まほり

著者 :
  • KADOKAWA
4.03
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本棚登録 : 912
感想 : 106
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041085592

作品紹介・あらすじ

4年の沈黙を破り、『図書館の魔女』の著者が描く驚天動地のミステリ

「まほり」とは何か?

蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習
膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実

大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?
『図書館の魔女』の著者が放つ、初の長篇民俗学ミステリ!   

感想・レビュー・書評

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  • 残念だが、エンタメとしてはあまりレベルが高いとは思わなかった。物語をドライブする力量が足りないかな、と感じた。

    まず、冒頭で謎が提示されるけれども、それほど物語を進めるほどの謎じゃない。それなのに、主人公や少年がのめりこむ。そこに読者は乗れない。

    その上、中盤はだらだらの展開。民俗学や史学に関心のあるむきにはいいだろうが、専門につっこみすぎて、物語の展開がおろそかになっている。山里や神社の位置関係などもよく頭に入ってこない。タイトルの「まほり」がやっと出てくるのが、294ページ。ちと長いかな。

    さらに、真相。驚きがさほどないうえに、現代という設定ではリアルがなさすぎる。三津田信三作品のように戦後まもなくとかに舞台を設定すればまだ説得力はあるが…。歴史玄人好みのミステリ、といったところかな。

    とはいえ、作者の本意ではないかもだが、主人公・裕とヒロイン香織の掛け合いは意外と面白いところ。2人の方言のじゃれあいは楽しく読めた。

  • 『図書館の魔女』はファンタジーだったが、この作品では現代の日本が舞台の伝奇小説。(最近、伝奇小説と言わないかも。著者紹介では民俗学ミステリと書いてあった。)不思議なお札、謎の美少女、里神楽。フィクションなのに、古文書の写真がいくつも出てくるのには驚いたが、文献を辿って真相を探るのは、図書館の魔女に共通するところもあるかもしれない。おすすめです。

  • 宗教的なホラーというレビューを見て
    どんな感じかなと。
    特に“ソレ“という存在がいるわけでもなく、
    どちらかというと宗教などの歴史を
    どんどん解き明かすという内容。

    閉鎖的な集落なんてどこにでもあるし、
    生贄や儀式なんてものは、
    意外と田舎の山奥にもしかしたらあることなのかもしれない。

    とにかく、歴史的な話が多くて
    日本史の教科書を読んでいる気分になったけど、
    この部分が凄く大事で
    最後には諦めずに読んでいてよかったと思った。

    タイトルのまほりの意味が分かったときは
    鳥肌が止まらなかった。

  • とても面白かった!
    読み終わった後、余韻に浸ってぼーっとしてしまった。しばらく他の作品を読む気が起きないほどの没入感。夏に読むのにぴったりで、外の蝉の声も雰囲気作りに一役買ってくれた。
    手元に置いて再読したい本。

    読み始めて、どう展開していくのかさっぱり分からなかったが、とにかくワクワクが止まらなかった。
    序盤から不穏な気配が漂っていて、具体的に怖いもの、ことは出ていないが忌々しい何かを感じる。
    最初、淳は裕の父親で淳が見つけようとしていた女の子が裕の母親かと思っていたので、祭りで同じ世界線にいたことが分かり驚いた。
    ただ、裕の母親が片眼だったことからやはり母も贄であり、宮司が裕に対して強く出られなかったのは、過去同じように裕の父が母親を救い出す際と重なったからかもしれない。儀式は行われてしまっていた後だったが。
    裕は人付き合いは苦手で女性に対して慣れていないと言っておきながら、香織への対応が全て正解!で、2人のやり取りが微笑ましかった。
    専門家の朝倉氏も古賀氏もそれぞれ考え方は違うがお互いに認め合っていて素晴らしいし、桐生先生も少ない資料からズバッと核心をついてきてインパクトが強い。

    とても面白い民俗学ミステリーだが、差別性にも触れていて色々と考えさせられる内容でもある。
    巻末に参考文献がないのは何か理由があるのかな?あくまでフィクションということで、参考文献を載せてしまうと地域などが特定されてしまい誤解が生じてしまうからかな。

    文章の言い回しは癖があり内容も少し難しいが、その辺りはふんわりと受け取って、ぐんぐんと読み進めたくなる面白さがある。
    読んだ誰かと語り合いたくなる作品。
    本作が好みでお山も好きなら『オオカミの護符』もおすすめ。

  • め、めちゃくちゃ面白かった〜!!!あまりにも好きすぎて読んでる間ずっとワクワクが止まらなかった。最高〜!!!

    ホラーミステリーとしてはもっといくらでもグロい話怖い話が世には溢れているけれど
    この作品は徹底してリアルで、史実の裏付けもあってのものだから、派手なフィクションよりも余程迫り来るものがある。

    ここまで面白いと感じられたのは、話の造りの巧みさは勿論のことだけど、とにかく私の好きな題材だからっていうのは大きい。
    怪談の構造、広まりやすい都市伝説の持つ条件、書き残された歴史には「書き記されたという時点でそこに書き手の意図が含まれる」話、「口にしたり書き残したりしにくい厭な言葉」は言い換えられていく話、山奥の祠、目隠しをされた巫女、もう、あの、そういうの大好きだ!!
    読んでよかった〜!!

