先生と助手、一般的な倫理観からするとぶっ壊れてる先生、ミニミニ核実験、人の心にだけ作用する爆弾、記憶を操るガム、人工的に作ったアリなどなど。助手のことを心配して頼りにしてるようで、初手は冷徹に思える、それを危ういなと思いつつ淡々と受け入れてる助手の関係もまたよき。

2024年4月27日

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読書状況 読み終わった [2024年4月27日]
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読書室ポワロで読んだ中江有里「万葉と沙羅」の影響が自分の中に色濃く残り、夜分に唐突に無性によみたくなり居ても立ってもいられず福永武彦「廃市」目当てでKindle購入。◆おそらく柳川をモデルにした風情あふれる水郷。
けれどそこは退廃に満ちた時の止まったと住む人も自嘲する街だった。そこへ一夏の勉強場所として宿を借りた青年が出会う人々。綺麗には結べない、いびつな五角関係が描かれる。見ないようにしてたのか蓋をしていたのか、最後の最後に自分の気持ちに気づくだなんて。◆他の短編、「未来都市」はまだ読めたが、「飛ぶ男」「夜の寂しい男」など何篇かはまったく肌にあわず、すべて読むこと能わず。

2024年4月22日

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円錐書店で購入。「旅粒 4」を持っていたので、見かけて思わず手に取る。一番の決めては根室の写真かな。巻頭の焼き物の人の話もなかなかにぶっとんでてよかった。上海、根室、釧路、白老、札幌など、移住してきたアーティストの人にインタビューした記事も読み応えありでした。飛生芸術祭を企画した人の話とかはとくに。

2024年4月21日

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「読書会という幸福」つながりで。そこで、事前に優柔不断と読んではいたが聞きしに勝る優柔不断、アドルフ。伯爵の愛人に熱烈にせまるも、ついに関係を結ぶが、あっという間に熱は覚めてしまい、なのに別れられない。周囲からどんだけ言われても、逆に意固地になり、別れると決意する、果たせず、心にもなく愛してるとつげてしまう、以下ループという道行きは最後には…と。三島由紀夫は再読三読に耐える小説といえば「アドルフ」と言ったそうだが、今はその気にはなれないぐったりとした読後感。解説の"『アドルフ』はたしかに小さな物語だ。延々ぐずぐずとして、最初から最後まで正解らしい正解のでてこない、なるほど「性質のパッとしない」小説だ。しかし、その小ささに、そのぐずぐずさに、その正解のなさに、その「性質のパッとしな」さに、読むものは身につまされる思いをするのである。"という一節に頭をたれる。◆存在するものはなんであれ、おのずと伝わってしまうものなのだ。◆消えかけた愛情を搔きたてようとしたところで、義務感からなされた決意などに、なにができるだろう?◆ずるずると長引く恋愛関係には、それほど根深いなにかがある! そうした関係は、気づかぬうちに、われわれの生活の深部になってしまう。◆わたしは自由だ。わたしはもう誰かの愛しいひとではなかった。世界じゅうの誰にとっても異邦人だった。

2024年4月17日

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円錐書店にて購入。小説版微熱少年に絡むのかな、と思ってたけどそれはぜんぜんなかった。執筆当時の昨今の歌謡曲、歌詞、歌手のこと、アメリカへの旅、アメリカへの想い、ソウルミュージックへの愛とレビューといったところか。カーティス・メイフィールド、一曲しか聴いたことなかったけどもっと聴いてみたくなった。

2024年4月19日

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いよいよ函館から平取の手前まで、アイヌに触れ、アイヌ文化を知るために向かう平取までの旅路。その旅程で、産地と異人たちを結んで商売をする異人仲買のお由と知り合い、伊藤の気持ちが傾くのを目の当たりにする。伊藤が差別されしいたげられてきたことが語られ、その伊藤をもってしても、アイヌを差別することはやめられない様が描かれ。もっとも、伊藤にフラットな目でみてほしいと思うバードも、バックには大英帝国という権威を背負っていて、大英帝国といえば…といったことまでは語られない。平取の酋長の、あなたがたは突然押し寄せてきて一方的に法をまもれという、こちらは和人の言葉も文化も学んだのに、なぜあなたがたはアイヌを知ろうとしないのか、という静かな説諭が響く。

2024年4月15日

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金の皇帝が亡くなって…と思ったら三年経ってた。アイラにとって叔父にあたるウキマイが即位、アイラの兄たちは遼の残党を掃討、アイラは宋と金との架け橋になろうと康王との関係を深め、康王もそれに応え…と。凛之の元婚約者が急に凛之たちに接近、遼の割符を持つという男のアイラへの接近、ときな臭い動きは続くが…と。フィクションではあるが宋人の金人への態度とか考えとかこんな感じだったのかなあ、と感じたり。徽宗が腕をふるってきたとされる書画は、現在のこっているものは徽宗が統括して花押を押しただけで、画院のメンバーがつくったもの、いや皇帝本人によるもの、と諸説あるのだとか。

2024年4月16日

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亡き母アイの役を演じるためにもがき苦しむルビー。B小町の元メンバーと話したり(アイへの錯綜する思いはYOASOBI「アイドル」そのもの)、有馬かなが意識してヒールとして振る舞いルビーの感情をかきまわし、そこから…といった巻か。それとあわせて、アイのアイドルになるきっかけ、アイドル時代が語られ。ちらほらとでてくるカミキヒカルの存在感が不気味。

