中尉 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041058633

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  • 戦地という場、敗戦という状況、そのような寄る辺ない状況下にあって他人と縁を結び他人を想うことのままならなさ。人を見る目を養うというのは、いかに自らをフラットな状態に置けるかの努力であって、それは極限下とても容易くはないことと知らされる。
    “中尉”の安否を示す真実はつまびらかにならず、淡々と時間は進み、少しばかり増える推測を補強し得る事実も。しかし尾能軍曹にとっては自らの“希望”を揺するものでしかなかった。人間関係は立場と視点に制約される、それが個人間であれ国家間であれ。そんな諦観を思った。

著者プロフィール

1970年福岡県生まれ。2000年4月『UNKNOWN』でメフィスト賞でデビュー。2010年、第3回「(池田晶子記念)わたくし、つまりNobody賞」受賞。17年『いくさの底』で第71回「毎日出版文化賞」、翌年同作で第71回「日本推理作家協会賞(長編部門)」を受賞。著書に『ルール』『七月七日』『中尉』『生き残り』などがある。

「2020年 『いくさの底』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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