東京ランナーズ

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 61
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (232ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041053928

作品紹介・あらすじ

太田正樹は大手出版社の編集長候補からタウン誌を発行する関連会社への出向を言い渡された。失意の中でロードを颯爽と駆ける元ランナーの倉原明日美を見かけ、生活の張りを求めて彼女がインストラクターを務めるスポーツクラブに入会する。同時期にクラブに入った真田誠司は、定年後の生きがいを模索するなかで走り始めようとしていた。一方、リア充アピール癖のある山瀬健は、フェイスブックで話を“盛った”ばかりに実力派ランナーと誤解され、上司から社員の健康増進活動の旗振り役として東京マラソン出場を命じられてしまう。雑誌の廃刊、故障、練習不足……トラブルが連続するなか、東京マラソンの日がついにやってくる!

感想・レビュー・書評

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  • 走るって、そんなに気持ちがいいものなのか。
    最中はもちろんしんどいだろうけど、
    身体が変わって、気持ちが変わって、
    人生を変えてしまうほどに。

    走ることで人生観の変わった人達のお話。
    なるほど、そういうものかぁと思わず感心。

  • うーむ

  • サクッと読めるランニングを軸とした人間模様。

  • 著者の方もマラソン経験ありということで、東京マラソンに挑戦する様子や、普段の練習の様子など詳しくランナー目線で描かれていて、「なるほどー」っていう感じでした(^^)
    あとは、よくあることですが、マラソンと人生をなぞらえて描いているのが分かりやすくて面白かった。

  • ランニングを通した4人の物語。リストラされて小さな会社に移った男性、選手を引退してイントラクターを始めた女性、定年して抜け殻?みたいになってる男性、SNSでリア充投稿しまくりの若い男性。
    イントラクターの女性以外は、ちょっとしたきっかけでランニングを始め、ランニングを通じて人生観が変わって行く。リストラされた男性は新たな挑戦をする勇気を得て、定年した男性は今までの人生の肯定感と先の人生の生き方を、リア充は他人の目を意識しすぎていた自分を見直し…。イントラクターの女性はその指導を通じて走る楽しさを思い出し、選手に復帰…
    …こんなうまくいけば苦労はないよねぇと思うけど。 運動不足だし俺もやろうかな(笑)

  •  いまさらながらのマラソン小説。
     目線は、マラソンを始めたばかりの初心者、あるいはこれからマラソンしてみようかと思っている人向け。でも、悪くない。すっかりモチベの萎えた今、これくらいの低姿勢の物語が程よかった。

     著者もフル6回完走のランナーさん。出走頻度まで知らないけどランニングを趣味として楽しんでいるのだろう。練習方法、走法、ランナー個々の悩みなども、ほどよくリアリティあり。そんな著者が描く「悩みを抱えた4人のランナーが東京を駆け抜けるマラソン群像劇!」(帯より)。

     さて、この4人の誰に感情移入できるだろう?
     主人公は出版業界のリストラ社員。出向先で失意に沈む中、元エリートランナーにコーチを受けたことでランニングに目覚める。この元エリートランナーも故障で夢半ばで挫折した過去を持つ。ジムで知り合った初老の男性は定年後の生き甲斐を模索中。そこに、今風のリア充アピール癖のIT企業社員も加わって、翌年の東京マラソン完走を目指すストーリー。
     40代男性、20代女性、60代男性、30代男性の4人。幸か不幸か50代男性が含まれていない。なんだろう、一番安定している年代なのか? 著者も1959年生まれの50代(後半)、自分と近い年代は逆に描きにくかったのかもしれない。
     年代的に近いのは40代だが、過ぎ去った年代には戻れないので、60代の定年後ランナーの境遇や、人生の処し方に自然と興味がいったのは致し方ないところだろうか。

    「そんな昔の肩書は言うまでもなく今ではなんの役にも立ちません。それどころか『真田さん』と名前を呼ばれる機会さえめったにありません。あなたに今、私の名前を呼ばれて、いつ以来だろうと思い出そうとしたほどですよ」

     あぁ、ありえるなあ。こうならないよう気を付けないと、とか。

    ”ゴールまで走りつづけよう。
     そしてゴールしてからも走り続けよう。
     誠司は腕を振った。”

     いいね、人生100歳の時代だし、まだまだ先は長いと遠い目になったりもした。

     人生とフルマラソンの距離を重ね合わせることも陳腐極まりないのだけれど、誰しもが序盤、中盤、終盤、それぞれの局面での悩みや葛藤を抱えている様が、ランナー4人以外の登場人物の境遇をほどよく絡めて描かれている。リア充な30代の姿も世相を映していて面白い。誰に自分を重ねても良さそうな人物造形も過不足はない感じだ。ランナーなら、自分のラン人生と重ねて読んでも面白いし、ジョギング程度の気持ちで読める軽さも程よい。

     気になるのは、著者は誰のどんな指導を受けて(あるいは参考にして)いるのか?という点。
     技術的なことは元エリートランナーのくだりに主に出て来るが、「指を軽く握って手のひらを上にして腕ふり」とか、「左足が着地した時、右足もすでに着地体勢に入っている」など、あまり聞いたことのない指導が書いてあった。最近、この手の本を読んでないからかなあ。着地も後ろ過ぎてはいけないというのも、目新しい気がした。
    「足は前へ前へと回転しており、着地も後ろに流れていない」と元エリートランナーがレース中に自分の走りを分析するくだりもある。後ろ足は流さず、早く前にというのは聞くが、”前へ前へと回転”というは字面だけ読んでもピンとこなかった。
     でも、月間走行距離が300kmの著者だ。大きく間違ったことは書いていないのだろう。どんな指導を受けているかが気になるところだ。

  • 東京マラソンが題材(ちゃんと新コースになってる)、ランニングする人たちの群像劇、東京マラソン終わったばかり(今年はボランティアでしたが)。書店で見たときに読みたい!面白くないわけがない!とついつい購入。趣味に関する書籍の購入ハードルの低さを再認識。

    著書がマラソン経験もあるので、肩甲骨や骨盤、着地点など細かいところまで書いている。登場人物のそれぞれのアプローチに、自分の東京マラソンのケースも当てはめ、当時の記憶が色々蘇ります。面白くてすぐ読み終えましたが、大会運営の視点や、ボランティア、家族とまだまだ色々なストーリーが東京マラソンには眠っている‥東京マラソンオフィシャルで続編、もしくは映画化だー!

    とにかく、沿道の何万人もの人から応援される経験、人生でないですからね。また当選して東京マラソン走りたい!

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著者プロフィール

ジャーナリスト、作家(渋沢和樹、井伏洋介)。著書『銹色の警鐘』『バーチャルドリーム』狼の果実』『罪人の愛』(渋沢)、『月曜の朝、ぼくたちは』(井伏)

「2010年 『エヴァンゲリオン極限心理分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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