2024年4月18日

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読書室ポワロにて。離婚を申し出られた沙也加が、夫の行きつけの定食屋「雑」で働き始め、ぶっきらぼうなぞうさんに最初は戸惑うが、メニューの提案をしたり、お客とうちとけたり、新しいメニューや調味料を提案したり、離婚の相談をしたりで、いつしか打ち解け、戦友のようになり。語り手は沙也加、ぞうさん、常連客の高津と入れ替わり立ち替わりで。30代、70代女性の連帯がうまれ、お店も順調にいって、といったfinかと思いきや、最後の章でいきなりパンデミックの現実が入り込んできてちょっとおどろき、と。ただ、ストーリーの開始時点から、ぞうさんも沙也加もいい方向に変わっていった、本人たちもそれを自覚している、という感じがすごくよかった。最後の方の「もしかして、次は私がぞうさんって呼ばれるんでしょうか?」という沙也加のセリフからはじまるやりとり、すごく好きでした。◆名前を呼べたのはわかったからだ。彼女がやめても悲しくない、と。彼女がやめるとしたら、それは彼女の側の理由でこちらが悪いわけじゃない。だから責任を感じる必要もないのだ。この子はそういうちゃんとした大人なのだ、と。◆あんた、すぐにさびしいって言って、人をさらっと誘えるだろ?そういう人間は一人にはならないよ◆「一つも売れなかったら、どうしようかねえ」「それでも、売るんです。売れるまでやるんです」

2024年4月13日

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坂本龍一関連の著作や雑誌の特集を何冊も読んでいくと、よく語られているが現物は見たことのなかった一冊、思い焦がれてた一冊を円錐書店にて入手。未刊行図書目録の名の通り、既刊の本、あるいはあったらいいなの空想の本を、斬新な装丁で刊行したらどうなるかなという空想図会。モノとしての本をとことん突き詰めた、呪術的、物神的な作品がたくさん見られたの眼福。一定時間経つと燃え始める本、知りたいと知らせてなるものかのせめぎあい。鉄製の表紙、錆止めは塗らず、読むたびに赤くなる手、開くたびに音が鳴る。すべてタンパク質でできていて、読むたびに分解していき、一年後には消失。遊び心に満ち溢れていて楽しい。安西水丸さん想定シリーズはどれをとっても、ああ水丸さんだなあという趣にあふれ、特にジョン・ケージ「きのこ図鑑」が極北だと思った。何度も見てしまう。浅田彰-坂本龍一対談では、線的な受容しか許さないカセット、レコード、ビデオテープの窮屈さが語られ、ランダムアクセスできる本の優位性が語られる(何度もランダムに読んだり、索引使って該当箇所だけ読んでくうちにファミリアになるという浅田彰)。ただ両名がここで語った音楽と映像のありうべき、求める受容の仕方は、四十年後ほぼかなっているなあという実感。そういう意味では先見の明があったんだろうな。

2024年4月13日

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やりきった感のある自主制作映画と上映会、ともだちとのドライブ、キャッチボールしながら話す本音、ともだちが取った大きな賞、ともだちの個展、役者つづけないんですか?という問いかけ。故郷に帰る友。うらやましくてすねた自分の気持ちにも正直で、楽しいときがずっと続くと思ってたのにそうはいかないと悟ったときの思いだったり。ああ、青春だなあ、と。

2024年4月11日

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アンナ自身も、周囲も、家族が増えたり、亡くなったり。また皇帝たる父のまわりで、政治や軍事を語り、女性の地位向上をはかり、ついには戦場にも同行し。しかし、姉弟関係は悪化の一方で、ついには公衆の面前で姉へ異端の疑いをかけることで決定的に。史実だからどうなるかはわかっているのだけれど、それでも目がはなせない、まだ息のある父から印章を奪い、即位した弟をぜったいに潰すと誓ったアンナの行く先を。

2024年4月11日

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疲れた人にそっと夜食を届けてくれるクマ、シャケ、猫、ゴリラなどなど。ときには朝食も。疲れた心と身体にほっと。クマがシナモンロール売ってた、猫がシチューを売ってた、ゴリラがチョコバナナスコーン売ってたでもりあがる職場、まざりたい。黒いふわふわが、そっと届けたおにぎりが食べてもらえなくて泣きそうになり…でも最後は…のところでこっちが泣きそうになった。北海道チーズ蒸しケーキに焼き+バター!すごくやりたい!。途中、夜食を届けるほうのクマさんがうつっぽくなって、動けなくなって、けど最後はもどってきて、また笑って働けるようになったのすごくほっこりしました。あと、魔王がいい人すぎて泣きそう。

2024年4月10日

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まさか続編が出るとは。老いたルシウスが主人公。しっかりものの息子はいるが、妻さつきは行方不明中。浴場技師としてのプライドを持ちすぎて、仕事を断ってばかりだったが、アントニウス・ピウス帝の命令で、各地の浴場を整備し評価されていく。そのヒントはもちろん!温泉で溺れて、現代日本の温泉にワープすることで得られる!と。箱蒸し風呂に入ったピウス帝が、傍目には死んだのかと思われるくらい寛ぎきってる絵が最高でした。

2024年4月8日

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