女だてら

著者 :
  • KADOKAWA
3.50
  • (3)
  • (11)
  • (12)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 118
感想 : 11
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (424ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041094228

作品紹介・あらすじ

文政11年、筑前秋月藩の漢詩人・原古処の娘みちは、秋月黒田家の嫡子の急死の報を受け、密命を帯びて若い侍に姿を変えた。錯綜する思惑に陰謀、漢詩に隠された謎。彼女は変装術と機転を武器に、危機を切り抜ける。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 秋月藩(福岡)の女性放浪詩人・原采頻(はら さいひん)をモデルにした本作。江戸時代の話だが、自由奔放に生きる傑物は時代に関係なく世に現れるものだ。儒学者の娘で父と遊歴の旅を重ね、父亡き後は単身江戸へ赴き、漢詩人となった女性。大柄の美人で豪放磊落、大酒のみ、剣を使い、時には男装で闊歩した。まるで漫画のような世界を地で行ってたなんて驚く。
    秋月黒田家お家騒動の内幕を背景に、采頻を”みち”と云う名前で登場させ歴史小説に仕立てる巧みな術! 小説を読まなければ原采頻を知ることはなかっただろう。

  • 史実をもとにお家騒動の顛末を作品に仕立て上げた諸田さんあっぱれです。
    原みちさんが実在の人物なだけに、ほんとにあった事だと思ってしまいました。女が不自由に生きていた江戸時代に、こんな才知あふれた女性がいたとは・・・不自由ななかにも頑張っている女性はたくさんいたと思うので、もっとこんな女性に光を当ててほしいなあ。

  • ◆密命帯びた男装のヒロイン [評 奥山景布子(作家)]
    女だてら 諸田玲子著:東京新聞 TOKYO Web
    https://www.tokyo-np.co.jp/article/50400?rct=shohyo

    【BOOK】男性はみちに恋して元気になって 女流漢詩人の半生を歴史ミステリー仕立てに 諸田玲子さん『女だてら』 - zakzak:夕刊フジ公式サイト
    https://www.zakzak.co.jp/lif/news/200816/lin2008160002-n1.html

    女だてら 諸田 玲子:文芸書 | KADOKAWA
    https://www.kadokawa.co.jp/product/322001000220/

  • 漢詩人原采蘋の半生と秋月黒田家のお家騒動をうまく重ねて調理し、時代劇として極上のエンターテインメントに仕上がっている。男装の麗人というだけでも楽しいのに周りの敵味方含めて多彩で謎めいて、ハラハラしどうしの一気読み。

  • 頭の中は、宝塚モードになってしまいました。
    天海祐希さんだったら、あるかもよー。
    などと脳内画像総天然色で楽しく読みました


  • 実在の女流漢詩人 原采蘋の日誌の空白期間の事件です。秋月黒田家のお家騒動。そして恋人の田中藩士の石上玖左衛門も実在です。大柄で大酒飲みで剣も強く、男装もしていた!

  • 命を掛けて京から江戸へ共に旅をする中で育まれる友情と信頼。そして恋心。

    江戸についてからは展開がドタバタと早く、事が上手く運びすぎたり、道中、みちが女子とバレない設定は違和感あり。

    協力と裏切りの忍びも、最後は手助けして去っていくのは良かった。

    長編ながら読みやすい作品。

  • 読むのに、少し時間がかかってしまった本である。

    原采蘋(みち)という女流漢詩人という実在の人物が、主人公として登場する。
    「采蘋の 女だてらに 立ち小便」の川柳まで残っているのだから、とても、普通の女性ではなかったであろう。

    先日、今井絵美子氏の「すこくろ幽斎」シリーズを読んだところなのだが、その中で、養護院の子供達が、描かれている。
    親に死に別れたりして、それも非情な事態で、みなしごになった子供達が、描かれているのだが、・・・・
    ここでは、家柄も良く、頭脳もそして容姿端麗なる女性が、主君のお家騒動で、身を男にして、奮闘する姿が描かれている。
    何が、本当に、幸せなのか?と、思ってしまう。

    そして、みちの母にしても、古処と白圭という稀代な才人が居たにも関わらず、先に逝かれ、今、又一人娘のみちを密命を持ち、旅へと送る気持ちは、どうであったのだろうか?

    みちも、密命も果たしたのち、学問で、身を立てる事に・・・
    この時代、女が、旅に、それも一人旅、そして、密命を持ちながら、江戸という遠い場所へ それも、身を女を隠して、男姿で、行かねばならななったみちは、悔いはなかったのだろうか?

    幸せとは、何なんだろうか?と、何度も考えさせらる本であった。

  • 実在の女性漢詩人原采蘋が主人公というから読んでみたがほぼ創作ミステリで思ったのと違った。せっかくだからと速読してあらすじだけ追う。冒頭か後書きを確かめてから読むか決めればよかったと後悔。好みに合わなかった。

全11件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

諸田玲子
静岡県生まれ。上智大学文学部英文科卒。一九九六年『眩惑』でデビュー。二〇〇三年『其の一日』で吉川英治文学新人賞、〇七年『奸婦にあらず』で新田次郎文学賞、一八年『今ひとたびの、和泉式部』で親鸞賞を受賞。著書に『お鳥見女房』『あくじゃれ瓢六』『きりきり舞い』シリーズのほか、『四十八人目の忠臣』『波止場浪漫』『帰蝶』『女だてら』『尼子姫十勇士』『しのぶ恋』など多数。

「2023年 『其の一日 増補新版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

諸田玲子の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
今村 翔吾
小池 真理子
東野 圭吾
浅田 次郎
凪良 ゆう
三浦 しをん
柚木 麻子
桐野 夏生
永井 紗耶子
凪良 ゆう
朝井まかて
辻村 深月
村山 由佳
澤田 瞳子
平野 啓一郎
西條奈加
米澤 穂信
原田 マハ
恩田 陸
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×