  • 蛇の目紋の禍々しさや、古くからの因習が絡んでいてホラーのような雰囲気を醸し出す。膨大な古文書(でいいのかな古い民俗学の文献)を読み解きながら(ここがかなり大変だった)少しずつ真相に迫っていく。裕と香織が親密になっていく辺りでちょっとにこにこしてしまう。女の子を救おうとする淳くんがひたむきで良い。最後の最後お母さんの出自に関わる大きな情報にギョッとさせられたがそこはそこで終わりなの?
    言語学の桐生朗先生がいい味を出している。また活躍しそうな…。

  • いや、だめだ、情報量多すぎ
    こういうのが好きな人がいるのは理解できるけど私には無理だ
    半分の厚さでまとめてくれたら万人受けしそう

  • 途中から鳥肌が止まらない。古文書の解読で漢文、古文が出てくるが、その後に会話文などで平易な言葉で言い換えてくれるので割とわかりやすい。
    最後まで読んでよかった!

  • まほり読み終わりました。
    いや〜ほんっとなんなんですかね?
    笑笑
    いやもう〜色々と疲れました笑笑
    いい意味でね!
    もう〜とにかく!鳥肌が止まらない
    (´༎ຶོρ༎ຶོ`)ヤバいの一言に尽きました
    このままだとヤバいしか言わなくなるので笑笑
    よし!とりあえず!あらすじを言っていきまーす


    蛇の目紋に秘められた忌まわしき因習
    膨大な史料から浮かび上がる恐るべき真実

    大学院で社会学研究科を目指して研究を続けている大学四年生の勝山裕。卒研グループの飲み会に誘われた彼は、その際に出た都市伝説に興味をひかれる。上州の村では、二重丸が書かれた紙がいたるところに貼られているというのだ。この蛇の目紋は何を意味するのか? ちょうどその村に出身地が近かった裕は、夏休みの帰郷のついでに調査を始めた。偶然、図書館で司書のバイトをしていた昔なじみの飯山香織とともにフィールドワークを始めるが、調査の過程で出会った少年から不穏な噂を聞く。その村では少女が監禁されているというのだ……。代々伝わる、恐るべき因習とは? そして「まほり」の意味とは?

    と言う事です。( ・∇・)
    読み終えた感想は
    主人公が秀才なだけに
    めっちゃ難しい史料を調べていくんですが何のこっちゃ訳わかりません笑笑笑笑
    一瞬挫折しかけましたが笑笑
    が!徐々にですが頭の悪い自分でも
    話の内容が分かり、少しずつ村に伝わる因習が理解できたので安心してください(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎
    あ、理解し始めたら
    安心しないでください
    そこからまほりの沼にハマっていきます(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
    ガチでゾッとしまくります(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

    そしていざっ!ラストが始まると
    村に伝わる恐ろしいぃぃ〜
    因習が解き明かされていきまっ、、、
    イヤァァァー!ヽ( ̄д ̄;)ノ=3=3
    すいません。取り乱しました。
    最後まで鳥肌が止まらなかったです
    読み終えた後もゾッとしてしまいました。(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)

    読み終えて思った事はやっぱ!人間ってこえぇぇぇ〜人怖っっ(´༎ຶོρ༎ຶོ`)
    と思いながらも合間、合間の主人公とヒロインのやり取りに笑わせてくれるシーンなどもあるので色々と楽しめる作品だと思いました!
    とても面白かったです!!
    機会があれば是非是非是非っ!!
    読んでみてください!
    ありがとうございますʕ⁎̯͡⁎ʔ༄

  • すごいすごいとは聞いていたけど、予想以上だった。小説を読んでいるというよりなんだろ?研究を眺めている…ような。
    少しずつ明らかになっていく土地の歴史…というか風俗というか。”まほり”の意味がわかる場面は鳥肌なしでは読めない。
    一次資料に当たるってこういうことなんだな〜と思いつつ、”史料が残っている”ということそれ自体が虚実を表す…みたいな話が印象的だったな。

    今月からの新連載を読む前にまほりを読んでおかなきゃ!と積んであったのをやっと読んだんだけど、やっぱりこういうのって、自分にとって本当に必要なタイミングで手が伸びるものだなとしみじみ思った。

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著者プロフィール

2013年『図書館の魔女』(第一巻~第四巻)でデビュー。デビュー作が和製ファンタジーの傑作として話題となり、「図書館の魔女シリーズ」は累計32万部を記録。著書に『図書館の魔女 鳥の伝言』(上下)がある。『まほり』は著者初の民俗学ミステリ。

「2022年 『まほり 下』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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