小説 滑走路

  • KADOKAWA
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感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (200ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041097939

作品紹介・あらすじ

いじめや非正規雇用など、自らの経験をテーマに短歌を発表し続けた萩原慎一郎。その初の作品集にして遺作となった歌集『滑走路』は、異例のヒットとなった。
同書を原作とする2020年秋公開の映画「滑走路」の小説版を、藤石波矢が執筆。

厚生労働省で働く若手官僚の鷹野は、激務の中で仕事への理想も失い無力な自分に思い悩んでいた。ある日、陳情に来たNPO団体から、非正規雇用が原因で自死したとされる人々のリストを持ち込まれ、自分と同じ25歳で自死した青年に関心を抱き、その死の理由を調べ始める――。
一方、30代後半に差し掛かり、夫との関係性や将来への不安を抱える切り絵作家の女性、幼なじみをかばったことでいじめの標的にされてしまった中学2年生の学級委員長の男子は、それぞれのフィールドで精いっぱい日々の生活を送っていた。
複数の人生が交差し、葛藤しながらも前に進む姿を描いた人生賛歌の物語。

映画の主演を務めるのは水川あさみ。切り絵作家・翠役を演じる。非正規雇用者の自殺問題に向き合う25歳の官僚・鷹野役に浅香航大、いじめの標的にされる中学2年生の学級委員長役に寄川歌太。脚本は『やめるときも、すこやかなるときも』の桑村さや香、監督は『マチネの終わりに』などの助監督を務めた大庭功睦。

感想・レビュー・書評

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  • 2021年6冊目。

    映画『滑走路』を先に観賞。

    いじめられていた幼なじみの祐翔の代わりに苛烈ないじめを受ける隼介、
    厚生労働省の官僚として激務をこなし、眠れぬ夜を過ごす鷹野、
    高校の美術教員の夫と暮らす切り絵作家の翠。
    三者三様の物語の交わりが明らかになったときの驚き。
    『歌集 滑走路』から、こんな、つらく、でも、少しだけ希望の見える作品が仕上がるとは。

    優しい人が報われる、生きていける世界でありますように。

  • 水川あさみさんが大好きで、
    舞台挨拶がある日に映画を先に。

    出演者の演技もすばらしかったけど
    本を読んだら、映画を観たのは結構前なのに
    昨日みたいに頭に浮かんでびっくりした。

    相手を思いやるようで傷つけることば
    一見傷つけるようで思いやることば
    ってそれぞれあるなと思う。
    もちろんわかりやすく思い遣るのが
    1番いいんだろうけど。

  • 良かった!でも残念すぎる。
    もっと強く生きて欲しかった。

  • 登場人物の名前をうまく使って
    それぞれの視点から物語が進んでいたことが最後に近づくにつれわかりすごく面白かった。
    また現代の社会問題に触れる部分もあって興味深い作品だった。映画を観たくなった。

  • 歌集の滑走路が気になったのだけれど、
    小説が先に手に入ったので、読んでみた。
    歌集を基にした映画がすでに作られていて、
    それをさらに下敷きにした小説だそうだ。

    姓と名を巧みに使い分けて、
    バラバラに見えていた風景が、少しずつ一つに重なっていく。

    暗い過去があって、
    そこから抜け出せずに落ちていく者がいて、
    逃げている者がいて・・・

    時を経て、再会をして、
    なんとなくほの明るい未来が見える感じがあって、
    だから「滑走路」なのだろう。

    歌集を早く読んでみたい!

  • 音訳ボランティアで読んだ本

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著者プロフィール

1984年 東京都生まれ私立武蔵高校・早稲田大学卒業。りとむ短歌会所属2017年6月8日逝去(享年32)

「2020年 『歌集 滑走路』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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