ずうのめ人形 (角川ホラー文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
4.13
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本棚登録 : 2263
感想 : 246
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041067680

作品紹介・あらすじ

オカルト雑誌で働く藤間が受け取った、とある原稿。読み進めていくと、作中に登場する人形が現実にも現れるようになり……。迫りくる死を防ぐために、呪いの原稿の謎を解け。新鋭が放つ最恐ミステリ!

感想・レビュー・書評

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  • 祓魔師・比嘉姉妹シリーズ第2弾。
    前作『ぼぎわん、が来る』は開幕からフルスロットルで怖がらせにきていたが、今作では助走をつけた展開になっていてホラー要素はやや弱め。
    その分ミステリ色が強く、それはそれで楽しめた。

    とはいえ 感じる面白さの半分は前作に寄りかかったものでもあるので、今作の前に必ず『ぼぎわん』を読んでおいた方が良い。

    都市伝説や呪いを題材にしつつ、この作品の肝はミステリ要素にあるといえる。
    人間を描くのも上手く、作者の力量の高さがうかがえた。
    次作を読むのも楽しみ。

  • 第2弾!
    比嘉姉妹活躍!ってほど活躍してない気はする。最強のお姉ちゃん出て来んし。
    でも、結構、ミステリー要素あって、面白い!
    実は比嘉姉妹の活躍を期待してたんやけど、ええ意味で裏切られた(^O^)

    グロいのばっか読んでるからか、こんな死に方とかは、そんなこわくはない。
    とは言え、呪いがかかったら、死ぬの確定なんやけど^^;
    それも話読んだら呪われるとか…やめて〜
    この本読んでもそうなるんかとかビビる!
    人形はイヤな〜何か怖い〜

    そう言っても、結局のところ、一番怖いのは…

      人間

    です〜〜〜(−_−;)

  • Audible利用(11h18m)
    読了まで2日間(1.1倍速)

    嫌な人間大博覧会。
    最初から最後までずーーーっと嫌な味わい。物語が終わってもその味がしつこく舌に残るような、そういう読後感。
    どうやら私も作中でトナミさんが指摘する「お人よし」の1人だったようで、まんまと登場人物たちに感情移入してしまった。おかげで後半からは足元掬われっぱなし。腹が立つのだけど、しっかり聴いていると違和感のある箇所がちゃんとあちこちに挟み込まれてる。上手いなあというか意地悪だなあというか。前作よりミステリー要素も強く、一度読み出すと止まらない。読ませるパワーがものすごい。
    最後まで読み(聴き)終わってから、もう一度急いでプロローグを読み返し、「はあ~~」と溜め息をついたのは私だけじゃないはず…!!たぶん。

    今回は『ぼぎわん』の最強霊能者琴子さんは事件には登場しない。妹の真琴ちゃんと恋人の野崎さんは、あるきっかけから不可解な呪いに巻き込まれ、同じく呪いを受けた出版社アルバイトの藤間君と共に呪いに抗う方法を探る。呪いのタイムリミットが迫る中、3人は苦戦を強いられ、最後には究極の暴力的手段を選ぶか選ばないかというところまで追い詰められる。憎しみが次々と連鎖していき、読んでいて辛くなることが何度もあった。
    思わぬかたちで事態が収まり、ようやく平穏とささやかな希望が戻ったと思っていたら……。冷や水をかけられたようなラストに「人間って一生懸命生きているだけでも誰かを傷つけているものなのか」と、なんだか虚しさを感じた。

    朗読は前作と同じ方。相変わらずアクが強い。そして大熱演。すっかり慣れてしまい、別の方になったら物足りないんじゃないかとすら思う。ただ、今回の作品はもう少し抑えた朗読の方が「人間怖い」がより味わえたかもしれない。
    (※これから初めて読む方、そして本書の内容を100%楽しみたい方は、紙の本で読むことをオススメします。
    これは朗読の方が悪いわけではなく、単純にこの小説の面白さに関わるある重要な設定が、紙の本でないと活きてこないからです。)

