- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041056998
作品紹介・あらすじ
ヒトと僅かに異なる存在、妖人。
美貌と毒舌の妖人茶道家・洗足伊織は、「家族」との平穏をなにより愛していた。
最近は《小豆とぎ》のマメが、食堂でボランティアを始め、心身ともに成長中だ。
そんな中、伊織を慕う甲藤が、ある女を連れて来た。
「私は《口裂け女》なんです」と嘆く彼女に、伊織は真実を告げる。
一方、食堂の関係者が殺され、マメに容疑が。
その陰に、伊織は不穏な気配を感じ……。
シリーズ第6弾、書き下ろし。
感想・レビュー・書評
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妖奇庵夜話シリーズ・第6作。
静かで深い、闇夜に揺れる1本のろうそくの炎みたいな事件だった…
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NPO団体が運営するひまわり食堂で、ボランティアとして働きはじめたマメ。
その食堂スタッフの晴香。
常連の小学生・美亜と、高齢の婦人・五百木(いおぎ)。
ある女性にある理由からつきまとう甲藤。
そしてとある、連続殺人事件…
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本編に断片的なモノローグがはさみこまれるのが特徴の妖奇庵夜話シリーズ。
ところが今回はモノローグというよりも、短いシーンが足早に連なっている構成で、違和感がありました。
事件そのものにも、青目(主人公・伊織の異母弟であり、妖人【鬼】であり、敵)が関与しているにしては“脚本”が、“美しくない”ところも、もやもやします。
しかしそれらの違和感すら、おそらく著者の意図通りなのだとおもいます。
事件そのものも、今までのように後半にいくにつれ膨らんでいく感じではなく、真相に近づいてもそれでも静かに、揺らめいている印象で騒がしくない…
そのせいか、今回は犯人の意図も今ひとつわからないまま、真相まで読み進めた感じでした。
今回は妖奇庵夜話のお話のなかでも、より“静”の強いお話だとおもいます。
このまま、今回は静かな闇のまま終わるのかな…と思いきや、最後の最後にさしこまれる、切り取られたような過去のシーン。
そのシーンは、たしかに今回の事件そのものに関連がある、ありそうなのだけれど、同時にものすごい違和感のシーンでもあり、「えっ、どゆことどゆことどどゆこと」と当惑しながら終わります。
そして気がつくと、これはもう、次巻に行くしかないところにポツンと立たされている自分に気づくのでした…
それにしても…表紙絵…儚くて美しすぎる…詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
今回は青目が絡んでいるだろう事件としては緩い。
その理由もまた伊織に対する執着からなのだが。
青目との絡みが続き、伊織も心が揺さぶられていく。
なぜ青目がこうも伊織に執着するのか、ラストに綴られている10代の頃の青目に起こったことが絡んでくるのだろろうか。 -
季節は春
桜舞い散る表紙…桜餅に金鍔
一見繋がりがない事件関係者達が複雑に絡み合いながら真相に近づいていく。
ラストの十代だった青目の過去が出たところで
続く…気になりすぎて待てない_| ̄|○
今回の表紙が美しすぎる(〃ω〃) -
シナリオの雰囲気が違ったのは。
出会わなければ起きなかったかもしれないが、既に疲労困憊で精神的にも不安定だったであろう状態では微妙な状況だよな。
どんな経緯であれど、最終的に彼女の罪悪感を消し去り犯行に及ぶように仕向けたのは彼だからな。 -
常磐さん苦手だわー。読んでてしんどいお話が多いけど、常磐さんはイライラする
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面白いです
今回は桜が背景を彩っています
そして、伊織と青目との距離がどんどん縮まっています
目が離せないですね -
面白かった!
桜が各場面で散りばめられていて、存在が美であったり、淡い想いだったり、壮絶さを演出してました。
徐々に青目と伊織の距離感が近まってて、ちょっと心配!