- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041055069
感想・レビュー・書評
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元天才子役、現在は人気舞台演出家として活躍するレイジは、子役時代の20年前の記憶の一部がない。妊娠中の妻と同乗していた車の事故をきっかけに、懐かしい人物と再会、そして封印されていた20年前の記憶が次第に蘇える。
クールで孤独だった子役時代、偶然知り合ったホームレスの徳さんと、ドラァグクイーンのローズとの疑似家族のような関係の中で、それまでは役をインストールする機械のようだった空っぽのレイジが血の通った少年らしさを取り戻していく過程が、ベタだけど良かった。20年前と現在をいったりきたりしながら、最終的にレイジという人間が再生する前向きな終わり方も良いですね。
最初の一行と最後の一行が同じセリフというのはオシャレだけどなんか気恥ずかしい(笑)うまくいえないけど、背伸びして技巧をこらした部分を見つけると、頑張ってるな、ってニヤニヤしちゃう。デビュー作からここまでの3作、作者にとってホームであるところの芸能界を舞台に選んだのは、嘘がないなと感じられるから正解だったと思う。作品自体のエンターテイメント性はどんどん増してるし、映像化むきかも。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人としての優しさって絶対に物語にでると思うから
きっと著者はステキな人なんだろうなって思う。 -
最近文庫を買っても先延ばしになり、ようやく夏休みだし、ゆったりどっぷりあっちの世界に浸ろう、と心に決めたものの。
手にとって読み始めたのは、長編ファンタジーでも、大作歴史小説でもない、彼の3作目。
色眼鏡なしで割りと好きなので、あらすじ見ずに購入したのだけど、腰落ち着けて読む感じでもないかな。と思いつつ、泣きそうになる目頭を押さえながら、カフェでじっくり読み終えてしまった。
レイジの20年前の記憶の甦りと現代とのマッチがいいように絡んでて。
ドラマで観てみたいなと思った。 -
解説に書いてあることが全てすぎる。
子どもから大人になること。
大人から親になること。