きみの傷跡

著者 :
  • KADOKAWA
3.13
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本棚登録 : 192
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041099896

作品紹介・あらすじ

どうしよう、私、先輩のことが好きなのかもしれない。男のひとを好きになることなんてないだろうと思っていたのに……。

===
大学の新歓祭、写真部のブース。目が合って、好きにならずにいられなかった。

大学2年生の星野は、男子校出身で女子に免疫がない。所属している写真部の新入生勧誘で、カメラを首から下げた女子と出会い、一瞬で心を掴まれた。
その1年生・花宮まいは、ある理由で高校に行けなくなった過去がある。男性が苦手なのも、その「傷」のせいだ。
写真部に入部した花宮は、新歓撮影会などを経て、少しずつ星野と仲良くなっていく。

やがてふたりはお互いへの恋心を自覚し付き合い始める。それぞれ初めての「彼氏」「彼女」だ。
ある日、星野は佳い雰囲気のままつい花宮を押し倒してしまう。その瞬間、彼女の身体は固まってしまい……。


『初恋料理教室』『ハルさん』の著者が描く、好きなひとをちゃんと大切にしての「初体験」まで。
不器用なふたりの、みずみずしい青春恋愛ストーリー!



装画/めばち

感想・レビュー・書評

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  • 愛の形は人によって違う。
    時に反抗したくなったり、お互いに関係性が変わっていっても、それは優しさでつながっている。

  • 星野先輩と花宮さんのやりとりがわりとリアルで、現実にもありそうだなぁと思う場面が多々あった。花宮さんは繊細だけど、ぶっとんだ一面もあって面白い。あとがきで、「性被害者に対して傷が消えないと決めつけるような言葉は呪いにもなる」ということが書いてあり、自分にはなかった視点だったので、考えるきっかけになりました。

  •  過去にトラウマがあり、男性に恐怖心を持つ花宮まい。そして、中高と男子校で女子に免疫のない星野公平。不器用な2人が少しずつ距離を縮めていく姿がホッコリする所もありましたが、まいのトラウマがとても痛くて…それを包み込んでくれる星野がとても良い男ですね!

     全編のシリーズを通して登場する星野の友人・笹川。「ぼくの嘘」では主人公でしたが、今回もナイスアシストでした。

     ゆっくり関係を深めて将来結婚までいきそうな2人だと思いました。

  • 優しいお話で、好きだなぁ。藤野恵美さんの作品としては初めて手にしましたが、前後作も読んでみたくなりました。

  • ほんわり暖かい空気感ながらも
    語るべきは語る感じ。

    性について知ってもらう一助にもなりそうで
    中高生に読んでもらいたいな、と思いました。

    教育的で堅いわけではなく
    柔らかく読むことができると思います。
    主人公が法学部なのもあり、
    本格的な法律用語?が少量出てきますが難解にはなりません。
    想い合うこと、自分の気持ちを伝えることの大切さを感じられ、
    主人公たちのように素敵な関係を築くことに憧れます(*´ω`*)

    主人公の星野先輩はちょっと人として出来過ぎな感じもしますが(笑)
    この先の話も見てみたいな、と思える人達でした。

  • う〜ん。
    サクサク進む。

  • 中高と男子校育ちの大学生・星野と、ある過去を抱えた新入生・花宮まい。学内の写真部で出逢った二人は互いに意識し始め、やがて初めての「彼氏」「彼女」に。

    いわゆる「ムズキュン」な感じの、初々しい恋愛小説。まいが抱える過去は重く難しいものですが、配慮しつつも重くなりすぎないよう丁寧に書かれており、読んでいてこちらがしんどくなることはありませんでした(初読みの作家さんでしたが、児童文学・YA系を中心に書かれている方なんですね、納得)。
    何気ないやりとりなどでのドキドキ感や「どうしよう」みたいな気持ちの心理描写、二人が互いを真摯に思い合うところがとても良いなと思いました。
    ラストで椿先輩がまいの前で猥談……ならぬ鋭い分析をしていますが、星野のように恋人でも友人でも相手のことを深く考え、思いやれる人ってなかなかいないのではないでしょうか。

    初々しく読後感温かな恋愛物が読みたい人におすすめ。

  • ジャケ買いした

  • オススメいただいた恋愛物。
    傷を負った女の子とそれを深く大きく包み込む男の子の恋愛小説。

    ほんわかしてとてもよかった。
    大きな愛だった。

    女性にとって大きな傷を扱っているにも関わらず、その詳しい告白シーンはさらりとしか触れられておらず、事件自体も詳しくは語られず断片的にこういうことがあったんだなというだけ。
    でもその傷に関してはきっとそこに焦点を当てておらず、花宮さんの心情描写が丁寧にされていてとてもよい!

    性被害を受けた側は(癒えるかどうかは別にして)いつまでもその傷を負わなければならないものではないし、それを周りの人から可哀想にって負わされるものでもないよね。
    だからこそなるべくしてなった結末にはじんわりきたし、星野先輩のような人に愛されたい!と思ってしまったよ。

    星野先輩のあの接し方は法律家を目指す故なのか…いや、性格もあるんだろうけど。

    とにかくふたりには(特に花宮さんには!)幸せになって欲しい!!!!

    二人の出会いから大きなものを乗り越えるまで。
    素敵な恋愛小説でした。



    @手持ち本

  • 藤野さんにしては少し異質な小説だなとは思いましたが、後書きを読んで理解しました。難しい内容を含んでますが、藤野さんらしい分かれてるから柔らかさや優しさが溢れてます。

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著者プロフィール

1978年大阪府生まれ。2004年、第2回ジュニア冒険小説大賞を受賞した『ねこまた妖怪伝』でデビュー。児童文学のほか、ミステリーや恋愛小説も執筆する。著書に、「2013年 文庫大賞」(啓文堂大賞 文庫部門)となった『ハルさん』、『初恋料理教室』『おなじ世界のどこかで』『淀川八景』『しあわせなハリネズミ』『涙をなくした君に』、『きみの傷跡』に連なる青春シリーズの『わたしの恋人』『ぼくの嘘』『ふたりの文化祭』などがある。

「2023年 『初恋写真』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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