
    それが怖いものならなおさら・・・

  • 怖い絵展開催に伴って出版された、これまでの怖い絵シリーズの総まとめとなるような本。絵のもつ物語を知ることで、よりその絵を楽しむことができる。怖いという言葉の奥深さ、言葉の向こうにあるもっと幅広い意味の一端を感じることができる。
    2018/11/27

  • 中野京子さんのレビュー24冊目。

    怖い絵シリーズでは
    怖い絵
    怖い絵2
    怖い絵3
    怖い絵で人間を読む
    新怖い絵
    に続いて6冊目です。

    今までは、紹介されている絵を見たかったら
    ほとんどヨーロッパに行かなければならなかった。

    しかし今回は、10月から上野の怖い絵展で見ることができるのです!

    夏目漱石がロンドンに留学したときに観て、
    その感動を小説『倫敦塔』に綴ったという
    『レディ・ジェーン・グレイの処刑』が
    はるばる来日してくださっている!!

    なんてゴージャス

    8年にわたって中野京子さんの本についてブログを書いてきた私としては
    非常に感慨深いものがあります。

    「物事にはねえ!裏と表があんの!」
    これからも知人に気づかれることなく
    こっそり書き続けていこう。
    決意を新たにした、裏の私。
    私のひみつ。

    http://nagisa20080402.blog27.fc2.com/blog-entry-378.html

  • バックグラウンドをちゃんと理解すると、絵画鑑賞はもっとおもしろいんだなあということを実感させられる。個人的には「飽食のセイレーン」がお気に入り。

  • 図書館で借りた本。
    タイトルに惹かれ読破。なぜ怖い絵なのか?ただ絵が怖いだけなのか?と考え読み進めると、どうやら絵が怖いものもあれば、その背景にも着目し、歴史も考慮した上で怖いと感じる絵なのだと納得。有名な絵もあれば知らない絵もあったので、新鮮な気持ちで読み進める事が出来た。他のシリーズも読んでみたいと思う。

  • 「レディ・ジェーン・グレイの処刑」
    絵の中で、目隠しをされて処刑される寸前の女性、まだたった16歳なのですね。今のうちの子どもとさほど変わらない年齢で、周囲の大人に翻弄された結果、こんな人生の終わりになってしまうとは切ない…。
    経緯が詳しく説明されているのですが、複雑なので家系図とか載ってたらいいなあと思ったところです。

  • 今まで取りあげた絵の中で詳しい説明や解説が書かれており、中世の世界史を知ることも出来てとても興味深く面白かった。

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著者プロフィール

早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師。専攻は19世紀ドイツ文学、オペラ、バロック美術。日本ペンクラブ会員。著書に『情熱の女流「昆虫画家」——メーリアン』(講談社)、『恋に死す』(清流出版社)、『かくも罪深きオペラ』『紙幣は語る』(洋泉社)、『オペラで楽しむ名作文学』(さえら書房)など。訳書に『巨匠のデッサンシリーズ——ゴヤ』(岩崎美術社)、『訴えてやる!——ドイツ隣人間訴訟戦争』(未来社)など。

「2003年 『オペラの18世紀』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野京子の作品

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