ばくうどの悪夢

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 890
感想 : 92
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  • Amazon.co.jp ・本 (496ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041098783

感想・レビュー・書評

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  • 夢と現実、悪夢と楽しい夢。どこまでが夢なのか、ばくうどの夢で殺される。

  • 夢と妄想って何度も繰り返し見ると現実とごっちゃになって、普通に連想したけど考えたけど自分の妄想だったとわかって怖くなる。そんな小説。
    人間関係の嫌な部分を気持ち悪くなりすぎないように書くことが上手い作家が書く、ネットの関係ないと好き放題言う方々の感想と手のひら返しへの一連の流れが、ああもう…となる。
    都会への憧れも田舎への偏見もどっちにも馴染めない人間の描く自己憐憫と救済なのだと思います。

  • 2023/3/29

  • 叙述トリック&明晰夢&メタ認知という合わせ技 今回もスゴいの出してきた澤村伊智 
    ラストまでいって、巻頭の「あとがき」 
    もしかして、この話自体が「彼女の夢」だったりしませんかねぇ・・・

  • 比嘉姉妹シリーズ、最新刊。
    今回も凄かった…( ー`дー´)キリッ 

    二部構成の話で一部は本の帯の通りで、
    まさかこのまんまってって事ないよね、
    と思ったら…そういう展開かΣ(・ω・ノ)ノ!

    片桐の悪意で一気に加速する怪異。
    片桐の痛々しさはある意味リアルで
    悪いのは全て他人のせいで
    現状を認めたくないが故の逆恨み。

    夢かうつつか幻か、
    悲惨な事件の元凶でもあるかのようにSNSで叩かれ
    周りの人たちからの嫌がらせに疲弊して
    夢の世界に囚われてしまう子供たち。

    この話がどんな結末を迎えるのか!?

    怖くて面白い(o≧▽゜)o

  • シリーズとして認識しながら読んだので、途中、野崎さん?あれ?真琴さん?と、混乱する。入れ子細工のように夢、夢の中のまた夢と言った具合に何が現実なのか読みながらだんだん疑心暗鬼となる。たくさん騙されました。現実が酷すぎていつまでも幸せな夢の中にいたい気持ちはわからなくもない。でも現実を選び続ける強い気持ちにジンとくる。真琴さんが目覚めることを祈ります。そして冒頭のシーンはグロかったです。

  • 比嘉姉妹シリーズ第六弾。
    今回の敵は夢の怪異「ばくうど」。

    凄絶な殺人と不気味な笑い声。
    序章からフルスロットルで恐怖の世界へ突き進む。

    何の疑いも持たず読み進めていくと物語中盤でシリーズの重要人物、野崎と真琴がとんでもない事に。
    シリーズを覆す程の衝撃を受ける。

    一体どういう事?
    いつのまにか自身も夢の中に取り込まれその場所で繰り広げられている事を事実と認識していた。

    夢と現実世界の境界もタイミングもばくうどに支配されている様で悔しい。

    田舎の閉塞感と友人間でのマウンティング、承認欲求を悪夢の怪異と融合させた王道ホラー。

  • 夢と現実が入り交じる、ホラーミステリー。

    物語全体として気味悪い雰囲気が漂う。殺人事件の描写はグロい。
    最初はどうなるんだ?とサクサク読み進められて、中盤でそういうことだったのか!となり、最後はオカルト、、?と思ったらシリーズものだったのね。
    映像化したら面白そう。

  • 一気に読めたし楽しかった。
    澤村伊智作品、人間関係の苦み描写が本当にうまい。
    嫌な印象を散りばめて物語のカギになるしかけを隠すのも巧み。
    でも「夢」っていうなんでもありの空間のパワーに最後ちょっと押し負けていた印象。
    漫才といっしょで、あまりにも縛りがない題材はふざけ方が難しいんだろうな。
    「怖いもの」の正体を掴むまでが、すごく面白い、いつものロジック積み上げ型の澤村伊智作品で、
    「怖いもの」と対峙するシークエンスは個人的には少し冗長な印象だった。
    3月には中編集も出るしたのしみだな!

  • 夢か現実か、様々な場面が混沌と渦巻く、絶品ホラーなミステリー。
    ちょっと変わった設定で組み立てられていて、前半の場面がどういうことなのか、後半が明らかになるとなるほどと判明してくる伏線の張り方も絶妙。序盤の1シーンは強烈。主人公の二人が力強く生きていって欲しいと願うばかり。この比嘉姉妹のシリーズはどれも大変面白い。

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著者プロフィール

1979年、大阪府生まれ。東京都在住。幼少時より怪談/ホラー作品に慣れ親しみ、岡本綺堂を敬愛する。2015年に「ぼぎわんが、来る」(受賞時のタイトルは「ぼぎわん」)で第22回ホラー小説大賞<大賞>を受賞しデビュー。2019年、「学校は死の匂い」(角川ホラー文庫『などらきの首』所収)で、第72回日本推理作家協会賞【短編部門】受賞。他の著作に『ずうのめ人形』『などらきの首』『ひとんち』『予言の島』などがある。巧妙な語り口と物語構成が高く評価されており、新たなホラーブームを巻き起こす旗手として期待されている。

「2023年 『七人怪談』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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