紙屋ふじさき記念館 物語ペーパー (角川文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041097755

感想・レビュー・書評

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  • 「本美濃紙」
    想い出から生まれた物。
    色々な種類の紙が一冊に綴じられているだけでもワクワクしそうだが、それぞれ中身が違うとなると選ぶ楽しみも追加されるだろうな。

    「garden diary」
    勝ち負けばかり考えて。
    過去の出来事から個人的に関わりを持ちたくないのだろうが、公私混同どころか仕事内容にまで口出しをするのは流石にやり過ぎだろ。

    「物語ペーパー」
    思わぬ所に並んだ作品。
    有名ではなく知る人ぞ知る作家だったからこそ驚いたのだろうが、古書でしかない存在しない全作品が並べられていたら嬉しいだろう。

  • 最初は和紙のことなんかぜんぜんわからなかったのに、自分からぐいぐいとつかみに行き、名古屋で紙こもの市があれば、帰りに岐阜によって紙漉きの体験をしてきたり。「わたしが望んでいるのは、和紙をいまの世の中にふさわしい形で生かすこと。そのために若い百花さんにしかできないことがある」(p.44)と期待をかけられ、終章では、作家だった亡き父の作品を引用した蝋引きの美しい物語ペーパーを企画し、受け入れられ、館長の藤崎さんに「大丈夫だよ。うちの商品のことは吉野さんがいちばんわかってるだろう?開発者なんだから」(p.241)と声をかけられるまでに。"人はみんなひとりなんだ。だから生きているあいだは、まわりにいる人といっしょに過ごそう。"耳の奥に父の声が響く(p.286)というフレーズが流れる中閉じられる物語。悩みのタネといえば、館長の藤崎氏に激しい対抗心を燃やす次期社長候補のいとこ浩介が、記念館の仕事を本社に移管しよう移管しようとすることか、と。

  • 和紙の灯りとか、和紙のグッズが欲しくなります。
    『紙はむかしから強い力を宿すものだった』
    「人はみんなひとりなんだ。だから生きているあいだは、まわりにいる人といっしょに過ごそう。」

  • 伝統工芸は芸術とはまた微妙に違うところと、
    似たところを持っていて。それだけにジャンルという大きな括りだと
    見逃してしまいそうな、物への愛情と歴史と誇りが、
    和紙という物を通して語られていると感じた。
    クリエイティブとは、というところにも繋がる面白さがある。

  • 和紙をテーマにした小説のシリーズ二作目。
    今回は手漉き和紙で有名な美濃市での和紙作りの体験をメインに、手漉き和紙の作業工程、現在の美濃和紙の実情などを織り込みながらストーリーが展開していく。
    登場人物たちに美濃市での体験や観光をさせながら、読者に和紙や美濃市の魅力を表現している。単なる和紙の作業工程や観光案内では伝わらないであろう内容が小説という形で表現され、それほど和紙に興味がない人にもその魅力が伝わりやすいと感じた。

  • 主人公は友人・館長と共に美濃市を訪ね、街歩きや紙漉きを体験し紙の知見を深める。館長のいとこの営業課長がデザイナーと共に記念館を訪ねるが、彼は館長とは不仲で記念館不要論を唱え、和紙に興味を示したデザイナー絡みの仕事にも横やりを入れてくる。日本橋に館長の先輩が書店を開き、そこで記念館とコラボ商品を開発することになる。折々に商品開発のヒントを提案する主人公の成長、記念館存続に意欲を持ちはじめる館長。美濃市や日本橋など、行ってみたいところがまた増えました。こんなご時勢でなければ、すぐにでも行くのに。残念ですが、コロナ開けの楽しみが増えたと思えば良し。

  • やっぱりいいなぁ、和紙って。というか紙自体が好きなんだけど。美濃の街も行ってみたいし、紙漉きの体験もしてみたい。
    前回も思ったけど、とりあえず日本橋にある「はいばら」や「小津和紙」「川島紙店」には行ってみたい。
    こんな場所でアルバイト出来る百花が羨ましい。和紙をいつでも見ていられるなんて…今回は薫子さんの出番がなかったのが寂しい。その代わり淵山さんという素敵な女性が登場したので、いいか。

  • 一作目を読み終えたときの続編への期待感をはるかに越えてきました。和紙、もの作り、人の繋がりや"想い" に対して誠実な作品だなって感じます。

  • 伝えたい思いがあるっていいな。思いがあれば、物の見方も変わるし、新しい発想も生まれる。文具沼ははまったら深そう…。

  • 今回も紙満載で(紙の物語なんだから当たり前なんだけど)テンションが上がった。小学生のころ、紙すき体験をしたことがあったが、あまり感動もなかった。いまやってみたらまた違った印象になるかも。紙の蔵の宿、行ってみたいな。

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著者プロフィール

1964年東京都生まれ。作家・詩人。95年「影をめくるとき」が第38回群像新人文学賞優秀作受賞。2002年『ヘビイチゴ・サナトリウム』が、第12回鮎川哲也賞最終候補作となる。16年から刊行された「活版印刷三日月堂」シリーズが話題を呼び、第5回静岡書店大賞(映像化したい文庫部門)を受賞するなど人気となる。主な作品に「菓子屋横丁月光荘」シリーズ、『三ノ池植物園標本室(上・下)』など。

「2021年 『東京のぼる坂くだる坂』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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