ホーンテッド・キャンパス 水無月のひとしずく (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041061497

感想・レビュー・書評

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  • 一歩踏み出すべきかどうするべきか、と悩む主人公に
    彼女は『彼氏になってくれないか』と。

    この一文を言うだけでも、かなり勇気がいったかと。
    ふりだとしても、この一文を言うのは…w
    そんなわけで、主人公にとってパラダイスな状況。
    毎日が幸せ状況ですが、この事態を引き起こした事件は
    最終的には解決します。
    そして解決した事によって…のお悩みですが
    口にしたらアウトです。
    このまま続けば、彼女は辛くて大変な日々しか
    ないわけですから。

    地域密着のサークルは、とても面倒だな、と。
    そもそも王様している人は、お山の大将で
    その反動が大変な事になる、と気が付かないのは
    何故なのでしょう?
    想像力が欠落しまくっています。
    で、それをどうにかして、欲しい『もの』を
    手に入れた人の発言はちょっと…。
    これ言われて嬉しい人って、まともな人は
    いないかと。

    虫かと思ったら!? な2話目の『這ってくる』の
    正体は、これはこれで怖い。
    しかも何があったか、の内容も恐ろしいものが。
    過去のやりとりに縛られたいほど苦しい、のは
    分かりましたが、それにすがって人の不幸を望むのは
    ちょっと違う気がします。
    精神年齢が上がってないから、仕方がない事??

    先生、という立場は、ちょっとした1話目の状況。
    どうにでもできる、どうにもできる。
    そこを吐き間違えてしまえば、こんな状況。
    いやでも、ここまでうまくやったものだな、と。
    確かに子供の視点から考えれば、こうなるかと。

    ここから、主人公は彼女がどういう状態かが
    分かったわけですが…。
    話が終わるまではかっこよかった。
    しかしその後、彼女と合流したら、いつものヘタレ。
    とはいえ、彼女にとったらヒーローです…w

  • 森司とこよみはまさかの恋人のふり。
    近くなったのやら、遠くなったのやら。
    読んでいる方がじれったくなるほどです。

    オカ研の方は、現代の学校で起きた話をネタに、心理の闇を探ります。
    なんと、以前の作品でよく分からないながらも怖かった家の話も出てきます。怖いなぁ。

  • 「辛辣な花束」
    憑いてきた者と献花。
    彼はただ親の七光りで自分たちを縛る彼に対し、ちょっとばかりの仕返しをするつもりだったのだろうが人命がかかっている中そんな考えをする人間とは一緒に居たくないな。
    自分も怪我をしたのだから被害者だと言う彼も、ブレーキの故障では仕方の無い事かもしれないが人の命を奪ったという自覚を持つべきではないだろうか。

    「指は忘れない」
    身体を這うように登る。
    憧れた人に近付きたい一心で発した言葉なのかもしれないが、相手にとって心に残る言葉だったからこそ責任転換ではないが彼女に対する思いが爆発したのだろうな。
    姉がおかしくなった時、何故旦那や家族はあれを見ても子供が出来たからという理由で片付けず何かしら行動を起こしていれば彼女は亡くならず済んだのかもしれないな。

    「罪のひとしずく」
    学校という閉鎖的空間。
    親に相談する事が素直にできなくなってくる年頃に、必ず登校しなければいけない場所での居場所を脅かされたら言うことを聞くしかできないだろうな。
    生徒から誑かされるパターンもあるのかもしれないが、大方は教師が弱みにつけ込み自分の自由に扱った後それがバレたら生徒のせいにするというのが多いだろうな。

  • ・自転車のひき逃げ事故と地元会の色々
    ・霊感少女と謎の指と同級生
    ・いじめ問題とその教師
    パワハラやらセクハラ。真ん中の話は以前、引越しバイトで遭遇した屋敷が絡んできた。また出てきそうな感じかな。あとの2本はハラスメントに関しての問題。加害者は比較的無自覚に支配欲を満たして満足してたりすると思うので、ここまで酷いのじゃなければ世の中に蔓延してるんだろうなと物凄く嫌な気分になった。森司は怖気づきすぎだけど、結果いい人だと思うのでうまくいってほしい。あと、土鍋でご飯が美味しそうだった。

  • 2018.6.5 読了

  • 支配欲。「欲」がすべて悪とは言わない。でも、自分でコントロールできないほどのものは怖い。それが、権力と絡みあったらなおさら。

    なんですか!2人とも。「健康に良くない」って!もー。焦らすなぁー。

  • よかった。既刊も再読してしまった。

  • シリーズ第12弾。
    本作でオカルト研究会へ持ち込まれた3つの事件は、パワハラ、学校で浮かないための処世術やイジメといった、ハラスメント絡みが根底にあって起きた怪異。こよみちゃんが困っていたことも、また然り。
    今回も面白かったです。
    森司くんとこよみちゃんの会話がなんとも甘酸っぱいというか、むず痒いというか(笑)。この2人の仲がどうなっていくかも見逃せません。

  • ホラーや恋愛小説だけでなく、社会派な部分やミステリーめいた部分などがあって、いろんな魅力が織り込まれてる。

  • ただ一言。若いっていいね。

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著者プロフィール

1972年新潟県生まれ。2012年『ホーンテッド・キャンパス』で第19回日本ホラー小説大賞・読者賞を受賞。同年、「赤と白」で第25回小説すばる新人賞を受賞し、二冠を達成。著作には「ホーンテッド・キャンパス」シリーズ、『侵蝕 壊される家族の記録』、『瑕死物件 209号室のアオイ』(角川ホラー文庫)、『虎を追う』(光文社文庫)、『死刑にいたる病』(ハヤカワ文庫JA)、『鵜頭川村事件』(文春文庫)、『虜囚の犬』(KADOKAWA)、『灰いろの鴉 捜査一課強行犯係・鳥越恭一郎』(ハルキ文庫)など多数。

「2023年 『ホーンテッド・キャンパス 黒い影が揺れる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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