    • ゆたこちさん
      そうそう、Audible高いんですよね~!耳読合わなかったら無駄かな~とか好きなジャンルの品揃えが少なそうだな~とか、私も始めるまでに1年く...
      そうそう、Audible高いんですよね~!耳読合わなかったら無駄かな~とか好きなジャンルの品揃えが少なそうだな~とか、私も始めるまでに1年くらい迷ってました(^-^;
      思い切って始めたら、今まで読まなかったようなジャンルも読むようになって、私は良かったです♪

      それにしても、変なところで音節区切られるのは辛すぎる…(´・ω・`)
      2023/05/25
    • ゆきやままさん
      フォローありがとうございます。
      ゆたこちさんの本棚をあらためて見させてもらって、私とめっちゃ趣味合う〜と勝手に思ってしまいました。私は映画...
      フォローありがとうございます。
      ゆたこちさんの本棚をあらためて見させてもらって、私とめっちゃ趣味合う〜と勝手に思ってしまいました。私は映画の方は別のアプリで記録してるんですけど、そっちもホラーばっかりです( ̄▽ ̄;)
      澤村伊智さんのシリーズ読破されてますよね。私も最近ずうのめを読んでハマってしまいました。短編集買ってしまいました( ´∀`)
      2023/05/25
    • ゆたこちさん
      フォローバックありがとうございます♪好み似てますよねー!(*^^*)私もホラー大好きです。
      今までは海外ホラーやミステリーを手に取ることが多...
      フォローバックありがとうございます♪好み似てますよねー!(*^^*)私もホラー大好きです。
      今までは海外ホラーやミステリーを手に取ることが多かったんですが、澤村伊智さんはたまたまAudibleで聴いてみて大当たりでした♪
      短編集は『などらき』でしょうか??感想楽しみにしていますね!
      2023/05/25
  • 以下の順番らしいです。
    ぼぎわんが、来る→読んだ
    ずうのめ人形→読んだ
    などらきの首
    ししりばの家
    ぜんしゅの跫
    ばくうどの悪夢
    さえづちの眼

  • 感想
    真琴がずうのめ人形に立ち向かえるのか?強力そうだけど大丈夫なのか!?

    結末としては今回は比嘉の活躍ではなく、完全に他力本願な結末だった。心のスキマに呪いが宿るというのが著者の見解か。笑うセールスマン?

    あらすじ
    オカルト雑誌のライターが不審死を遂げる。ライターは目がえぐりとられていた。編集者はライターの部屋にあった原稿を持ち出し、それを読む。そこにはずうのめ人形と呼ばれる都市伝説的な物語が書かれていた。

    その物語を読んだものは日に日に人形が迫ってきて、4日後に死ぬ。野崎と真琴は、ライターから相談を持ちかけられ、その物語が事実であると知る。そこには真琴のすぐ上の姉が登場し、ずうのめ人形に呪殺されていた。

    ずうのめ人形の原稿を書いたであろう里穂を探すべく。野崎たちは謎に迫る。里穂は料理研究家として有名になっていた。野崎たちの助けにも応じず、追い返すが、ホラー雑誌の編集長の戸波が家を訪ねてくる。彼女も里穂の関係者だったのだ。そして、戸波に呪いがかかる時、里穂も巻き添えになり呪いの連鎖は断ち切られる。

  • 朝宮運河さんおすすめ本第二弾。って、これも解説書いてるじゃん(笑)。もう、商売人!まんまと読んでしまいましたよ。面白かった〜。
    澤村伊智は前作『ぼぎわんが、来る』を読んでいたが、その時は面白かったけど次はいいかなという印象だった。でも今作を読み、彼のリーダビリティーは本物だなとわかった。

    この作品は二人の視点から描かれている。
    オカルト雑誌のアルバイト編集員藤間。連絡が取れなくなったライターの湯水を訪ねて、彼の遺体を発見してしまう。目玉をくり抜かれた異様な遺体。焦げ跡がついた小説原稿。勝手に持ち出した岩田に勧められて、藤間もその原稿を読む。
    小説の主人公は来生里穂。父親から逃れて隠れるように母親と弟妹四人で暮らしている。学校でも友人は少なく、図書館でホラーやオカルトの本を読み、映画『リング』を観に行くのを楽しみにしている少女。しばらくはその小説と藤間の現実が交互に描かれる。
    先に原稿を読み終えた岩田がやはり湯水と同じ壮絶な死を遂げたときには、小説内に書かれた都市伝説「ずうのめ人形」の呪いに藤間も囚われていた。

