人間失格 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.78
  • (329)
  • (361)
  • (401)
  • (71)
  • (17)
本棚登録 : 5959
感想 : 380
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099124

作品紹介・あらすじ

「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」青森の大地主の息子であり、廃人同様のモルヒネ中毒患者だった大庭葉蔵の手記を借りて、自己の生涯を壮絶な作品に昇華させた太宰文学の代表作品。「いまは自分には、幸福も不幸もありません。ただ、一さいは過ぎて行きます」ほかに、家族の幸福を願いながら、自らの手で崩壊させる苦悩を描いた「桜桃」も収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 人間社会で上手く生きていくのは難しいと感じる節は多々ある。人々は笑いあって、壁を乗り越え、友に悩みを話て生きている。太宰の言葉を借りるが、人間という生き物について見当もつかない。本当にその通りで、私はこんなに苦しいのに、なぜ人は笑い、当たり前に親に感謝できるのだろうか。と思うのです。恥の多い人生を送ってきたと冒頭にあるように、振り返ると人はみな黒歴史ばかりな気がする、それなのに僕らはあたかも美しいような綺麗事ばかり並べて、人に愛されようとしていて本当に醜いし、自分はそんな恥ずかしい事はできないなと思うのです。ですが、振り返ったらきっと、恥の多い人生だったと思うのだろう。

  • はじめての太宰治の作品。
    難しくて言葉がわからなくてんんーーーと思いながらもゆっくりゆっくり読み進めてやっと読了。
    難しかったはずなのに読み終わると一つの物語がめちゃくちゃきちんと想像できて面白かったなあと思えた。
    色々な意見があるけど、私は共感できる部分が結構多かった。
    解説を読んで太宰治の生涯についてはじめてしったけど、他の作品も読んでみたい

  • 太宰治。大人になって読むと面白い。
    「人間は決して人間に服従しない。」

  • 何度も読みたくなるような作品。
    人間を恐れ、人間に阿り、人間に絶望し、、
    ついには人間ではなくなってしまった大庭葉蔵の手記。

    世の生きづらさ、人間の不可解さというものが綴られている。

    読む度読む度に感じるものが変わっていく。

  • デフォルメされていようと、太宰の人生は時代に翻弄される若者の苦しみを表す小説のようだったのがわかる。

    斜陽の方が優れているとは感じたが、太宰の生涯を鑑みれば、より心を突き動かすのが人間失格かもしれない。

  • 初めてしっかりと読んだ本でした。友達に生き方が似てる人がいて、読んでて面白かったです。その友人にもおすすめ中です笑。

  • 大好きな作品です。

  • 人生を賭けて執筆したんだろうなと凄みを感じた。共感するところもあれば、多感すぎて共感できないところも多々あり、ただそのような感受性が芸術に活かされていたと思う。人を笑わせるのを、道化やサービスと捉えている感受性は、芸人にも当てはまる性格だと思う。堀木のモデルとされていると壇一雄さんの解説に、著者がメソメソではない野生的で快活な一面があったと記されていて、例えば壇さんが鰻の針を噛み当てた時に声を出して笑い転げていた、というシーンは、著者が描いている作中の堀木との関係性とはやや異なる一面であり、とことん自分の心の感じ方にベクトルを向け続けている芯から内向的な人なんだと感じた。

  • 読むとつらくなる。ほとんどの人は嫌な気持ちになって終わるんでは。共感できる人が多いのなら、世の中はもっと優しいはずと思う。

  • 昔、読んでは途中で止め、読んではまた途中で止めを繰り返してきたが、やっと読めた時には本質がよく分からなかった。10年以上たって今改めて読んでみて、やっと書いてることがわかってきた気がする。文学に触れるのも悪くないなと感じた。

全380件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

1909年〈明治42年〉6月19日-1948年〈昭和23年〉6月13日)は、日本の小説家。本名は津島 修治。1930年東京大学仏文科に入学、中退。
自殺未遂や薬物中毒を繰り返しながらも、戦前から戦後にかけて作品を次々に発表した。主な作品に「走れメロス」「お伽草子」「人間失格」がある。没落した華族の女性を主人公にした「斜陽」はベストセラーとなる。典型的な自己破滅型の私小説作家であった。1948年6月13日に愛人であった山崎富栄と玉川上水で入水自殺。

「2022年 『太宰治大活字本シリーズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

太宰治の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×