デルタの悲劇 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 30
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041083147

感想・レビュー・書評

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  • 先月急死された浦賀和宏氏の生前最後に発表された著作。「浦賀和宏というペンネームの小説家(本名八木剛)が命を落とした」というショッキングな書簡から始まり,続くその「浦賀和宏」が書いた「デルタの悲劇」は,小学4年生の溺死事件に関わったであろう同級生斎木・丹治・緒川の視点から交互に語られる物語。この3人に罪の自白を迫るのが八木剛という設定。読んでいる最中にある仕掛けに気づいたので,冒頭に戻って読み直し。その後,1日のあいだに唸りながら三度読み返した。41歳というのはあまりに早い。ご冥福をお祈りいたします。

  • 途中からの何が起こっているの感は最高でしたが、ifの悲劇と同様に最後のタネ明かしがスマートではないかなと。

    途中までの何が起こっているの感は最高でしたが。

    作者が急逝したのは事実なので出だしは???となりました。

    2023/7/7読了。

  • 読中違和感をを感じる伏線有るものの…
    これを読み解ける人がいたらすごいなあ。
    まさにひとつ解いてはふたつ騙され、ですね。

  • 公園の池で発見された少年の溺死体。悪童3人組によるイジメの結果と疑われるが影の薄い少年の事件は未解決のまま時が過ぎた。それから10年後、少年の幼なじみを名乗る男が3人の前に現れる。事件の真相を暴こうとする者と隠そうとする者の攻防、三角形の悲劇の始まり。

     冒頭で度肝を抜かれる。この「デルタの悲劇」は作家・浦賀和宏の遺作であり、不慮の事故で命を落とした息子の代わりに母親が上梓したのだという。無論この作品の発表段階では現実の浦賀氏はご存命であるから、この作品は浦賀氏が生前に自身を故人として扱い遺作という形をとったフィクションの物語である。この作品から2年後に本当に亡くなってしまうのだから何とも不思議な感覚である。
     そのようなわけでこの作品は浦賀氏が悪童3人を追い、真実の究明のために残したデルタの悲劇という作中作品である。トリックてんこもり、超絶技巧、最後の一行を作者とともに忘れることはないだろう。

  • 複雑、何度も何度も読み直した。
    作品としては大変作り込まれていて、作者の「トリックをこう考えたんだぜ」という意図が見え隠れ。あまり好みではなかった。

  • 作者が登場人物として出てきたときはびっくりして声出た、短くて読みやすい!
    そしてこれはフィクションなのかノンフィクションなのか最後までずっと考えながら読む

  • これが生前最後の刊行作品だったのか……と思うとなんだか微妙な心地になります。殺されちゃってるんだ、浦賀さん!
    殺されたミステリ作家が遺した、事実に基づく作品「デルタの悲劇」。小学生時代に悪童三人が関わったいじめと死亡事故。事故として処理されたことに安心し鳴りを潜めていた三人に、十年の時を経て迫る追及の手。自分の生活を壊される怯えと、過去の罪の意識に苦しむ三人。彼らの運命はどうなるのか、そして彼らに迫る八木の目的はいったい何なのか。さらに過去の事件の真実もまた明かされることになるのか、サスペンス感溢れる読み心地で手が止まりません。
    読み終えて……見事にしてやられたなあ、としか。とある目論見については見破ったと思ったのだけれど、仕掛けられていたのはそれだけじゃなかったのか! これには舌を巻くばかり。最後の最後まで気が抜けません。あと、解説を書いてるのがあの人だってところにはにやりとしてしまいました。

  • 2回は読む必要がある作品です。
    最後まで読んでから改めて読み返すと、改めて楽しめる小説だと思います。ただし初めてこの作家の作品を読まれる方は別の小説をおすすめします。他の小説の登場人物も顔を出すためです。

  • 星3.5. 叙述トリックが好きならば薦められる

  • 面白かった。途中から、ん?ってなりながら最後まで読んで、また気になったところに戻って読み直しました。初めて読んだ浦賀さんの作品だったんてすが、亡くなったんですね。残念です。他の作品も読んでみようと思いました。

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著者プロフィール

1978年、神奈川県生まれ。1998年、『記憶の果て』で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー。『時の鳥籠』『頭蓋骨の中の楽園』など、著書多数。2020年、急逝。

「2020年 『こわれもの 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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