    前作でぼぎわんと戦ったライター野崎とその婚約者である霊能者比嘉真琴が再登場、藤間とともに小説の謎を探るのだが、小説内で明かされる絶望的な真実と現実に迫り来る人形が突きつけるタイムリミットに先が気になり、ページをめくる手が止まらない(笑)。そこで最悪な、出来れば選びたくない最終手段があると提示される。「呪いの根本を叩く」ことだ。それを選べなかった野崎たちに代わって、意外な人物が「呪いの根本」の前に現れる。そうか、この人があのときの!と小説と現実が繋がるカタルシスがすごい。しかも小説では巧みに隠されていた「あること」を突きつけ、根本を追いつめていくのだ。

    あらためて思ったのは、人物描写が上手いなということ。前作の妻の側から見るとわかる似非イクメンと同様、今回も周囲には被害者面をしつつ精神的に家族を支配していた父親(しかも無自覚)、話を聞くふりをして結局自論を押しつけてくる老害オタクである母親の恋人など厭だけどいるよなって人が出てくる。イヤミスを読む感覚と似てるかもしれない。里穂の隠されていた正体も含め、オカルト的な怖さ以上にヒトコワの部分が大きかった。

    • 土瓶さん
      ゆきやままさん、こんにちは~^^

      遊びに来てしまいました(笑)
      澤村伊智さんの次作は「などらきの首」ですね。
      こちらは短編集ですが...
      ゆきやままさん、こんにちは~^^

      遊びに来てしまいました(笑)
      澤村伊智さんの次作は「などらきの首」ですね。
      こちらは短編集ですが、意外に感心させられました。この人、実は短編の方が合ってるのかもと思うほどで。
      もし機会がありましたら手に取ってみてください。

      では~(^o^)/
      2023/05/28
    • ゆきやままさん
      コメントありがとうございます。
      どんどん遊びに来てください(笑)。
      この作品を読んで澤村さんにハマってしまい、でも比嘉姉妹シリーズではな...
      コメントありがとうございます。
      どんどん遊びに来てください(笑)。
      この作品を読んで澤村さんにハマってしまい、でも比嘉姉妹シリーズではなく『ひとんち』『怖ガラセ屋サン』を買ってしまいました。ほかのアンソロジーでもこの人の短編上手いなと思ったので楽しみです。
      2023/05/29
  • 久しぶりのホラー小説。

    読んで大丈夫か?怖っ、ぞわぞわビビりながらの読了。

  • 第2作目のこちらも面白かった。
    ミステリーのようなプチ驚きもあり、おもわず「ほえ~」と言いたくなる場面も多々あった。

  • 【2024年35冊目】
    いやー面白かった〜。読むと死んでしまう呪いの原稿。まるで「リング」の貞子のようにふりかかる呪い。当然のように原稿の内容も書かれているので「あっ、これ読者も巻き添えにするぞみたいな感じ?」と思いながらも、読む手を止められませんでした。

    今作の面白いところは、怪異の怖さや不可解さだけでなく、しっかりと理由も書かれていることがまず上げられますが、登場人物の感情もきっちりと描かれているので、世界観に浸ったまま読み進められることにあるのではないかと思います。

    唯一今作では呪った理由だけちょっとうーんって感じもしましたが、表面的な理由というだけで、本質のところはもっと複雑なのかもしれないなぁと思ったり。

    ホラーの要素が強めなミステリーを読んでいるのではないかと思うほど、先の展開が予想もつかず、「もうダメでは」と終盤までハラハラしました。

    人を呪わば穴二つ…呪いも怪異も怖いけど、やっぱり一番怖いのは人間ですよね。

  • 「ぼぎわんが、来る」に続いて読みました。
    ホラーとしても恐ろしいのはもちろんだけれども、それだけではなく、人間の執念、恨み、つらみの恐ろしさもしっかり描かれていて、そちらの方がより恐ろしかった気がします…。
    真実に近づいていく過程は、ドキドキしっぱなしでした…。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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