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感想・レビュー・書評
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最近、某朝ドラきっかけで短歌に興味を持ち始め、そんな折にTwitterで話題になっていたため購入。口語で書かれる短歌はスッと心に入りやすく、繊細で瑞々しく、時にきりきりと心を締め付ける。三十一文字だからこそ伝えられる、喜怒哀楽。特に、非正規での日々を綴った歌は身につまされるものが多く、胸を抉られた。
「滑走路」というタイトルが本書にとても合っている。飛び立てそうでなかなか飛び立てない、飛べたとしてもうまく飛べない、そんな日々。迷いや悩みを吐露した言葉は、どんな世代でも共感できるのではないか。又吉氏による解説も素晴らしかった。これからもずっと読み継がれていってほしい一冊だ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2023/9/4
911.168||ハ (3階文庫)
「短歌って何?」と質問されたら、あなたは何と答えますか?わたしは、この歌集の一句を、質問の答えとして紹介したいと思います。
抑圧されたままでいるなよ
ぼくたちは三十一文字で
鳥になるのだ
(引用:『歌集 滑走路』,萩原慎一郎 [著], KADOKAWA ,2020年,p14)
短歌は31文字の言葉でできた短い詩です。
たった31文字。されど、31文字。
「国語の授業で習ったけれど、それ以外では読んだことがない」という人にも、この短い言葉に心動かされる不思議を、ぜひ味わってみてほしいです。
2021年頃から、snsでは短歌ブームが静かに続いています。この歌集『滑走路』も、現代を生きる人の思いを表現した歌が多く、読んでいるうちに「この歌、自分のことみたい」と共感する歌に出会えるのではないでしょうか。この共感が、うれしいことは何倍にも、つらいことは少しだけ軽く、してくれるように思うのです。 -
若さが書かせていた短歌なのかなと。
そして様々な賞を獲っていたことを考えると本当に悔しいくらい。 -
映画がとても良かったので。
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夭折の歌人の歌集。ある意味プロレタリア的短歌なんだろうか。特に萩原氏が20歳までに詠んだ歌は、まるで自分が詠んだような気がして、気恥ずかしくなってしまう。もっと長生きして、歌を詠んで欲しかった。合掌。