秘密の花園 (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041073827

作品紹介・あらすじ

インドで両親を亡くし、イギリスに住む親戚に引き取られたメアリ。広い屋敷のなかでひとりぼっちの彼女は、庭を散策するうちに、閉ざされた庭園を見つける。ひょんなことから鍵を手に入れ、世話係のマーサの弟、ディコンと一緒に、その庭の手入れを始めることに。さらに、屋敷内に存在が隠されていたいとこのコリンも加わり、庭の再生に熱中していく。3人が体験した奇跡とは――。世界中で愛される、児童文学の最高傑作。

感想・レビュー・書評

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  • ・はじめはなかなかページが進まなかったが、50ページをすぎたくらいから、「こんなに童心にかえりワクワクできる、花や葉や空気の匂いを敏感に楽むあの感覚が蘇るような感覚になれる物語があるのか!」と大感動。描写のひとつひとつがきもちいい。

    【印象に残ったフレーズ】
    ・物語中の登場人物たちの言動(ほぼ全てがみずみずしく、印象に残った)
    ・たとえ不快で陰鬱な考えが浮かんでもゆるぎない勇気を与えてくれる心地の良い考えとすぐさま置き換える分別があれば、誰にでも、もっと素晴らしいことが起きる可能性があるのだ。

    ・19世紀に新たに発見されたことの1つは、単なる思考でも電池と同じ位強力で太陽光と同じ位人間のためになると同時に毒と同じ位有害なものになり得る、と言うことだった。
    悲しい思いや邪悪な思いを心に抱えて生きるのは猩紅熱の病原菌を体内に入れてしまうのと同じ位危険なのだ。そうした考えが心に巣くっていたら、生きている限りそれを克服できないかもしれない。


    (訳者あとがきより)
    ・1991年、著者61歳の時に本書を出版。

  • はじめに景色や心が暗く湿った様子を描き出し、だんだんと色づいてゆき、最後は華やかで美しいものが完成する過程に感度しました。
    子供にとって秘密事ってなんだかワクワクしますよねー。自分たちしか知らない場所で隠れて遊ぶ。陰気な気持ちが晴れるのもわかります。私も小学生の頃、秘密基地でよく遊んでいたのを思い出しました。
    ページ数はそこそこあったけど割とサクサク読めました。ただ少しヨークシャー弁の訳が気になったかなぁ。とはいえ、温かみのある優しい本でとても癒されました。

  • 『小公子』『小公女』などで知られるフランシス・バーネットの代表作。

  • 最高……
    行商人の両親を亡くしてインドからイギリスの辺鄙な場所にある叔父の豪邸に来たメアリ・レノックス
    荒野が広がり、ヒースの花が春には咲くヨークシャーで育った生き物好きの少年ディコン
    生まれたと同時に母親を亡くし、精神を壊した父親に隠されて生活していたコリン
    メアリはかつて叔父夫婦が過ごしていた花園を見つけ、ディコン、あとからコリンと一緒にその庭を復活させていく
    貧乏でありながら温かい家族に恵まれ、物知りなディコンに、孤独で生意気で卑屈な少女メアリと、狭い世界で王様のように過ごしていた癇癪持ちのコリンは変わっていく

  •  多くの大人にとっての扱いにくい子どもたちが扱いにくくなくなるまでの話。子どもの精神的成長の話。扱いにくい子どもになるにはそれなりの事情がありました。良い環境とは理解ある人が近くにいるということ。それが大人ならもっと良いね。そして友達も大事よね。という話。子どもに携わる人のためのバイブル的書物とまで思う。何がこの子達を変えたのか。主役は子どもだけど登場人物の大人たちから色々学べる一冊です。

  • 子どもに関わる人にとって大切なことが全て書かれている本。

  • さすが名作、タイトルは知っていたけど読んだことがなったので
    読んでみました。
    威張り散らしている偏屈な女の子が奇妙な屋敷と秘密の花園と出会ったことで、
    生き生きと生きるようになっていく様子がとてもかわいらしく、
    ただ花を育ててなど日常的なことがとても華やかに描かれていて、
    思わずガーデニングがしたくなりました。

  • とても読みやすい訳だった。

    児童文学と紹介されているけど、児童文学らしい希望とかワクワク感がありつつ、喪失からの再生というテーマがあって、著者の人生観が伝わってくる物語だった。
    著者が61歳の頃に書いた物語とのことなので、テーマに対して結論が出ていて、それも前向きな気持ちにさせてくれるもので、とても良かった。
    大きなテーマなのに、児童文学からもらう元気ってこんな感じだよな、と感じる不思議。

    自然の描写が綺麗で、無機質なものに囲まれた暮らしだけど、意識的に近くにある自然のものに目を向けなければいけないな、と感じたし、そうしたくなった。

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著者プロフィール

一八四九年イギリスに生まれる。幼いころに父を亡くし、十六歳のときに一家でアメリカ合衆国に移住。十八歳のときに初めて、短編が雑誌に掲載される。以後、アメリカとイギリスを行き来しながら、大人向けの小説や戯曲、子ども向けの物語を多数執筆し、人気作家となる。一八八六年に発表した『小公子』は、空前のベストセラーとなった。『オンボロやしきの人形たち』は、アメリカで一九〇六年に発表された。ほかの作品に『小公女』『秘密の花園』『消えた王子』など。一九二四年、アメリカで死去。

「2021年 『オンボロやしきの人形たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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